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オクトパストラベラー2 サブキャラと黒幕の感想(ネタバレ注意)

こちらの記事はオクトラ2の感想の続きになります。
本編の感想はこちらからどうぞ↓


個人的にお気に入りのNPC達

クリック君


本編感想のテメノスさんの項目でストーリーに絡む事はかなり話したので、こっちではおまけ程度に語りたい事を追加ぐらいで。(短いとは言っていない)
とはいえね、テメノスさん推しでテメノス編が大好きなオタクなので彼の事は無限に語れるんだけどね!!!!!!まじで大好き!!!!!!!

新米騎士の子羊くんなので相当若いと思うんですが、何歳ぐらいなんでしょうね。個人的にはテメノスさんと10歳ぐらい違ってても良きだな~と思います。

彼は没落貴族の家の出で「人から奪い取る生き方」を親に仕込まれてきたそうで、その方針に嫌気が指していた時、ロイと出会い感銘を受けて家を出て聖堂騎士になった。
忌避されがちな「異端審問官」に珍しく好意的だったのはロイの影響だったんですね。
同じ審問官でもテメノスさんはロイとは全然性格が違うのでおもてたんと違う…が隠せてないのも素直で嘘がつけないクリックくんらしくてあまりにも好き。

彼がロイとどの程度の付き合いがあったのかも、ロイの普段の感じもほぼ不明ですが、それでもテメノスさんとクリック君2人分の人の人生が変わる程の影響を与えてて、彼らの生き方を見るとロイも相当すごい人だったのがよく分かる。
光属性方向に導くのは闇落ちさせるより遥かに難しいと思います。
もう存在が強い

オクトラの感想を書くあたって、事前に自前で録画してたアナデン側のコラボストーリーの方も合わせて細かく見返しました。
で、恥ずかしながら見返すまで全く気付いてなかったんですけど、テメノスさん、真面目なアルドをからかった時に「君は知り合いに似てからかいやすいので」発言してた……

これ100パー絶対クリック君のことだよな(強火断定)

すごくないですか……まず初手であの場にいないクリック君の存在に言及するんですよあの人…
めちゃめちゃ気に入っていらっしゃる
気に入ってなきゃあだ名つけたり、本人に関係ない所で存在匂わせたりとかもしないでしょう。特にテメノスさんという人は。

3人のセリフと、オクトラのストーリーから推察するに、おそらくアナデン世界に飛ばされたのは多分それぞれの一章が終わって間もないぐらいと思うんですよ。
仲間は位置関係から考えるなら3人+ソローネとオズバルドのとっつぁんが加入してるかぐらい?船の話してたからカナルブラインかニューデルスタ停泊所付近で時空の穴が開いた感じかなと。

そのメンバーだとからかいやすそうなのは真面目だけど若干天然入ってるとっつぁんの可能性もなくもないが、アルドに似てるかといえば全然系統が違うし…もうねえ

どう考えてもクリック君にしかたどり着けなくないですか

QEDしたすぎて都合いい考え方してるだけかもしれない…でも私はそう思ってる。アルドはクリック君とキャラ性似てる所かなり多いしな!
最高!!!!!!!!!!グッジョブ神采配!!!!!!!!!
ライターさん、テメノス編好きだったりするのかな…助かるわ……

ただ、そういうことを考えると途中まではどえらい楽しいんですけど、まだ若くてあんな素直で真っ直ぐでいい子すぎるのに、どうしようもない奴らの為に殺されたという事実が不意に襲ってきて本気で落ち込むし悲しくなるし虚無になる…

テメノスさんは居なくなった人達の記憶を大切にしてくれる人だけど、年季入った付き合いのロイと教皇と違ってクリック君との思い出ってマジで少ないんですよね…
整理してみるとほんの数日分しかないんですよ……あの濃さで
思い出に浸るにしてはちょっと短すぎる時間だった

多分そこを今後補完してくれるのが彼の遺した友人オルトなのかなと思います。
オルトとのつながりは間違いなくクリック君が繋いでくれた縁ですからね。エンディングでも劇場前に駆けつけてくれましたし、テメノスさんにとってもとても大きな意味のある出会いだと思います。

話を聞くに、オルトはクリック君とそれなりに長い付き合いのようなのでテメノスさんに見せる時間のなかったクリック君の思い出部分を補ってくれそう。
テメノスさんが不意にクリック君の話を出したら「あいつは実は~~だったんですよ」みたいな感じから話に花が咲きそうでいいですね(急な妄想)
そういう想像力がいくらでも働くここの関係性もすごくいい感じで好きです。
出来ることならそれも見ていたかったなあ。

ドルシネアとベロニカ


芸者としてプロ中のプロ。在り方がかっこいいカリスマスーパースター!!
ドルシネア・ルゥゥゥゥゥゥゥセル!!!!!!
声に出して真似したい巻き舌すぎる。新井さんって本当にどの役でも演技力振り切っててキャラに他では中々味わえないタイプの唯一無二の魅力を付与するのが上手すぎて最高。大好きです!!

ドルシネアはほんと、彼女こそ、苦しい幼少期を経て成り上がった、本物のスターだった。そりゃこんな芯のつえーちょっとやそっとじゃ物怖じしないプロになるわ…と色々と説得力が出まくってた。
スターになっても甘んじることなく練習を欠かさず、お客さんの為、そしてプロのスーパースターでであり続けたい自分の為に日々頑張る彼女のソウル、本当にかっこよくて素晴らしい。
何度も繰り返しになっちゃうけどガチでプロ中のプロ感エグい。

故郷のサイの街を潰そうとしたり母の像の事はちょっとまずかったけど、故郷そのものが嫌いってよりも孤児時代の事を惨めに思ってて、今も嫌で仕方なかったんでしょうね…
人生から過去の汚点を消し去りたいって考えの元、あの突飛な行動に出たんだと思う。そう考えるとなにもかもがすごく分かる。
嫌な思い出って忘れようとしてもずっと付き纏ってきますもんね。ドルシネアほど強くてひたすら前に前に突き進む人でもそう思っちゃうんだな、という人間らしさの片鱗が見えるのもぐっと来ました。

アグネアのお母さんが彼女の先生だったのもすごく良い設定でした。見えない縁が二人を引き合わせてくれた様で、これは間違いなく運命ってやつでしょう。
先生の娘のアグネアと本気で勝負して、負けても清々しくプロとしての姿勢を崩さないのが超ドルシネアすぎる。
憧れた人が技だけじゃなくて人としても尊敬できる人格を持ってるとすごく嬉しいよね。アグネアは人を見る目が確かだと思ったなあ。

あ、でも四章の

ほぉーーーっほっほっほっほ!!ごきげんよう。廃れたゴミ溜めの皆さん

アグネア四章

開口一番これはちょっとどうかと思ったね。
ここだけただただすんげー罵倒じゃない?

まあでも、二章で出てきた時もしっかりしてらして全く嫌な人感はなかったし、四章の言葉の数々は目の前の住人ってより過去の自分に言ってる感があった。
プラットさん夫婦の話も聞いて彼女の人に見せない裏の努力や過去を知ってると嫌な気持ちには全然ならなかったな。

旅の途中で拾える「名もなき踊り子の手記」
子供の頃のドルシネアが書いたと思われる大事な補完手記です。
夢のステージへの憧れや、お金が沢山欲しい理由が「街を立て直す為」など…彼女の本心が嘘や飾り気もなく素直に書かれていました。
これを読むか読まないかでドルシネアという人の受け取り方が全然変わってくると思うんです。

彼女はぱっと見ただけだとものすごい尊大な態度の人に見えるけど、大スターに上り詰めて天狗になってるとかでは一切なくて、ちゃんと日々の努力からくる自信を常に身に鎧ってる人で、あの話し方もそこからくる「自信にあふれたスタードルシネア」像の顕現なんだと思う。
言葉選びが良くない部分も確かにあったけど、言ってる本人に人間力があると受け取る側も真意を曲解せずに済むからほんと助かる。

そしてドルシネアさんといえば外せないこの方、用心棒のベロニカさん。
率直に言って大好きすぎる
ああいう寡黙美人肉体派お姉さん、よすぎる……性格も必要以上の事はあまり喋らない物静かな人なんだけど、その隙間から見える素はすごいかわいい人感……たまらん……
癖の話は語るとキモいし止まらんのでやめよう。

戦ってみるとものすごく強い上に、義理堅くお仕事に対してきっちりしていらっしゃってストイックで、腕っぷしも人としてもすごく信用できて頼りがいしか無い人。
なのに、プロフィールによると「女性だから」という理由で前の雇用主だった要人に不当解雇されたらしいです。
ハァーーーーー?????

そんな輩、願い下げが過ぎますわ~~~~~!!!
どちらにいらっしゃいますのそのお馬鹿さんは!?わたくしが直々にぶっ潰して程度を教えて差し上げますわ~~!!ツラをお貸しになって~~!!

その要人とやら、どこの誰だか知らんけど頭硬すぎるでしょ。しょーもない前時代的価値観のせいで超有能な人を逃してやんの!!へっ!!
やーい!!ザマァーー!!!バーカバーカ!!!(小物)
でもある意味ではこいつの元を離れたことが新たにドルシネアとベロニカの尊く強い絆が生まれるきっかけになったのでまあ……0.1ミリぐらいは譲歩してやらんこともないかな


だとしても前歯の一本ぐらいはブチ折らせてほしい


すいませんね。ベロニカさんは全くそんな人じゃないけど、私は器がちっちゃいもんで……
何よりも、女らしくあれとか勝手な価値観の押し付けで周りに色々面倒を言われながらも、自分の特長を伸ばす事で頑張ってたベロニカさんの事を、そんな浅い何も相手の事を見てないし考えようともしてない理由であっさり否定したのが断じて許せん。

彼女達についてはサブストで深堀りがありましたね。
四章では色々揉めたりなんだりしたけど、プラットさん夫婦によると今はドルシネアと一緒にサイの街の復興を手伝ってくれてるらしい。
心遣いが染みるぅ……
やらかしをちゃんと謝罪して責任をしっかり自分達で取ってるのも信頼しかない。
プロフィールを見るに、どうやらドルシネア仕事の報酬は美容の他にはサイの街だけでなく各地への寄付に消えているとか。昔手記に書いてた通りに。

貴女、どんだけ人ができていらしてるのかしらあ!?!?

本人がこのムーブを誇示しないのがまた良いんだよな…人目を意識したパフォーマンスとかでなく、素でやりたいからただやってる事っていう……これが真のスタァってやつか

ニューデルスタにいたベロニカさんに話を聞くと、敬愛するドルシネアに日頃の感謝を伝えたくて贈り物をしたいけど、何がいいのか分からないと。きっとすごく悩んだんでしょうね。それで相談してきてくれました。
か、かわいい~~~~!!!!!!
頼ってくれたのも嬉しかったし、そりゃもう是非に力にならせていただきますとも!!ええ!!!全力でね!!!!!

プラットさん夫婦の話を聞いたり悩んだ上で、彼女が選んだ贈り物はなんと「鉄アレイ」
ベロニカさんらしい!!!!!素敵!!!!!!!!!!
何が素晴らしいって、なによりドルシネアに対する感謝や心遣いが全面にこもった彼女にしか贈れない唯一無二のものだから!!
ドルシネアの喜びっぷりに、彼女と同じぐらい嬉しそうなベロニカさんもよかった……なにこの空間……かわいいが溢れまくってる……!!!

人には、誰だって自分なりの輝きがある
あなたはあなたのままでいいのよ

ベロニカのサブストーリー

ドルシネアがかつて自分の在り方を見失いかけたベロニカさんに言ったというこの言葉に対する、一番の彼女らしい最高の答えがこのプレゼントであり、このサブストの二人の一連のやりとり。
ほんと最高。後方腕組み見守りオタク「尊」を噛み締めさせて頂きましたとも……アーメン……

見る度にもらった時の嬉しさや相手の心遣いやら思い出やらに全力で浸れる最高のアイテム。それがプレゼント。
選んだものもベロニカさんにしか選べない彼女らしさ全開の品でこの「特別感」そしてそこに込められた真の贈り物である彼女の「心」
ドルシネアにとってこの鉄アレイは一生の宝物になるのはまず間違いない。
打楽器と思われたのは草だったけど、それはそれでドルシネアの天然エピでかわいいから全てヨシ!!!

はぁ………ここ二人、一生見守らせてほしいな(厄介背後霊)

リツ


見てるとすごく複雑な気持ちにさせてくる男。
ヒカリ編に出てきた幼馴染キャラ。イケメン&イケボ。腕っぷしも確か。
でもどこかちょっとヒカリに、というかク国のあり方そのものに思うところがありそうな感じの男だなあ……うん……

思う所しかなかった!!!!!!!!!!!!!!!!

ミッカという守るべき妹がいた事で更に拍車掛かってた!!!つらい!!!!ミッカやヒカリが悪いとかじゃないんだけどね!!!もっというとリツ本人だって本質的には悪くないと思う。

でも、ちょっとずつお互いに良くない部分も確かにあった。
表現がすごく難しいけど「悪」じゃなくてちょっとずつ良くなかった所です。

相手を思うが故に本音を言えなかったり、時と場がよくなかったり、見えてるようで見えてなかったり、悪意全くなしに地雷を踏んじゃってたりとか、本当にちょっとずつ色々。よくあるすれ違いの要素。
勿論人間関係だけでなく、置かれてた環境や状況が原因の部分も多大にありました。
それが積もりに積もった結果、リツはただひたすらに自分で自分を追い詰めすぎちゃって最終的にあんな風に………リアルにきつい系統の話になってしまったなと思った。
でもこういうキャラ……正直大好物なんだよな
闇のこじらせオタクですまん

現実で言う所の帝国式というんでしょうか。隣国とガンガン戦争してバンバン支配して国土を広げ国力をあげて……なんて無理のある無茶を長い事してれば当然国民には負担しかないし、戦争はどう理由付けしたって前線の勝ち負けに関係なく貧困飢餓での戦死者がどんどん出るどう考えても悪魔の所業。
そんな事を繰り返してる命が軽い国に子供の頃から住んでて、逃げる場所も頼れる人もなく泥水をすすって生きてきたなら「力こそ全て」「友情なんかなんの足しにもならん」「力がないと一生踏みにじられ続ける」という思考に至るのも当然といいますか……
消耗しきって、なにより自分の中の恐怖心に負けて目的が歪んじゃった人だと思う

ヒカリは綺麗事じゃなく本気で「友がなによりの自分の力」と信じていて、彼のその考えが間違いではないと知ってる部分もあったからこそ、否定もできなくてリツはどんどん影に一人で行ってしまった感が否めませんでした。

正直な話をすると、私もリツのようにどこにでもいる普通の人間すぎるので、ヒカリみたいな真っ直ぐで優しくてすごい人を前にすると複雑な気持ちになる理由もすごく分かってしまう。
彼が迷わず友の為に戦う様を見てると、かっこいいけどこれはちょっと眩しすぎるよなあ。と思っちゃう瞬間もあった。

更に身分の違いも問題で、ヒカリが同じ平民ならあそこまで彼の言葉に反発するように取り返しのつかない犠牲を伴う成り上がりに執着することもなかったのかなと考えてしまいます。
ヒカリは側室の子で実質王位継承権のなかった第二王子だし、後継として指名されるまではそれらしい扱いもされてなかったり、本人の心情としては本当にリツと同じ平民の目線で生きてると思うんだけど、とはいえ本当に平民のリツからしたら……だからなあ……。

リツのドラマは時間が経つごとにミッカと考え方が明らかにズレてきちゃってるな……というのを節々でみせつけられるのも胃がキリキリしました。最初に書いたすれ違いの話ですね。

きれいな着物やいい暮らしは確かに貧しかった時の憧れではあったのかもしれないけど、その為に唯一の家族の兄が無茶して無理して他人も自分自身も傷つけてるのは嫌だろうし…だけど、自分の為に頑張ってくれている兄を否定するような事簡単に言えるわけないよね。あんなに健気で優しい子なら尚の事。
リツもミッカの変化に気付いて汲んであげられたなら良かったけど、明らかに余裕がなくなってたからなあ。余裕がないと視野はどんどん狭くなる一方だし、やっぱりどうやっても難しかったと思う。

リツがいなくなった後、ミッカが寝る間も惜しんで国の為に働き続けてるのもほんましんどかった……
誰がどう言おうとリツはミッカにとって唯一の大事な家族で、彼を亡くして一人ぼっちになっちゃってまず初めにやるのが泣くとか悲しむとかじゃなく身を削った復興の手伝い……
何かしてないと押し潰されそうなのは分かるし、兄の代わりに贖罪をと思ってるかもしれんけど、目に見えて無理してるからなあ…
ベンケイが彼女を本気で心配してくれたり、しっかりもので優しくて明るくて楽しい性格なパーラが友達になって本当によかった。でないと

まず私の心が張り裂けてしんでた

サブクエではベンケイのお願いで作業で服もボロボロになったミッカの為に、新しいのをアグネアのお父さんに仕立ててもらいました。
そしてそれを届けに行ったアグネアの妹、パーラがミッカに言った言葉。

つらいことは誰かとはんぶんこにしていいんだべよ

ミッカのサブストーリー

そうだよね。パーラもお母さん亡くしてるもんね…

と思ったら、アグねえが旅に出た後父と二人暮らしになって、ごはん担当が自分になってまともに作れるのが木苺パイしかなくて三日三晩食べる羽目になったのがつらかった
夢にまで木苺が出てきたし……と

それはガチでつれえわ……

想像だけで胸焼けしそうだよ…パイってかなり味しっかりしとるから余計くるやろうな…
私自身が甘いもの得意じゃないのもあるけど、これは流石に好きでも嫌気さすやつやと思うわ…

と、和ませ会話もあってミッカもパーラのつらいことを「はんぶんこさせて」と打ち解けられました。ひとりぼっちじゃないよ!
ベンケイとパーラはミッカだけでなく私も救ってくれましたね。ほんとありがとう。大好き。
パーラさん「いつかうちにも来てね!お嫁としてさ!」発言について詳しく


ちょっと脱線しましたが、とにかくヒカリ編のラスボスはリツじゃなかったけど、私の中で一番強敵だったのは彼でしたね間違いなく。精神的な意味で。
ロストした後も長らく尾を引くタイプの男だった…今も引き続けてます。
せめて、これから先はヒカリ達が作る上も下もない平和な国の土の下で、穏やかに眠れたらいいな
それぐらいしかもう祈れないのがただただ悲しい。

マザーとファーザー


所業だけ見ると何も一切フォローできんぐらいにやばいし、ソローネの自由の前に立ちはだかる敵としてはパーフェクトでそれぞれ系統の違う悪で、まぎれもない父と母で、やばい二人と知ってるけどヒール役として実は結構好きな二人でした。それぞれに違った悪の強者でカリスマ性があって裏社会組織の長年のボスの器だった説得力があった。

マザーズガーデンの鐘の音、なんかの合図かなあと思ったらそういうことかあ……とか、ファーザーが妙にソローネに肩入してたの、そういうことかよ……みたいな嫌~~~な回収したくなかった伏線貼るのがうますぎる。

褒め言葉ですよ!!!!!

物語の作りとしてすごいという話です。それはそれとして事実の内容は胸クソ悪かったけどね!!!
オクトラ2のスタッフさん、あまりにありとあらゆる種類の悪役作るのうますぎ。

それから、二人の中の人がそれぞれに演技がすごすぎて感服致しました。
まずファーザー役の堀内さん。
完全にイカれきってる乾いた狂人の演技があまりに怖すぎて父編は過去回想も全部含めてガチで終始鳥肌立ってた。
抑揚が無い喋り方で、じわじわ嫌な得体のしれないものが自分の見えない角度からズリ……ズリ……っと這い寄ってきて追い詰めてくる感じ。

コミュニケーションが取れるし会話の内容もしっかり成立してるんだけど、その上で確実に狂ってるのが分かるのがめちゃめちゃ怖ェーーー!!!

人殺しまくってきて何も感じなくなってるマジモンって「こう」だなって、実際そういう人間と会ったことなくても直感で理解できる所が凄すぎる。
意味不明な事を喚いたりしてる「駄目だ!!もう話全然通じねえ!こいつイカれてやがる!!」ってタイプのがまだマシって事、あるんだ……新感覚だわ……
ただ、回想でマリエッタと話してるシーンだけ全然違うのがもう……嘘偽りなく彼女を愛しててマリエッタだけがファーザーの心を純粋に動かしてたんだ……って伝わってきて、染みるけどつらくて苦しい。

マザー役の片岡さんの演技は、子供や他人の人生を道具にすることをなんとも思ってない、ファーザーとは違う角度の狂気の振り切り方が見たら秒で分かる。ヤバい奴や!!でしかなくて震えた。
こっちはファーザーのようにじわじわ背中からくる系じゃなくて、対人特化といいますか。生かさず殺さずで自分の為の支配を目的にしてるので責め立てて心を折って屈服させる爆発力を感じた。
歪んだ動機で対象を否定しまくる露骨な口汚さも含んでて、あ~どうしようもないやばい親ってこうだよなあ~~感。うん。

この二人、架空のキャラだからいいけど現実だったら絶対関わりたくねえ~!!自分の人生に一秒たりとも入ってきて欲しくないな!!!!と思わせてくるそれぞれの人間性のやばさの表現の幅が凄まじかったです。
人としては絶対一ミリも好きになれんと断言できるレベルの思い切りのいい振り切り方が好きという複雑感情。
ほんと、ゲームでよかったよこれ……

とまあ、散々な事を言った訳ですが、よく考えてみるとある意味でこの二人も十分クロードの被害者なのも事実なんですよね。しかもソローネやピルロ達よりもずっと長いこと。
そんでもってソローネは自分達を支配してた二人が血の上では兄弟だったとか……自分が彼女の立場だったらって考えると、吐き気する話でしかない。

ピルロ似の子供がオアーズラッシュに居て、一応はおそらく母親は健在?っぽかったので、黒蛇っていう受け皿の外にも奴の子供がいる上に、ロストシードの現状からしてかなり昔から器を仕込んでるって考えると、どこからどこまでクロードの遺伝子が入ってるかわからないんですよねソリスティア大陸に生きてる人達って。
むしろ入ってない人間のほうがレアな可能性も下手すりゃある。

ちょっと気持ち悪すぎやせんか。クロードよ。

黒蛇という組織そのものがクロードの為だけに存在してるのもま~~~胸クソ悪すぎる話。本当に何様のつもりなんだ。

ファーザーは蛇自体はどうでもいいと言っていたのでまだいいとしても、マザーはクロードの子供達を直接引き取って未来の蛇として調教してた訳ですから、クロードとある程度親交があってもおかしくはない。
あの一人前になった蛇に聞かせる「おとぎ話」は多分クロードの実話なんだろうな、っていう匂わせも感じたし。

彼女のやり方は暴力に訴えたゴリゴリの恐怖政治でしたが、潰し合いが常の組織の頭を長年張ってた実績から考えるに、ボスとしての頭脳と人脈や情報網の広さはかなりのものだったみたいなので、そのパワーでおとぎ話の件といいクロードの目的なんてとっくに気付いてそうなんですよね。
ただ利用されてるだけの人ではないでしょう。

仮にそうだとするとあんなのに実質的に協力するメリットがあるかね?とか、どこまで把握してたのかという疑問も出てくる。
自分もあの男の娘だった事、蛇の存在理由、自分とファーザー、それどころか組織の構成員が全員異母兄弟なんてふざけた話。知ってたのかな……
この件はソローネも叫んじゃってたけどさ

マザーとファーザーにとってもガチ発狂案件だと思うんだよな……

あの件のダメージは裏社会慣れしてるとか関係なくだよな。
ほんと、蛇の真実は1から10まで嫌な話でしか無い。

あれ…?好きなキャラの項目で語ってたはずなのに結構な事を言ってしまった気しかせんな……
ヒール役の好きな所を語るの、一生難しすぎ問題ある。


アレがアレでアレな暗黒勢


アルカネット


全ての元凶。もう諸悪の根源といっていいでしょうこの女。
テメノス編終わるまではミント改め、本名アルカネットはやさしくておっとりしててかわいくて素敵で~~~って思ってたのが今思うと掌の上すぎて唇噛みちぎりそうなぐらいにはあまりにも悔しすぎる。
何度でも言うけどヴィーデとか比じゃないレベルでよっぽど邪悪。
タンジーはアルカネットを「女神様」って言ってたけど逆だよ
サタンだよこの女
世界三大悪女に名を連ねててもなんも遜色ない。

テメノス編が終わったあとのミントの髪飾りの下り、今思うとどう考えても月影教関係示唆なのにクリック君に思いを馳せていた私は正直それどころでなく、全然気づいてなかったし疑ってませんでした。
髪飾り=作中で出てきた意味ありげ装飾品って月影教のしかないじゃんの可能性に思い当たらなかったのが痛い。

しかし聖火教会のお膝元の街で月影教のアイテムを堂々と付けてたって考えると、まあ肝が据わってるというかナメくさりあそばされてたんやろなあ…

そうは言っても縦読みの「全てうそ」には一応気付いてたんですよ!!
テメノスさんでわりと教会関係者に話しかけたり事前にしばけるだけしばいたので!(無慈悲)

あれです。テメノス編終了後にこれ他にも絶対教会関係者や信者の中に異端とかなんかもっとやべーやつ紛れ込んでるやろ!!と思って、頑張れば怪しい奴炙り出せるかな~という思惑の下の行動です。
フレイムチャーチは教会の本拠地ですからね。それはもう入念に試しましたとも。他のメンバーのコマンドにも協力してもらってね。
あくまで考察の為ですよ!そんなバイオレンスな趣味はないです!人間性の良さには全く自信ないけど!!

で、ふと縦読みに気付いてぞっとして、え……この人何よ……とは思ってた。

テメノス四章後の会話はなんか意味深だったけど、ミントは普段はその辺にいるNPCと一緒でモブ感が強いし、縦読みを知っててもそれ以上の情報がなかったのでエクストラストーリー見るまではなんか訳ありっぽいよく分からん人ぐらいに収まってた。
なんでそんな鈍感だったのかっていうと、そこらのNPCになんかやばそうなプロフィール文章引っ提げてるけど想像に委ねる系は山程いたから。

ミントはテメノス編に絡んだネームドだからサブストーリーで回収されるのかな?フラグどこにあるのかな~ぐらいの気軽さで構えてた。オルトに対する姿勢と一緒で。
その「全てうそ」に連なる彼女のプロフィールの文章ですが

ての人々に、聖火の加護が届くことを願う神官。
厚い布教の姿勢や笑顔を絶やさず、なにか起ころ
とも日々の祈りは決して欠かさない。
れが、自身にできるせめてもの償いだから。

神官ミントのプロフィール文章

手厚いの「手」がひらがなになっててわざと縦読みを仕込んでるのは一目瞭然なんだけど、文面自体はTHE神官で「あ…なんか過去にやっちゃってその償いの為に神官になったのかな」って解釈できないこともない内容なんですよね。
更生の為とか、罪の意識に耐えかねてとか。のっぴきならない事情があったんだきっと。


クソーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


毛ほどもそんな事思ってなかったし、この文章と真逆のことをうん百年やってたのまで含めての「全てうそ」だったの最悪すぎかよ!!!!なによこの女!!!!キーーーーーーーー!!!

エクストラストーリーの話。
夜しかなくなっちゃった世界でどこいきゃええんや。祭壇の場所、正直あんま覚えてないぞ……とりあえずマップを開いていみるか。
…………。

なんかフレイムチャーチの暗黒闘気……他よりエグくね……??

他にもちらほらそれっぽい場所で黒い炎が示されてましたが、フレイムチャーチだけレベチの濃さ。完全にやべーやつやん。
聖火のお膝元なのにそんなことある?
フレイムチャーチに限っては暗黒パワーよかアルカネットの邪気説ある

で、飛んでったら街が異様な空気になってて誰も居ない。
もしかして人なき村案件か…?トルーソーの腫瘍毒流用した…?と思いゾワッとした所で何故か一人だけ外にいて鉢合わせたミントさん。

あらテメノスさん。こんな所で”お散歩”かしら

エクストラストーリー フレイムチャーチイベント

呑気ですか!?いやいやこの状況でそんな訳ねーですよね!?
流石にテメノスさんが「様子がおかしい」とすぐ気づきました。
で、皆で後を追って、教会の前で会話がスタート。
テメノスさんの質問は審問に変わり、彼の審問スタイルに対しついに不気味に笑いだします。

人を動かす為に武器を使うのは愚かだわ
力で抑圧された人間は、抗うことばかりを考える
人を動かしたいなら……心を服従させなきゃ

エクストラストーリー フレイムチャーチイベント

…………は?
やべえ……やっっべえよこの女~~~!!!
更に、長年自分がやってきた事を畳み掛けてきます。
まとめるとこんな感じ。

心の影に耳を澄ます
人が求めている心の拠り所を見つける
与えさえすればそれ無しで生きられなくなる
対象の心の服従作業、完了

聞きたくもないマインドコントロールステップ講座をするなーーーー!!!!!
後に拾えるタンジーの手記で判明しますが、これそのまんまタンジーが食らった手法なんですよね。
きっと長い時の中でこの方法でありとあらゆる人間を操り、自分の為だけに使い捨ててきたんでしょうね。
からの、吐き捨てるような

人間って愚かよね。何百年経っても変わらない

エクストラストーリー フレイムチャーチイベント

なんてこと言うんや
いつの時代でもこんなパターン化された方法(少なくともアルカネットにとってはもはや単純作業レベルの事だったんだと思う)での支配が通用し続ける人間の性質や、それで自分に操られた人達に対して出た結論がこれよ。


ちょっとあまりに胸クソ悪すぎてびっくりしちゃったんですけど……


この台詞は言い方がそんなどうしようもないと思ってる人間達と一緒で、何百年もずっと変わらず死ねない自分への自嘲も含んでる感じはあるけど、それにしたって駄目です。
こっちはテメノス編筆頭にこの女の犠牲者達を嫌ってほど見てきてますからね。そのぐらいじゃ私は一切ブレませんよ。

その後もテメノスさんの前でよくもまあそんな事が言えたなあのラッシュで、一言一言が丁寧にヘイト稼ぎしてきて余念がなかったですね。教皇にロイにおまけにクリック君の事まで愚弄してきたりよ
どの口で言っとんねんほんま……とんでもなさすぎるわ!!!!!!!!


彼女の声を担当されている上田さん、二面性演技にとても定評のある方らしく…それをミント、もといアルカネットでめちゃくちゃ分からされました。
本性を丸出しにしても口調とか振る舞いはミント時と同じで落ち着いた「あらあら…うふふ…」お姉さんのままなのが怖さと邪悪さを助長してる。
ガチでナイスキャスティングすぎる。何度聴いても本性に切り替わる笑い声の所、不気味すぎて震えるわ……夢に出ました。

この女も正体が分かるのがエクストラストーリーで本人が語った事もそう多くないので細かい所は手記系から推測するしか無いんだけど、ま~~~~~本当にびっくりしたし呆然とした。例のタンジーの手記もね。
あれはあまりに情緒破壊ダイレクトアタックすぎる。

タンジーやカルディナやペトリコールのように具体的に分かってる犠牲者だけでなく、語られてないだけで無数の人生を壊してきたことはあまりに自明なので本当にもうこの女、やばすぎる。

やばすぎてやばいしか言葉が見つからんぐらいやばい。

あの同じ暗黒勢の筈の策士オボロもオリに「アルカネットには気をつけろ」と念を押すぐらいにはやばい。どんだけだよ……

この手の妙に人心掌握に長けててマインドコントロールしようとする人、現実にも余裕で存在してるから自分の身近にあるかもしれない恐怖も含んでるキャラなのが質悪い。
ファンタジーキャラではあるけどリアルな人間の怖さを持ってるキャラなのも、真の黒幕として相当強いと思います。

何があっても絶対関わりたくなさすぎる。

クロード


諸悪の根源その2。
はっきり言っちゃうとシンプルに骨の髄までクソ野郎です(シンプル悪口)はなから責任持つ気もない上に、種の選別とかいう気色の悪い目的の為に無理矢理に子供作り続けるとか…そうとしか言いようがない。

もしかしてこの男の存在がCEROをブチ上げてるのでは…?と思ったぐらい全ムーブがやばい。
「倫欠」が服着て歩いてるわ……アルカネットとは別方向で。
アルカネットもだけど、こんなとんでもない系統のヤバさレベルカンストの奴が同時に二人も黒幕やってるゲームって探しても早々ないのでは……?

この男の正体ですが、なんとダーケストの孫でした。
そして祖父の訳の分からん企みによって妊娠中にヴィーデの血を与えられて「ヴィーデの器」として望まない不老を得た。
その所為で生きる事に絶望していたのかなあ……という点を考慮したとしても、やっていた事が擁護する気すら起きないおファッキン野郎すぎて倒すのに一切躊躇なかったですね~~~
自分も同じ事を無関係の無数の女性相手にやってますし、更には子供達の命を選別してますからね。ジジイに負けず劣らず訳わからんし邪悪すぎる

それから、オリの手記のトルーソー関連にさらっと書いてあったけど、こいつ昔、純粋だったトルーソーを一気にあそこまで闇落ちさせた上にキャスティを「口説き落とそうとした」らしい
更にはオリもクロードの所業にドン引きし「彼の目は恐ろしい。まるで私も孕ませようとしているかのようだ」と危機感も覚えてた

はらわた煮えくり返り通り越して沸騰しすぎて蒸発しそう

過激な言い方になっちゃうけど、こいつはガチでソリスティア大陸の明日の為に絶対排除しないといけない存在だったのはまず間違いないよ。

もうね、ほんとずっとびっくりするぐらいやばいことしか言わないし、してこないんですよこの男。
戦闘中はソローネが決死の覚悟で倒してきたピルロ、ファーザーとマザー、更にマリエッタらしき人や、ソローネ本人っぽい偽物まで出してソローネが一番嫌で執拗な精神攻撃&地雷攻撃をしてくる始末で。
ほんっっっっとにこいつ……!!!!あーーーーー

どう生きてきたらそんな悪趣味な事ばっかできんの!!!!??!??!

なーーーーーにが蛇の幻影、贋作じゃ!!!!!上手いこと言った気になってんじゃねえ~~!!!!胸クソ悪いし気色悪いんじゃ!!!
潰す!!!!!!!!!!!!(全ギレ)
こんなんソローネじゃなくても叫びながらナイフ振りかざしたくなるってぇ……

この男、見た目はピルロと造型がほぼ一緒で、一応は顔がいい…の部類に入るんだろうけどそんなん全然1ミリもプラスになんないです
人の見た目をあれこれ非難する趣味はないけど、こればっかりは父親似のピルロに心の底から同情したよ……
ピルロにもできれば欲しいものを手に入れて幸せになってもらいたかった身としては、この男が彼と似てたのはものすごく嫌なポイントですね。

クロード本人が出てきたのはソローネ最終章の最後の最後だけだったにもかかわらず、こうして一気に存在の全てでプレイヤーの殺意……いえ、戦意を煽ってくるのもすごい。ある種の煽りの才能では??

ガチで全てが生理的に無理すぎるわ

フィクションキャラにここまで強烈な生理的嫌悪感を覚える事って初めてかもな、と思うレベル。
これまで沢山の作品を見てきて、フィクションなら善悪問わず大体どういう内容でも「それもまたそのキャラの人生」で受け入れられるぐらいになってきてる自負があったけど、ちょっと取り下げた方がいいかもしんないな……私も人間力がまだまだだ。

この男にも深い事情や絶望するような話があったんかな、とはなんとなく察せられるし、自死を望んでる時点でそうと見えないだけでとっくに精神壊れちゃってて極限状態ではあるのも分かってはいる。
でも、偶然この男の子供に生まれたというだけで不幸になった子や、尊厳を踏みにじられて望まず無理矢理母親にされた女性も無数にいるし、実際ソローネ編の雪兎の件で現在進行系でそれが起きてた時点でなあ……もう同情する気が全く起きなかった。
生かしとくとこれからもそういう不幸が生まれ続けるのは間違いないので、それは流石に人並みの倫理観があると思ってる一人の人間としてどうしても看過できなかったです。

結論、拾った情報を含めて色々考えたし、私自身自分を人にあれこれ言える様な良い人間とは思った事もないけど、それでもやっぱ
こいつは絶対に存在を許しちゃおけねえ!!!!
ちょっと犠牲者があまりに多すぎるんだわ。

ここまで本人が死んだぐらいじゃなんの償いにならない途方もない重い罪を犯してきてると、犠牲者達の為にどう処すのがいいのか。もはや手段を考えるのも難しい。極刑ですら何の意味もない事ってあるんだ…

アルカネットといい「明日を望まぬ者」は自分が死ぬことも目的のひとつなので、死ねずに無様に生き残り続けてるままの方が本人達にとってしっかり罰になってる気がするんですよね。
だから殺してしまうのは望みを叶えてしまうことになって非常に癪でしかなかったのもまた事実。
なんだけど、皆の希望にあふれた明日の為を盗む為には仕方ない。
けど、どうしたって勝ち逃げされた感がものすごく悔しい。
無敵かよお前
きっちりちゃんと勝ったはずなのに釈然としないよ。させてくれよ。

アルカネットとクロードを見てると、人間って元々そこまで長生きするようにできてないんだろうなってすごく感じました。
人間の本来の寿命で自然に死んでいけないと、体は生きてたとしても、どうしても心が先に死んで壊れるのかもしれない。

人間の寿命以上の時間が必要になる「とても強い目的」が元々あればまた話が変わってきそうですけど、そういう訳でもないのにただただ死ねないってなると苦痛と無理しかないのかもしれませんね。
どんなにストレスへの対処が上手い人だって流石に限界はあるし、そういうのは人生の内容だけじゃなくて、生きてる年数も関係してると思う。
あの二人も最初から人間性終わってたんじゃなくて、長い不老不死の苦痛の果てに耐えきれなくなって感はあった。

体だけ健康でも心が壊れてなくなっちゃってるなら、それって本人からしたら本当に生きてるって思えるのか?って話にもなってくる。
そうじゃない私がいくら必死にない頭で考えてみた所で、本人にしか実際が分からん事だからまあ……なんにもならないんですがね。

ただ、色々あったにせよ、それで二人のように壊れた心で他人の人生や心まで何百年も壊し続けてるってなるとなあ………もう誰が許すとか許さないとか贖罪とかそういう人の社会に収まるスケールをとうに超えてて、全く手がつけられられない話になっちゃってるんだなと。

ここまで二人に対してかなり散々な事を言い散らかしてきましたが……
倫理的に問題しかないし、エゴだし、現実だと絶対選んじゃ駄目な選択肢なんだけど、怨恨やら嫌悪感を抜きにして改めてクロードとアルカネットに同じ人間としてできることを真剣に考えても、やっぱり潔く腹を決めて殺してあげるしかないと、私の結論はそういう事になりました。
勿論これはゲームだから取れる選択肢なんだけど、そんな究極の終わらせ方が「せめてもの情」なのもヘビーな話だ。

オボロ


確かヒカリ編のわりと早い段階でとある文章が読めたと思うんですよ。宮殿の隅にひっそり置かれている、「オボロ」という人物が書いたらしい手紙のようなもの。
内容は手紙ってより自分の思いの丈をただただ綴っただけの誰に宛てた訳でもないようなそんな文面。あれを読んだ時

えっ……待ってこれ……名前違うけどカザンっぽくね……?いやでもまさかそんな……アハハ………そんなわけねーべ……気のせい気のせい!!

無理矢理自分を誤魔化したし、実際二章で元気そうなカザンが悠々自適に博打で全額スッてるのにガッハッハ!!なセカンドライフ謳歌モードだったからその心配、一切吹き飛んでました。
その後も闘技場での見返りにきっちりヒカリに協力してくれてク国の鷲としての力を存分に生かしてくれたしね。

さすがク国の鷲!!すごく頼りになる軍師殿だ!!酒好きでゆるい所あるのも良い感じにギャップ出しになってるし和服も渋くてやるときはやる男……!!為せば成るじゃん!!かっけぇ~~!!!そこに痺れる憧れる!!!


これが全部嘘だったと思いたくないじゃんか……ねえ……


エクストラストーリーのアゲハの例のあれ見た時、あまりに別人でショックだったし怖すぎて絶句しました。
ヒカリ編はリツの事で頭がいっぱいになっちゃってたけど、終わって冷静になって「あれ、そういやアゲハってどこいったんだ…?」と思ってたらこれよ……

アゲハはムゲンやリツみたいに闇落ちしてたとかではないし、あくまで職務上ムゲン派の兵長で、捕虜を殺さず自国の兵士にする事を提案していたり、敵国の民とはいえ赤ちゃんを殺すのに躊躇があったりと、本人はムゲンに並ぶ程の極悪人って訳でもなさそうな印象だった(謀反に与してるし、最終的には捕虜の虐殺命令に従ったようなので全然シロではないが)

リツが台頭してきて気がついたらいなくなってて、真実はオボロにとっくに消されてて……なんかさ……ただただ悲しいよもう……
アゲハはムゲン側の部下ポジの人ぐらいの認識だったんだけど、それでもすごくやりきれない気持ちになった。

時系列的にあれはヒカリが王になった直後だったっぽいんだよな……
しかもアゲハによるとオボロは「ムゲンを王に担ぎ上げる謀反を企てた張本人」でもあったらしい。
そして目当ての黒血剣を手に入れたら、今度は邪魔になったムゲン一派をヒカリ達の剣を使って全員一気に排除。
ここまで両方の策をどっちにも悟らせる事もなくやり切って終わった後にスッと蒸発。

二面性の使い分け、凄まじすぎですかよ……

アゲハはタンジーのように戦闘力ゼロじゃなくて、大国の軍で兵長に上り詰めるぐらいの武人でヒカリとも渡り合えてたのでオボロを力で制圧したり逃げたりもワンチャンぐらいはできた筈。
なのに、オボロの雰囲気と話に圧倒されて、最後はただただ弱者で被害者になってしまった。
これがもうオボロ……怖すぎる……を加速させたと思う。

あまりの事に「カザン」と「オボロ」はもはや別の人格として切り離されて存在してるんじゃないかって思ったぐらい、何もかもにものすごい温度差があって、心の底からゾッとしました。
彼の妹のオリは、まだ明確に「無鉄砲な新聞記者」を演じるに至った理由が本人の手記からはっきり説明があったので、そこの温度差については怖さはなかったんですが、オボロのアレはなんかそれとは明らかな格の違いを感じましたね。

だからかな。自分でもしっくりくる表現がいまだに定まってないんですが、ここまでの暗躍の事実を目の当たりにしても、私は何故か不思議と「カザンに強烈に裏切られた」感を感じなかったんです
勿論真実はショッキングだったけど=裏切りとは思わなかった。
かなり思い切りよくカザンとオボロが乖離してたからかもしれない。
「オボロ」にはしてやられたんだけど、かといって「カザン」に裏切られた訳じゃない感…?
この感覚、説明が難しいな

爪を隠して全員を欺いていたのは確かにそうで、実際「演じてる」とも言っていたんだけど、もはや本人が言う以上にそういう次元を超えてる気がした。
時折見せる「抜けてるちょっと駄目な大人の部分もある」がすごい自然体すぎて嘘っぽさを感じない上に「カザン」で居る時に暗黒勢としてのボロが一切出なかったからかも。
無理にもう一つの人格を作ってるんじゃなくて、プライベートと仕事で全然違うスタンスでオンオフが切り替わるタイプの人、みたいな感覚を得た。
ク家の血やク国そのものをよく思ってなかったし恨みすらあったけど、オボロもク家とまあまあ近いものを持ってたと思うんだよな……


あとね、ヒカリ編ラストの戴冠式前にカザンが言ってた

平和こそ勝利に勝る美酒なり。ようやく杯を交わせるな。ヒカリ殿

ヒカリ編五章

ここが全く嘘を言ってるように聞こえないのが私が頭抱えてる一番の原因なんですよ!!!!


「オボロ」で何をしていても、平和が一番という考えも彼の中にちゃんとあったんだろうし、思惑とは別にただヒカリと平和な国で楽しくお酒を飲んでみたかったのも本音だったと思うんだよ~~~!!!
もうぐちゃぐちゃでわかんねえや!!!!
これ、どんどん言ってる張本人が一番混乱してくるタイプのやつ!
きっと私が複雑に捉えすぎてるだけなので気にしなくてオッケーです。


これ以上こんがらがる前にエクストラまで一切見えてこなかったオボロの考え方の話に移りましょう。

なんかもう全部がどうでもいい。かといって自暴自棄って訳でもなくて、ちゃんと理性的。血で染まり続ける砂漠やク国を見てきて悩んで苦しんだ上で冷静に静かに全部を決めてる。
邪魔したいなら自由にどうぞ。自分は自分で好きに人生と世界を終わらせるからそのつもりでよろしく。

そんなスタンスだったのかなと。
何が怖えって、人に見えてるあの「カザン」としての人生をこなしてる裏でしっかり理性的に確実に世界を終わらす算段を同時にすすめてた事だよ!!!

明日が来るのが嫌になるぐらい何もかもに絶望してたら、普通の人なら超無気力状態になると思うんだよな。何したって無意味に感じるだろうから。
クロードの大変余計な口添えもあったけど、彼は「どうでもいいから何もせず死を待つ」という選択肢をとらず、行動し続けた。

オリの手記から分かる彼の采配がこちら。

敵味方を状況の変化を踏まえて常に冷静に見極めてる
黒血関係の情報をかなり的確に収集済み
脅威になりかねん旅人勢を把握して、動向もしっかり監視
邪魔者と暗躍の証拠隠滅のタイミングを図るの上手すぎ
同志である「明日を望まぬ者」達へのサポート力高すぎ
同志に対しても変に誰かに特別に肩入れしない。常に一歩引いてて平等。だから失敗しにくい作戦を常に立てられるし、リスク管理が上手い

いっちゃん敵に回したらやばいパターンやんけ……
超有能なのは最初から知ってたけどね…全てを見通せる天才的な軍師が闇落ちするとこうなるんか…やばすぎるな…
もし彼が自分から贄になることを選んでなくて作戦参謀に今も徹していたとしたら、もっと手がつけられん厄介な事態になってたんじゃなかろうか
なんとかなる範疇で収まってよかったよ……

それと、考えてみれば彼の闇落ちの仕方はトルーソーと結構近いんですよね。
昔は少しでも戦死者を減らす為に頑張ってたし、妹の事もすごく可愛く思って一生懸命育ててたみたいなんだけどな……それが今やこうですよ……振り幅ァ!!
あっちはあっちで知識と技術があったけどオボロもそうで、それぞれに特長がある感じ。
こんなやばい案件で各々の長所を活かすなーーーー!!!!!
ええ塩梅で回ってる班みたいな感じになってる!!


こうして皆に見せてた顔とそうじゃない顔の二面性が共通してあったオリとオボロは、血は繋がってない(クロードの件はとりあえず捨て置く)としても振る舞い方が間違いなく兄妹みを感じて、最後の最後でそれが明かされるのがもうあーーーーーそうだったんだ…………という脱力感。

がっかりって意味の脱力感じゃなくて、もう誰もどうにもできない真実を全部が終わった後に知らされた無力感や虚無感……タンジーやアゲハの事もそうだったけど、こういうリアルに確実に効く精神攻撃系の仕込み方のうまさよ…

カザンとしてヒカリ達の為にやってくれた事が全部ウソだったと思いたくないっていう私個人の逃げも多大にあると思うんだけど、「カザン」がヒカリを助けてたのは、欺く為だけじゃなくて、世界に絶望しつつもヒカリ達の作る上も下も争いもない国を見てみたいという自覚のない希望や彼への期待がちょっとだけ心の中にあったからじゃないかな……と思っていたいです。
オリのパルテティオに対する感情とおんなじ。

だってさ~!!彼は有能な「ク国の鷲」なのでヒカリを知った時点でいずれ強大な敵になるのも読めてたと思うんです。
実際オリを近寄らせないぐらいには警戒はしてた。ヒカリ編の流れを考えるとタイミングはいくらでもあった。それでも摘めた芽を摘まなかったのはもうさあ!!!
そういう事であれ……!!(願望)

オボロは結局、自分自身も邪神の贄にして居なくなってしまったけど、力添えしてくれた国を救うという、他の人じゃ成せなかった「カザンの大仕事の功績」は、ヒカリ君やク国の皆の中に残ってると思うし、本人がいなくなって彼の正体がなんだったとしても、そういうのは受け取った側の人達が生きてる限りはなんだかんだ残ると思うんですよ。
ヒカリ以外のク国の人間は「オボロ」を知らないですからね。

だから英雄視されこそすれ、世界を終わらせようとした張本人だったとは夢にも思わないでしょう。ヒカリもわざわざそんな話しないだろうしな……
真実を説明してくれる人がいないと、あとは大勢に都合がいいものだけが残っていくのが歴史の常。良くも悪くも。

「明日を望まぬ者」としては不本意かもしれないけど、そうしてなんだかんだ言ってカザンとして成した事がク国に生きてる皆の明日につながるのも、なんともまあ実に皮肉な話でもある。
今となっては、本気で仕込んで本気で邪神まで復活させて正面からやり合ってちゃんと負けたんだから、あっちから大人しく見守ってて下さい。
彼に最後に言えるのはそれだけだと思います。
まあ彼の性格とか考え方を見るに、わざわざ言うまでもなくそうしてくれるだろうけどね。酒でも飲みながらゆるりとね。
そういう謎の確信が持てるのも、本当に不思議な男だなあ。

オボロに関してはアルカネットやクロードに対してのように自分の中でトゲがないのは、やっぱりカザンの恩恵がすごいからかもです。
カザンのあのキャラが大好きだからなあ。色々あったけどやっぱ嫌いになりたくない気持ちが強い。ならわざわざ嫌いになる必要もないよね。

暗黒勢は背景が想像に委ねてきてる部分も多いから、いちオタクとして色々思うのは自由!!!!!ってことにしてもらえると助かります。

最後に


コラボきっかけの割と邪な動機で始めたオクトパストラベラー2でしたが、すごい好みの神ゲーに出会っちゃった結果、楽しすぎて思いの丈を全部書き切る勢いで書いたら凄まじい文字数になっちゃって……
読む側としては「なんやこれ……読みづらい上に無駄になっがいな……」でしかなかったと思います。校正に自分でも何度も読み返して可能な限り削ったけど本当にそう思う。大変申し訳ありませんでした。

私はテメノスさんから入って、彼を軸にかなり一点絞りでゆっくり進めたスタイルだったから偶々こういう感想になったんですが、最初に書いた通り、このゲームは遊び方が本当に自由度高くてこのタイミングでこのキャラのこれをやってれば…!!みたいなのも多々あって本当に十人十色。
プレイヤーの解釈と想像にゆだねてきている部分も結構あって、誰を主人公にするかとか進め方ひとつで見え方も全然違ってくるんだろうなと思いました。
そういった意味ではお話が分かっていても何周も遊べるゲームだなと!

プレイヤーの私はこの暗黒に立ち向かった旅人8人を通してソリスティア大陸を見ていたけど、そうでないそこらに居るNPC達も、8人のように分かりやすい派手さはなくとも、それぞれに人生や旅路があって今ここに至っているんだなと感じさせてくれるんですよね。

各地であらゆる生き物や土地の歴史がしっかり紡がれてきてる世界が画面向こうに広がってる感覚が確かにある作品で、その厚みの出し方がマジですごい壮大で、各地を理由もなくただ歩いて見て回るだけでもメインとは別の小さな物語を沢山見つけられたり。終始すごくワクワクします。
メインキャラやグラフィックやBGMだけでなく、そういう所も含めてかなりツボで大好きな作品になりました。

長ったらしく色々言ったけど、もう究極細かいことは抜きにして、それぐらいに無限にあちらこちらで感想が溢れてくる最高のゲームだったって事だけ雰囲気が伝わればそれでオッケーです。

オクトパストラベラー2、最高!!!!!!!

こんな神ゲーに出会えた事、きっかけをくれたアナデン、そしてこんなオタクの無駄になっがい拙い文章に最後まで付き合ってくださった方々、全部に感謝しかないです!

ありがとうございました!

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