ただの友達でいられれば「それでいい。」

初めましての方もそうでない方も、こんにちは。なるしまと申します。

IMP. 1st ALBUM「DEPARTURE」が先日、ついに発売となりました。
過去にリリースした曲のMVとアルバムジャケットなどのメイキングが収録された初回盤A、最新シングル「FLOW」のMV関連ムービー2点と7人での台本なしクルージングの模様を収めた初回盤B。それに加えて、ユニット曲を含む全15曲が入った通常盤の全3形態。

本当は全部について語りたいんですが、1エントリでは済まない分量になってしまいそうなので、今回はまずユニット曲のうちの1つ「それでいい。」について語りたいと思います。

そもそも「それでいい。」とは、我らがシンメ、かげよこ(影山くんと横原くん)のユニット曲。
「俺と横原はバラードだろ!」by影山くん の言葉を聞いた時から、絶対いい曲じゃん…とは思っていたのですが、いざ聞いてみたらやっぱりすごく、すごくいい曲でした。

横原くんのオタクを自負する身として、これは語らねば…!
そんな衝動に駆られ、今無心でキーボードを叩いています。

ということで、「それでいい。」考察エントリ、スタートです。
考察厨の自己満過剰考察なので、全読了はおすすめしません。
最近ようやく目次をつけることを覚えたので(遅)、読んでみてもいいかな~という項目があれば、少しだけ覗いてみてもらえたら嬉しいです。





ボク、過去と現在を重ねて感傷に浸る(1番Aメロ)


昨日と同じように 肩を並べ歩いていて
「ねぇ、聞いて」と嬉しそうにさ
頼んでもいない恋の話し 二人の出会いの始まり 夢中で話されて

「昨日と同じように肩を並べて歩く」という表現から、ここは毎日会う関係=学生・生徒と考えるのが自然かなと。
朝の登校時間、いつも一緒に登校している腐れ縁みたいな二人がいて、そのうちの一人、女の子が嬉しそうに好きな人の話をする。
「昨日○○くんとこんな話をしたんだ」みたいな話かもしれないし、「○○くんと目合っちゃった」みたいな話かもしれない。
そんな、誰かへの”好き”を自覚したという報告を、"ボク"は複雑な感情を抱えながら聞いています。
「頼んでもいない」というワードに、面白くないなという気持ちが表れていますね。

あわせて、ここは「二人の出会いの始まり」という表現がミソかなあと。
そもそもが”出会い”という言葉に”始まり”みたいなイメージが含まれているはず。
それなのに、わざわざ「始まり」という言葉をつけるということは、もしかしたらこれは、学生時代の話(過去)と当時を懐古するボクの様子(現在)の2軸がかけあわさった感じで進行している可能性もあるな、と思いました。
イメージとしては『プロポーズ大作戦』みたいな感じ。結婚式のスライドショーに映し出される当時の自分と彼女の姿を見て感傷に浸る、そういうシチュエーションです。


恋心の気づきと動揺(1番Bメロ)

She is just one of my friends 心に言い聞かせてた

英語部分を訳すと、「彼女はただの友達のうちの1人だ」みたいな感じかな。
ここは、justとone ofを両方使って一般化の意味合いを強めることで、「ボクの恋心の気づきによる動揺」を表しているんじゃないかなと思っています。
彼女から好きな人の話をされた時のモヤモヤ感、その正体が恋だと気づき、動揺するボク。
「ただの友達だし、他の友達と同じだ。特別なことなんて何もない。」
そうやって自分に言い聞かせることで、恋心を消化しようとしているんじゃないでしょうか。


想いを伝えなかった世界線で"ヒビ割れた"もの(1番サビ)

キミにとって キミにとって 僕じゃないね
満たされない ヒビ割れた愛の歌
春夏秋冬が来て それでも隣にキミはいない
ずっとただの友達 

Aメロ部分で過去と現在の2軸で進行している可能性を示しましたが、ここは現在に戻ってくるパート。
先程までと打って変わって、「キミにとって僕じゃないね」と言い切る形になっていることで、彼女に想いを伝える道を選ばなかった現在のボクの姿を映し出しているんじゃないかなと思います。

このパートのポイントは「ヒビ割れた愛の歌」。
よく「友情にヒビが入る」とか言うじゃないですか。あれです、まさに。
「ずっとただの友達」と言いながら、今の2人の友情にはヒビが入っている、そしてその理由が「愛の歌」。
つまり、彼女を愛してしまったために、元の友達には戻れない=好きだという想いは伝えていないけど、2人の間に何かがあった ということを示唆しているんじゃないかと。

その後に続く「隣にキミはいない」、その理由が気になるところで1番が終わる、そういう構成かなと勝手に考えています。 

その切なさは''彼女が向ける顔"がキーになる(2番Aメロ)

「お願い」と呼ばれて 2人を取り持つ役目が 
ウンザリさ でも断れずに
終電 反対のホーム 仲良く手を振らないでよ 
見たことない顔で

再びの過去パート。1番も2番もですけど、少しだけノスタルジックな音運びなんですよね、Aメロの前って。それがますます過去感を漂わせているなあと思います。

「2人を取り持つ」は、ボクと彼女と彼女の好きな人でご飯に行ったみたいなことかなと解釈。
「終電」とあるので、お酒が飲めるくらいの年齢=大学生と考えました。 

ここは「終電 反対のホーム」の解釈が難しいですよね。
反対のホーム「で」とも、反対のホーム「へ」とも捉えられるから。
前者であれば、彼女と好きな人の仲睦まじい様子を、ボクが反対側のホームから見ているという図。
後者であれば、隣にいる彼女と、反対側のホームにいる彼女の好きな人が手を振りあっているのをボクが見ているという図。

どっちも意味は通じますが、私は後者の説を推したいです。
というのも、彼女がボクの隣にいることで、1番Aメロの「肩を並べ歩いていて」との対応関係ができるから。
登下校のとき隣で見ていた彼女の顔と、隣で好きな人に手を振っている彼女の顔という対比を作ることで、「彼女がボクに向ける顔は、好きな人へ向ける顔じゃない」という意味合いが強まる、そういう切なさがあるんじゃないかなと思っています。

 ため息がヒビ割れの入口(2番Bメロ)

I just want to be with you 切ないため息が漏れる

英訳は「ただ君といたいだけなのに」みたいな感じかと。
前述の手を振る彼女の姿を見て、思わずため息を漏らしてしまうボク。1番サビで、2人の間に何かがあったんじゃないかと言いましたが、もしそうだとするなら、ここがそのできごとの入口になっているような気がします。


"胸がギュッとなって"想いが溢れる(2番サビ)

ボクにとって ボクにとって キミじゃないな
諦めたくて でも胸がギュッとなって
春夏秋冬が来て それでも隣にキミはいない
ずっとただの友達

「ボクにとってキミじゃない」「胸がギュッとなって」
その2つを総合すると、ボクが彼女に何か酷いこと言ってしまったのかなって気がしてくるんですよね。

もしかしたら、そこから疎遠になっちゃったのかも、そんな風にも思えます。
だから、ここの「ずっとただの友達」は願望。
「ずっとただの友達でいられたらよかったのに」、そんな意味合いだと推測します。


偽ったその言葉が決定打(Cメロ-1)

ただその優しさが痛いんだ
会えば会うほど苦しくなってく
偽って飲み込んだ「I Love You」
「また明日ね」と手を振った

前述の「何か酷いことを言ってしまったんじゃないか」の内訳みたいな部分。
想いが溢れて、少しキツい言い方をしてしまったボクのことを、彼女は決して怒ったりしなくて、きっと心配してくれたりしたんじゃないかな。

本当は怒っていいのに、それでもなおボクに優しさを向ける彼女に腹が立つ。
今までもずっと、彼女の横にいながら、彼女の幸せを心から願えなかった自分に腹が立つ。
「自分のことを好きになってくれたらいいのに」
彼女を困らせると分かっていても、その気持ちが溢れそうになるボク。
だから、きっと反対言葉で偽ったんです。
「嫌いだ」って。
「I Love You」を飲み込むためには、それしかなかった。
そのくらいの決定打があって、2人は疎遠になってしまった、そんな風に私はこのパートを解釈しました。


修復とともに止まっていた時が動き出す(Cメロ-2)

ボクらずっと ボクらずっと 変わらない…

ここは現在に戻ってくるパート。
ちなみに、疎遠になった2人が現在で会えている理由は、彼女が結婚式の招待状を彼に送ったから、というものであると推測。
2人ともまた昔みたいに話したいという気持ちは持っていて、きっかけを探していたんですよね。
で、まず初めに彼女が結婚式の招待状を送るというアクションを起こした。それにより、これまでの現在と過去のエピソードの行き来ができていました。

今度はボクがアクションを起こす番。
「ボクらずっと変わらない」
ここで初めて、ボクが複数形の表現になる。
相変わらず想いは伝えられないけど、「昔みたいに、変わらず友達でいよう」という提案をする、そんなシーンなんじゃないかなと思っています。

歌の後に、泡が弾けていくみたいな、綺麗な音運びのピアノの音が続くじゃないですか。
あれは、2人の関係修復、そんな意味合いを含んでいるような気がします。


本当の本当に、"ただの友達"(ラストサビ)

キミにとって キミにとって 僕じゃないね
満たされない ヒビ割れた愛の歌
春夏秋冬が来て それでも隣にキミはいない
ずっとただの友達 
ずっとただの友達

1番サビとほとんど同じ歌詞。
だけど、その内訳は大きく違っています。

「ヒビ割れた愛の歌」は、相変わらず満たされないまま。だけど、それはただ失恋を表すもので。
ヒビ自体はなくならないけど、サブ的な意味の「友情のヒビ」だけは解消されている、という状態ではないかと思います。

あと、今までになかった「ずっとただの友達」の繰り返しについては、言葉通りの意味と、1人になったボクを表しているんじゃないかと。
というのも、ここ、Cメロの「(また明日ねと)手を振った」の下ハモと音程が近い気がしていて。
メロディがいなくなってしまった=ハモリだけでは曲は成り立たない=ポッカリと心に穴が空いた様子を表しているのではないかと思います。
そこに「ずっとただの友達」という歌詞をのせることで、「友達」として失恋を受け入れる、という意味になっているような気がしました。

ちなみに、タイトルの「それでいい。」は、紆余曲折あって、叶わぬ恋に折り合いをつけたうえでの「本当の本当に、友達でいれるなら"それでいい。"」という意味合いだと私は考えています。
これってたぶん、当て馬キャラクターの心情を丁寧に読み解いていった先にある答えでもある。
報われる恋がある一方で、報われない恋もどこかに必ずあって、それじゃあその時、「報われない側」にいた人はどう物語を終えるのか、そういうところにフォーカスするのは、すごく面白くて、素敵な視点だなと思いました。





いや〜、長かったですね。
これが私の「それでいい。」解釈全編です。

ライブパフォーマンスを見たら絶対にこの解釈は変わるんですが、まずは音だけを聴いてどう感じたかというのを残しておこうと思ったので。

失恋ソング、それもバームクーヘンエンド大好きな私にとっては、考察しがいしかありませんでした。
かげよこさん、読み解きがいのある曲をありがとう。

以上、過剰考察エントリでした!ありがとうございました〜!

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