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バヌアツ視察出張記⑤〜Day4・〜医療機器と陸上教育〜

今回の視察では合計9ヶ所の任地を視察します。
事前調査で視察団の関心の高かった教育、福祉、環境分野を主に現地JICA事務所の調整員の方がしっかりスケジュール組んでいただきました。  

各派遣先では隊員が20分程度ブリーフィングしてくれます。日々の活動で忙しい中、資料やパワポなどで準備していただいて恐縮ですが、この基本情報が現地視察する上で非常に役に立ちます。

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<視察⑤医療機器>

さて、島北東部のエキペ小学校から街中に戻り昼食をとった後、ビラ中央病院に向かいます。

2014年にJICAの無償資金協力により新外来・検査棟の建設がなされた総合病院です。専門医(眼科や耳鼻科など)があるのはここだけだそう。  

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余談ですが、ここの病院は一般外来は全て診察料300VT(1VT≒1円)のみだそうです。

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ここには医療機器の職種で派遣されている臨床工学技士の隊員がいます。
主な業務は医療機器の修理や使い方のレクチャーだったようですが、院内の機器リストが無かったためイチから作成。ご自身が帰国しても継続的に利用してもらえるようになるべくシンプルに、マクロを組んで新しい機器の登録も容易にできるものにしたそうです。  

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どこの派遣先でもそうですが、隊員がいる間だけでなく、帰国後も機能し続ける仕組みを作るために隊員の皆さんは創意工夫されてます。  

現地での評価も高く後任を求められてるそうですが、医療機器の人材確保が困難で次期隊員は居ないそうです。臨床工学技士の方が見ておられましたらご応募お待ちしてます。  

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<視察⑥陸上教育>

病院を出て郊外にある競技場に向かいます。

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ここは中国の援助で建てられた競技場で、400mトラックやグラウンド、大小2つの体育館にテニスコートやクリケットの専用コートもあります。  

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(クリケット専用グラウンド)

ここには陸上競技という職種で派遣されている三重県桑名市出身の隊員がいます。
桑名から名門伊賀白鳳高校に3年間通い、日本大学に進み中長距離を専門としたエキスパートです。新卒でJICA隊員に申し込んでバヌアツに来ました。  

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彼の活動は大きく3つ、
・中長距離の選手とコーチへの指導
・陸上スポーツの普及
・国内外の大会への帯同
がありますが昨年開催された南太平洋の国々で開催されるPacific gamesという大会で指導した選手が女子ハーフマラソンでなんと金メダル!1万kmでも銀メダルを獲得したそうです!  

しかも驚くことに彼女は山奥育ちで靴に慣れていなかったため靴下で走ったと…😳 国際大会に出る選手は靴に慣れることからだとか。彼女が靴に慣れて今話題のNIKEのズームフライとか履いたらどうなるか気になります🤔  

彼女は最初のレースの3000mは最下位から2番目だったそうですが、隊員の彼の指導によりペース配分を意識させた結果優勝したらしいです。(出身の島の村では歴史的な出来事としてコーチも歓待されたとか)  

現在派遣されて11ヶ月、今年2020年の東京オリンピックへの選手派遣と帯同が当面の目標となりますが、国内の陸上協会での内輪揉めがあり資金がなくコーチ給与未払い→選手が練習できないなどといった悪循環に陥ってるそうです。そのため彼は選手の指導の傍ら陸上協会の再起を促すための少し政治的な?呼びかけなどもしているそうです。ここでも計画通りには進まない支援事業の片鱗を垣間見ました

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彼の話で興味深かったのはバヌアツ選手の算数リテラシーと陸上競技との関連性についての考察で、バヌアツの選手は3000・5000mなどの中長距離が極めて弱いと。その理由は算数の学力不足故のペース走が苦手だったり、そもそも400m/周のトラック何周で5000mかなどの計算ができないそうです💦  

他にも大会前しか練習しない(6ヶ月練習して6ヶ月休むのがあたりまえ)とか栄養指導どころか「ご飯食べろ、練習後の食事は抜くな、肉を食べろ」程度の指導からというので驚きです。  

彼らのポテンシャルの高さから近代的な練習や栄養の摂取などをしたらどうなるのか非常に興味が湧きます。  

スポーツは好きな分野なので少し長くなりましたが、この日は4ヶ所の視察を行い、このあと翌日視察に行く隊員さんらと数名で食事をしてホテルで休みました。  

この写真のリゾットは初日のステーキ級に美味しい夕食でした^ ^ バヌアツビールにオーストラリアの白ワインで満足…、日本人の方がオーナーのイタリアンレストランでした。

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それでは続きはまた明日。
最後までお読みいただきありがとうございました😊  

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