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【おかやま親子応援プロジェクト】 YMCA せとうち「プログラミング映像制作スクール」の活動を取材しました。

様々な団体の方々が想いを持って参加している「おかやま親子応援プロジェクト」。今回はYMCAせとうちが小中学生向けに開催する「プログラミング映像制作スクール」をオンラインで取材し、その活動内容をレポートします。

この「プログラミング映像制作スクール」は、夏休みに開催して大好評だった映像編集コースの第2弾です。今回は、10月から12月の毎月1回、映像制作を通してプログラミング的思考を体験的に学んでいきます。映像制作のテーマは岡山駅近くにある「表町商店街」です。表町商店街は岡山市の商業の中心地と言われてきましたが、近年では駅近くにある大型ショッピングモールの影響でかつての勢いが失われています。今回のゴールは、小中学生が表町商店街のPR動画を作ること。映像制作のノウハウを学ぶだけではなく、地域の活性化にもつなげていきます。

スクールの流れは、10月にオリエンテーション・下見・取材を行い、11月にPCを使って10月に撮影した映像の編集を行います。そして12月に動画の最終調整を行い、発表会を実施します。

それでは、ここからは初回のスクールの様子をみなさまにお届けします。

① オリエンテーション

まずはオリエンテーション。小中学生が5−6人のグループになって座り、各チームのリーダーの自己紹介から始まって、各グループ内で自己紹介。そして参加する小中学生のメンバー間の緊張を解すための「おはじき獲得ゲーム」が行われ、和やかな雰囲気になっていきました。

プログラミング映像制作スクール_挿入写真1

ゲームが終わると、YMCAせとうちの白鳥さんから今回のスクールの内容についての説明がありました。

● 今回は岡山市の表町商店街を取材して3分程度のPR動画を作成することがゴール
● 同じように表町を紹介したYouTube動画でイメージをつかむ
● 「岡山に旅行に来る人向け」や「ミステリースポット巡り」など、テーマを決めて取材することが必要

話が進むにつれ、小中学生が集中して聞いている様子が伺えます。

プログラミング映像制作スクール_挿入写真2

続いて、プログラミングや映像制作が専門の講師の佐藤さんから活動していく上での注意点について説明がありました。

● 参加者の小中学生自身がどんなことを紹介したいかを見つけることが重要
●  3分間の動画を制作するためには、少なくとも10分程度の動画を撮影する必要がある
● iPad を使用して撮影するため、ブレないような撮影方法、撮影の画角等も考える必要がある
● 事前に表町商店街のことを知り、テーマに沿って行きたい店と交渉することも必要

約1時間のオリエンテーションが終わり、小中学生たちは実際に表町商店街に向かいました。

取材と撮影

小中学生は3グループに分かれて、本格的に取材を開始しました。それぞれ試行錯誤しつつも、お店の協力を得て動画を撮影できました。以下は、各グループをサポートしている大学生のリーダーの皆様のコメントです。

グループ①
楽器を販売しているショップに行き、偶然にも生の演奏を聞くことができました。思ったよりもお店の方から色々な話を聞くことができ、インタビュー自体を楽しめていたようでした。その後、文房具屋で小中学生が普段使わないようないろいろな種類の文房具を見たり、ギャラリーに行って絵を鑑賞したり、多くのお店を取材できました。特に音楽関係に注目して、次回以降動画編集を進めていきたいと考えています。

プログラミング映像制作スクール_挿入写真3


グループ②
パン屋さんで、コッペパンや揚げパンを試食して食レポを実施しました。次に猫カフェに行っていろいろな種類の猫を撮影しました。食べ物や動物の撮影は、人物とは違う工夫が必要でしたが、新しい発見が多かったです。これから制作する動画では、表町商店街の美味しいものを取り上げていきたいです。

プログラミング映像制作スクール_挿入写真4

グループ③ 
カフェでコーヒーを試飲させてもらい、鯛焼き屋では鯛焼きの試食をして、それぞれで食レポに挑戦しました。男女に分かれて、女子は雑貨屋と服屋を中心に取材を行い、男子はグループ②と一緒に行動しました。グループ③としては、女性に人気のカフェを紹介する動画を制作していこうと話していました。

プログラミング映像制作スクール_挿入写真5


参加者の皆さんからは

● アポ取りや取材の交渉に初めて挑戦したが、意外に楽しくが新しい発見だった。
● 今まで知らなかった表町商店街の一面を知ることができ、より愛着が湧いた。
● 初めてのインタビューはとても緊張したが、インタビューをして話を聞くことが思ったより楽しかった


と、初めてのことで戸惑いながらも前向きな言葉を数多く聞くことができました。大人の目から見ても、時間が経過するにつれて主体的に行動するようになり、それぞれ生き生きと活動する様子が伺えました。

そして、各グループからの活動報告の後、今回の講師の佐藤さんから、
「このスクールで最も重要なことは、iPadの操作や動画の撮影テクニックではなく、商店街にあるお店の人と仲良くなるという工程で、実は今日が一番難しく重要な日」
というお話がありました。この際、参加者の皆さんが今日の作業を振り返りながら佐藤さんのお話を集中して聞いている姿が印象的でした。
最後に、次回は紹介動画の編集作業が始まることが伝えられ、解散となりました。
(第二回目のスクールに続く)

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---編集後記---

筆者も今回経験しましたが、取材記事を作成する上で重要なことは「取材の準備と根回し」。動画制作でも撮影や編集といったスキルに注目しがちですが、この日のスクールで学んだ「テーマを決めて取材する」ことは、社会に出た後に最も重要な能力の一つである気がします。テキスト通りに勉強すればある程度の技術や知識は得られる時代に、この日の現場で体験したことは後に子どもたちの財産になるのではないでしょうか。
取材の最後に、リーダーの白鳥さんから本スクールの目的を伺った際に、「手順を自分で考えて組み立てるというプロセスから、本人が気づいていない新しい可能性を引き出すことができれば」との話を頂きました。このプロセスこそが、未来を生きる子どもたちに必要な学びだと感じます。次回のスクールでも、編集作業を通して、それぞれの参加者にとって新たな発見や学びがあるだろうと期待しています。

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