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支援付き住宅の全国展開 NPO法人ファミリーサポート愛さん会の状況

「コロナ緊急|家や仕事を失う人をひとりにしない支援を」から始まり、その後もコロナ緊急事業から生活困窮者全般への支援と発展していった「支援付き住宅の全国展開」。各地で担っていくパートナー団体の一つであり、沖縄県那覇市を中心に活動する、NPO法人ファミリーサポート愛(かな)さん会の平良さんにお話しをお伺いしました。



ーそれではまずNPO法人ファミリーサポート愛さん会がどのような支援事業をしていらっしゃるか教えていただけますか?


平良:私たち愛さん会は子育てから介護までのファミリーサポート事業の活動をしています。例えば一般的なファミリーサポートセンターと介護保険でカバーできない、制度から漏れた方への支援を相互扶助の活動で展開しています。通常ファミリーサポートセンターは自治体の中にあって、生後3ヶ月未満の子や中学生以上の子は預からない・家事支援はできないといった線引きがあるので、私たち愛さん会は地域のファミリーサポートセンターと連携して行政ではできない部分の支援をしています。介護支援も同じように地域包括支援センターのヘルパーさんと連携しながら、行政ではできない部分の支援をしています。
生活困窮者自立支援事業の中の一時生活支援事業も展開していて、そのニーズが近年高まってきたことを受けて支援付き住宅サブリース事業に発展しました。また、生活困窮者支援の一環として、毎月1回の炊き出しを、月最終土曜日に開催しています。利用者の多くは、生活保護受給しているにも関わらず困窮している方々が多いのが現状です。

ー一時生活支援事業のニーズが高くなったとのことですが、どのような経緯で支援付き住宅を始められたのでしょうか?


平良:ファミリーサポートセンターと事業を始めた時に、2階が事務所で1階が宅老所のような施設を作るため1軒家を借りたのですが、のような施設を作るため1軒家を借りたのですが、実際は宅老所自体にニーズがあま
りなく、私が生活困窮者自立支援の相談窓口にも勤めていたこともあり、宅老所の場所を住まいをなくした方々の一時的な住まいとして受け入れを始めたことがきっかけで居住支援に発展していきました。
しかし、一時生活支援事業は住居のない生活困窮者で、収入等が一定水準以下の方に対して3ヶ月の一定期間内に限り宿泊場所や衣食の供与をするものなので、制度を活用しても3ヶ月間では仕事が決まらなかったり、次の住居を得たりするところまでたどり着けずに生活保護に至る方も多いので、そういった方が再スタートするためにサブリースの住居支援は大きな助けになると思い、抱樸さんから声をかけていただいてパートナー団体の一つとして支援付き住宅事業を始めました。


ー現在何部屋の生活支援付き住宅を運営していますか?またどのような方が利用されていますか?



平良:現在4部屋すべて満室で稼働しております。利用者の方の特徴は、一時生活支援を活用後にグループホームへの体験入所を進めて行ったのですがトラブル続きで入居できなかった女性や、仕事も家も失って、ネットカフェで暮らしていていた方など男女や年齢問わず様々なバックグラウンドをお持ちの方が利用されています。グループホームに入居できなかった女性は、結局、知的障がいがあり見守りが必要だということがわかり、現在は見守りを含めた訪問介護をつけてヘルパーさんとも連携して支援をしています。
支援付き住宅に案内した方々は、親族との繋がりが薄くなったため頼る人がいなかったり、緊急連絡先も保証人もいないことが生活困窮に繋がっていくことが多いです。


ー事業を通して感じたことや気づいたことなどあれば教えてください。


平良:私達の場合は孤立してる方たちの支援を1ヶ所の機関だけではなく、パーソナルサポートセンターの支援員や訪問看護のヘルパーさんと繋がって一緒に支援をするのですが、やはりみんなで力を合わせて一緒に支援するということで利用者の方が再スタートをしやすくなると感じています。




ー沖縄を拠点に活動されていますが、沖縄の現状や支援する立場から見た課題などありましたら教えていただけますか?また寄付者の方へ向けてメッセージなどありましたらお願いします。


平良:これはサブリースの課題でもあると思いますが、部屋を借りるにあたって管理会社と大家さんの許可を得るのがとても大変です。賃貸契約をする際は大家さんに会うこともなく間に入った管理会社を通してすべての手続きをするのですが、管理会社は理解があっても大家さんはこういった事業に関心や理解がないことが多いです。
一時生活支援事業に相談に来られる方は、最初の相談時からすでに食べるものもなく居所もないような方もいらっしゃいます。一時生活支援事業を活用しても、3ヶ月間では困窮から脱することができないことも多々あり、その後、生活保護受給に至るケースもあります。そういった方々の為にも今後は、支援付き住宅事業も含まれる居住支援・就労支援・生活支援全般の息の長い支援が求められると思うので、一般の方にも広くこのサブリース事業を知ってもらって理解を得ていけるようなシステム作りが必要だと感じています。
また最近は精神を病まれている方も少なくありません。そういった方々も含めて、どういった支援をするか一人一人に当てはめていくことがとても難しく、精神を病まれている方と一口に言っても、一人一人対応する方法も変わっていくので、もっといろんな機関が一緒になって考えていければいいなと思っています。一時生活支援事業終了後・入院が終わったら支援は終わりではなく、その後の継続的なサポートを充実させていくためにも、この活動を少しでも多くの方に知ってもらいたいと思っております。引き続き本プロジェクトへのご協力宜しくお願い申し上げます。

ー本日はお忙しい中、貴重なお話どうもありがとうございました。


いただきましたサポートはNPO法人抱樸の活動資金にさせていただきます。