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支援付き住宅の全国展開 一般社団法人 近畿パーソナルサポート協会の状況


「コロナ緊急|家や仕事を失う人をひとりにしない支援を」から始まり、その後もコロナ緊急事業から生活困窮者全般への支援と発展していった「支援付き住宅の全国展開」。各地で担っていくパートナー団体の一つであり、関西地方を中心に活動する、一般社団法人 近畿パーソナルサポート協会の加藤さんにお話しをお伺いしました。

ーそれではまず近畿パーソナルサポート協会がどのような支援事業をしていらっしゃるか教えていただけますか?


加藤:私たち近畿パーソナルサポート協会は主に有料老人ホームの運営をしておりまして、生活困窮されてる方の支援を行っております。特に介護のボーダーの方、あるいは生活に困窮して見守りが必要な方などが入られています。
新型コロナウイルスの影響によって新たに支援が必要になる方が出てきたことを受けて、今まで自立していたけれどコロナの影響で生活困窮してしまい見守りが必要になった方、別法人の社会福祉住居施設から自立を目指している方に対して家具・家電がセットになったお部屋をご提供するという形で29室の支援付き住宅を設けました。残念ながら入院してそのまま戻れなくなり転居された方、あるい病院に入院されてそのまま亡くなってしまった方、または再度前いた施設へ戻ることになった方、当然新しく入居される方もいらっしゃるので、お部屋はあまり空くこともなく稼働している状況です。


ーどのような状況の方が支援付き住宅を利用されてきたのでしょうか?


加藤:例えばコロナの影響で失業してしまいそれまで住んでいた社員寮から即刻出て行かなければならなくなった方や、若い方では家庭での親子同居での家賃支払い問題や失業などの理由で親の方は介護施設に、子供は当方の支援住宅に入られていたりと、見守りのできる人が近くにいないと自立が困難な方などが入られています。年齢は20代の方もいますし年配の方で年金受給者の方もいて幅広いですが、平均年齢は50代くらいです。私たちが運営している他の施設では平均年齢が65歳くらいなので、それと比べると支援付き住宅は15歳くらい平均年齢が低いのですが、これはご自分で電気ガス水道の支払いなどいわゆる社会生活の基本ベースができる方が土壌になることと関係していると思います。
年金受給者以外は収入はそれほど多くありませんが、就労されている方がほとんどです。また、収入についてはあまり高くなく、生活保護を受給している方が多くいます。


ー支援付き住宅の2年の運用で感じたことや気づいたことなどあれば教えてください。


加藤:やはりスタートアップがすでに揃っている居室にすぐに入れるということは困窮してしまいご自分でお部屋を借りることと家具・家電も即用意ができない方、コロナで仕事を失ってしまった方、自分1人で自立するのが難しい方、相談したくても身寄りがない方にとって大きな助けになっていると実感しています。
入居後も私達支援者が入居者さんの見守りを継続していますので、何か些細なことでも気になることがあればすぐに電話をできるようにしています。何かあったらすぐに相談できる場所・人が近くにいるので、見守りが必要な方は安心した生活を送ることができています。


ーコロナ禍に加え物価高や円安が叫ばれていますが、利用者の方に影響はありますか?


加藤:物価が高くなってきていますし、光熱費も高くなって生活費全般が上がって大変と受け止めています。光熱費や物価の高騰も深刻ですが、支援付き住宅に入られて2年経った方の中には火災保険料の更新費用の捻出に苦労されている方もいます。物価や光熱費の高騰によって生活にかかるお金が増えても収入が増えるわけではないので、その分生活はどんどん圧迫されてしまいます。自立しようにもなかなか仕事が見つからないという声も相変わらずあります。


ーパートナー団体としてクラウドファンディングを受け支援付き住宅の運営をした2年間で何か印象に残ったことはありますか?


加藤:印象に残ってることでは、個人情報もあるので言える範囲だけですが入居者の方の一人に過去犯罪を犯していて罰金があることが後からわかり、その方は労役で支払うことを選択しましたが、通常の住宅では1ヶ月以上留守になると退去になるところですが、本人の強い希望もあり、引き続き支援付き住宅に戻ってきて生活を再スタートできました。
見守り付きのサブリースだと様々な事情をお持ちの方でも相談できることで変な道に外れず、安心してリスタートできることに繋がると思いました。


ーやはりこういった支援があると自立にも繋がりやすいですね。最後に支援活動を通じて何かを伝えたいことや、寄付者の方へ向けてメッセージがありましたらお願いします。


加藤:支援付き住宅へ入居したい方の情報がそのまま私たちのところへダイレクトに届きにくいので、役所などの相談窓口に私たちの活動がきちんと伝わって困っている人たちの声が私たち支援者に届きやすくなるようなすまこま認知普及などの仕組みが充実すればいいのかなと思います。
やはり情報がきちんと支援者と被支援者お互いに伝わるよう是非この記事も役立ててもらえればなと思います。
抱樸をはじめ私たちの活動に賛同し、困ってる人を助けたいという思いが今回のクラウドファンディングに協力していただいた方々の純粋な気持ちだと思います。引き続き抱樸をはじめ我々へのお力添えをお願い申し上げます。

ー本日はお忙しい中、貴重なお話どうもありがとうございました。


いただきましたサポートはNPO法人抱樸の活動資金にさせていただきます。