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特別寄稿:わたしがいる、あなたがいる、なんとかなる⑤「数杯分のビールと、無料のいますぐ停戦」by 石原海(映像作家)

「特別寄稿:わたしがいる、あなたがいる、なんとかなる⑤」

クラファンのラストスパートとして、抱樸とさまざまな形で関わる皆様に、抱樸にまつわるテーマから、自由な形式でご寄稿いただく企画。第5回は映像作家の石原海さんです。ぜひお読みください!
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数杯分のビールと、無料のいますぐ停戦

自分の住む場所の近くに希望のまちがあったら、もう少し心が落ち着くのになと思う。ひとりの寂しさにどうにも我慢できないときにふらりと寄れる場所、世界で起きていることについてちゃんと語り合える場所、あるいは、どこに行けばいいかわからない人たちがとりあえず駆け込める場所。

アタシは抱樸との出会いを辿るように、北九州に流れ着いてそこに3年間住んでいた。この3年間は自分が守られている、もう怯えなくていいんだと初めて感じることができた時間だったと思う。これから先の人生で、もしなにかあってもまた北九州に帰ってこれる、希望のまちがそこにあるんだと思えると、今度は自分が、そんな大切な場所をこの先もずっと、何十年も何百年も先まで、次の世代まで守っていくお手伝いができたらいいなと思う。いつ崩れてしまうかわからないようなアタシにとっても、希望のまちがこの世に存在するという事実は心強く片隅にお守りのようになってゆくと思うし、ひとり苦しんでいる人たちがどこかにいるだろうこの社会において、だいじょうぶ、希望のまちがあるよとみんなで声をかけあって、まだ希望のまちを知らない人たちにも浸透していって、どんどん希望のまちプロジェクトが大きくなっていったらいいなと思う。

狂気としか思えないような民族虐殺がこの世界で起きている現実と、自分の目の前のやるべき生活と、ひとり寒くて苦しんでいるだろう人たちのこと、あらゆる状況が交差して混沌とした世界で、自分になにができるのだろうと自問する。希望のまちや、あるいは希望のまちを見てこんな場所いいなと思った人たちが、希望のまちみたいな場所をこの日本各地に、そして世界各地に作っていけたら最高だなと思う。そしたらやっと戦争が、そして虐殺がなくなる日が来るかもしれない(という、「希望」が少しくらいは持てる日が来るかもしれない)。目の前の日々や仕事に向かい合うことも、遠いパレスチナで無惨に殺害されている人々を祈ってデモに行くことも、希望のまちを応援することも、全部根底では絶対に繋がっているとアタシは信じている。だから、みんなで力を合わせて希望のまちを応援してほしい。そして、いますぐ停戦!と一緒に声をあげてみよう。希望のまちはクラファンでお金が集まらないと完成しないから、余裕があるひとは今夜の数杯のビール我慢して、ちょっとでもいいからクラファンに協力してほしい。私もクラファンした。でも、停戦!と声をあげるのは無料だから、いますぐ声をあげてみて。私も言うよ。イスラエルはパレスチナ人の虐殺をやめろ!そして、いますぐ停戦!!!

石原海
アーティスト/映画監督。ジェンダー、個人史と社会を主なテーマに、フィクションとノンフィクションを混ぜて作品制作をしている。第15回資生堂アートエッグ入選、個展「重力の光」(2021)開催。のち、同作品を長編映画化したものを第14回恵比寿映像祭にてプレミア上映後、シアターイメージフォーラムを皮切りに全国劇場公開。初長編映画《ガーデンアパート》(2017)、東京藝術大学の卒業制作《忘却の先駆者》(2018)がロッテルダム国際映画祭に2作同時選出(2019)。また、英BFI/BBCテレビ助成作品《狂気の管理人》(2019)を監督。現代芸術振興財団CAF賞岩渕貞哉賞受賞 (2016)など。公益財団法人江副記念リクルート財団アート部門47回生。

希望のまちクラウドファンディングはこちらから
https://readyfor.jp/projects/2023kibou?sns_share_token=1aace8f96c43010f101f

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