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《これからの人間の生き方》を読んで。


マニアックな本ではあるが、
天理教の考え方を賢く纏められた一冊です。
自分なりに纏めたので、少しでも何かの参考になればと思いますし、是非一度読んで頂きたい本です。


題名
『これからの人間の生き方 天理教の信仰と思想[Ⅱ]』
松本滋


※1983年7月1日に初版第一刷発行。


現代人のための新しい天理教教理シリーズ

人類は果たして生き残れるのか。環境破壊、兵器競争、人心の荒気など、かつてない危機感の実相を明らかにし、教祖の教えの中に、危機を乗り越えて未来へ向かう人間の生き方の鍵をさぐる教理実践編。

序 理の道、胸3寸の道

第1章 これからの人間の生き方

第2章 根を掘る道

第3章 現代社会と人間の成人

第4章 これからの時代を生き抜くために



序では、
天理教の基本的な教え、実践、心構えを教えている。
特に陽気暮らしが目標の天理教にとって、ただただ陽気に遊ぶ、暮らすのではなく、人間の根元(創造された理由等)を知って、親である神様が喜んでくださる陽気遊びの実践でなければならないということです。

第1章
この章では人類の危機、今後どのような生き方をするべきかを述べている。
人間の心遣いの大半はエゴ。
人の物を羨ましがったり、好き勝手なことを平気でしていながら、他人が同じことをすると腹を立てる。
他人の意見を聞いても、自分の意見を変えない。
このような心のあり方が私達がやっている事だということであり、天理教の方でも教えは聞いて理解はしているが日頃から良い事を常に意識して行えている人は少ないので、根元から理解し行動できるようにする必要がある。これが出来た後に、人間は一段階上のレベルに生まれ変わることができる。
※例で昔流行ったノストラダムスの大予言の話も出てきます。


第2章
現在の人々(日本人)は、戦争期より豊かであると感じ、豊かになるべく成長してきましたが、その結果我が身だけ我が家だけの幸せ、豊かさを願って生きてきたと感じる。
精神的な豊かさ、精神的な拠り所を見失ってしまったところにある。
周りを見渡せば働き盛りの人がパチンコやギャンブル等に時間や労力を使い、大学生も漫画を貪るように読む。物は粗末にし、世界中で食に困っている方々がいても気にせず食べ物を残したりもする。
このような時代のなかで、人間の存在の元を学ぶ事で心の変化をもたらす。
そこで、神様に近づく大切さを述べている。
天理教では人間は神様の子供で、人間同士は兄弟姉妹。その人間が助け合って生活する姿をみて、神様は喜ばれる。
人間の欲はキリが無い。
何不自由ないことを一人一人が喜べることが大切になってくる。そうすると自然に周りに気を配れ、自分が変わり、自分の周りも変わってくる。
自然環境や周りを通して、神様は語りかける。


第3章
現実社会では宗教離れが多く、宗教の役割が昔に比べると減退していると述べている。
無宗教の方も増えつつある。
この章では、いくつかの要因が述べられている。《詳しくは読んでください》
ここで例に出される仏教などは、山での修行(人と離れて修行)を行ったりするが、現在の人々は普通に生活しながら修行するのが大切になってきた時代である。
里の仙人となるのが求められる時代。(教祖は世俗の生活の中にいながら、陽気暮らしすることを理想とされた)
来世の為にという事ではなく、今を生きる方々が多くなってきた。(悪いわけではない)
現代では父なるものの権威が大幅に失墜していると著者は言う。
父だけでなく、模範となる方があまり周りにいないということで、罪の意識が希薄化し、罪を犯す人が多くなるという。
本来であれば一人前の『親』になり、育ててくれた親に感謝し、自ら律して、成熟した親にならなければならないが、まだまだ成熟していないところに、基本的な問題がある。
心一つが我のものではあるが、その心の使い方【自我】と【自己】の分析が足りていない。
自我…エゴ
自己…無意識に底で働いているもの。

人間思案の我心を捨てて、魂を磨いてゆくことが大切。

第4章
これからの時代は【理】が物を言う時代
※理とは大自然のはたらく筋道。
今までの人間の知恵や思案、常識の学問では、及ばない、どうしようもない事態が起こってくる。
そのいかなる時でも、理に沿って生きさえすれば間違いない。
神様は、様々な形で人間に警告している。
地球環境もそうであるが、全てのものを人間に貸し与えていただいているという気持ちが薄まった結果、警告が各地で異常現象等として起こっていると察する。
魂を磨き、日々を感謝の心で通れば、自然に喜びづくめで、身の内から自然と湧き上がって喜びで満たされる。
そうなると体も心と生き生きとする。
そのようになるには、【与える事、捧げる事】が肝心。
他人の物を取ったり、貰ったりという行動をやめて、自分のものを与える、尽くすということに努めることである。
いつなんどきも喜べるというのは難しい。
楽しい事を喜ぶのは容易いが、苦しみは難しい。
苦しみを自分なりに悟り、必ず喜べる一面が何かしらあるので、そこを見つけ喜べるように心がける必要がある。
一つ間違えば、もっと大きな事態が起こっていた等、本気で思うことが出来れば、新しい芽が出来、魂の奥底から喜びが湧いてくる。

世間的に、どのような立場であっても、個性を生かし【神様の子供】として使命を果たすことが肝心である。
それこそが、これからの時代を生き抜くための、何よりの決め手となる。




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