見出し画像

博子の海外留学記(きっかけ編)

「博子さん、こんにちは。今日はいよいよ留学のお話を聞かせていただけるのですよね?

いいわよ~!
私ね、2019年8月から12月いっぱい、世界一幸せな国ランキング常連国デンマークに留学をしてきました。いえ~い!

私自身もまさか重度障害者の看板を背負い、飛行機に乗って12時間以上もかかる国に5ヶ月近くとどまることになろうとは思ってもいなかったのよ。

ほんと、人生って何があるかわからない!!

いいか悪いか私は同じ環境にいられない性分でして…。1つのことを長く続けられたためしがない。仕事なんか、しょっちゅう変えてたから、親にも夫にも、その上娘にも白い目で見られる有様だったわけよ。私には私なりの理由があってのことだったけど、私自身も”飽きっぽい”性分はネガティブなものだと思っていた。

でもね、そんな性分だからデンマークまで出かけて行けたんだと今は思うの。
そう。私はいつでも新しいことに挑戦していたいんだって気が付いたの。

「博子さん、そこで突然デンマークですか!?」

いやいや、そんないきなりデンマークへの道が開けたわけでなく…。
今考えてみると、いくつもの段階を踏んで進んできたんだなって。

怪我して暫くし、新しい自分の身体や環境をある程度自分でコントロールできるようになると、むくむく頭角を現すのが例の性分でさ、"なんか新しくて楽しいこと探し"が始まるのよ。

例のトレーニングジムを皮切りに、今思えば、いろいろな制限がありありの中でも、「やっぱりシャバはいいなぁ〜、楽しいなぁ〜。」なる手ごたえを発見して。

ユルユルのびのび前びらき服の呪縛から無事解放され、ブーツを履き、着物も着たわ。

飛行機に乗り台湾へ、沖縄へ、北海道へ。

とりあえず、怪我をしたばっかりのあの頃だと「もう無理だ」と諦めたことをやってみたらさぁ…、案外、私のワガママにも近い「やりたい!行きたい!」で実現するんだ〜って気づいてから、リバウンドは凄かったよ。

私に付き合う夫氏も大変だったろうが、ドヨーンと凹んだままの妻を見るよりは精神衛生上良かったはずだ。がははは!

でも、目の前に大きな壁があったの。
何だと思う?

それはさ、
「ひとりぼっちになれんのだ!!」

いい年こいて、食べることも、トイレも、お風呂も人手がいる身の上。
人目を忍ぶ恋どころか、ひっそりひとり京都に旅も、夫婦喧嘩して家出も出来ないじゃないかっ!?

この事実は、私にとって、"一生車いす宣告"よりも重大問題!

何とかならんのか?って悶々としてたわよ。

私は虎視眈々と、家族やヘルパーさんの呪縛を逃れて、昔みたいに思い通りに生きるチャンスを狙っていたんだろうなぁ。

そんな時に飛び込んできたのが、デンマーク留学の前哨戦「デンマークキャンプ2017in焼津」。

デンマークの数ある成人学校(ホイスコーレ)の中でも唯一、健常者と障害者が共に学べるエグモントホイスコーレンの学生が、私の隣町にやってきてキャンプをするから参加者募集中!〜って内容を見たとき、心が震えたのを今でもはっきりと覚えている。     

3泊4日、釣りに海水浴にカヤックに山登り〜と、車いすユーザーとは無縁そうな内容はもちろん、それ以上に驚いたのが、障害を持つ人の応募資格が「1人参加できる人」!!

こんな応募資格、あります? 日本のこの手のイベントで!?
かなりの重さの障害者に1人でこい!って!!(;'∀')

このちょっとありえない感覚と挑戦的な言葉に魅せられて即座に応募。
参加しない理由なんかどこにもなかった。

キャンプ中の身の回りのアシストはすべて当日に初顔合わせする障害を持たない参加者に委ねると言うシステムで。
今だから言えるけど、すごくドキドキしていた。
50歳のはじめてのお泊まり保育みたいな感じ。がははは!!

あっという間の4日間は車いすユーザーになって初めてのことばかり。  

熱帯夜にクーラーなし、お寺の本堂で雑魚寝。
釣りにカヤックに山登り…。
なんと、全部、出来るんじゃん!!
その上、屈強なデンマーク人に抱えられカヤックまでって…
ホント役得♡あは♡

画像1

2017年、こうして熱くて甘酸っぱい夏が終わり私は、"たくましい人になる"へのコマを進めた。
(あ、私の目標の1つは、たくましい障害者。周りから腫れ物を触るようにおっかなびっくりされないだけのたくましさが欲しいのですよ~。)

結局ね、「障害を持ってたらできないこと」ってないんだって今思っている。

私は今まで、そう思わざるを得ない社会の雰囲気にのまれ、障害を持つ人も含めた全ての人がつくった常識と言う幻の中に疑いもせずいたんだなぁと。

覚醒して、「やりたいことを実現するためには、人の手と、自分の強い意志と、少しの愛嬌があれば良し」の格言を手に入れ暫く実践したわ。

空を飛び、海に潜った。
完全にたがが外れた。

そしてデンマークエグモントに行っちゃったら私どうなっちゃうんだろって自分自身に興味が湧いて来たのよ。

「来年の夏、セメスターに空きがあるから来ないか?」って言われ、ホイホイ行っちゃおうとした所に、待ったをかけたのが夫だった。

あまりにも急だし、この頃の私のハイスピードについていけないからが理由。 
(後で聞いたら、やはりとても心配だったらしい。うふ♡ 今じゃ夫もたくましくなったもんだ。)

じゃ、1年後は行く!って予告した翌年、エグモント留学がほんとに実現したのだ。

あー、話したいことがありすぎて、なかなか留学記に進まないよう。笑

次回から本題に入りますよー!楽しみにしていてね♪

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?