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博子の海外留学期(学校生活編3)

今日は朝から、動くことの素晴らしさを感じているの。

本題に行く前にちょっとお時間を…。

2017年に石垣島へ旅したの。
目的はダイビングよ!
いつもなら夫に全てお任せの旅なんだけど、さすがに負担の大きさを考えて地元ヘルパーさんを頼んだのよー。(略して、じもパー)じもパーさん達も初の試みでね。
事前に細かくやり取りして、いざ石垣島へ。

いやぁ、これが新鮮!
沖縄弁に地元の話題をBGMに受けるケアサポートは格別。で、翌年も石垣島に。

その時、2回ともお世話になったじもパーさんが連絡先を調べて連絡をくれたのだ。
それだけでも上がるのに、なんと、サポートが必要な観光客の為に事業を始めようと思っているとのことで…大カンゲキ!!

まさかこんな展開になるなんて思ってもみなかった私のただの「行きたい!やりたい!」が、こんなステキな変化を生むなんて!ってね。

車イスだと、フットワークは重くなるし、最初の一歩を躊躇しちゃうけど、その枠を抜けると自分だけじゃなく、知らない間にまわりを動かしているんだなぁ〜と感じたの。

バリアフリーを訴える活動は必要だけど、車イスユーザーひとりひとりが出かけるだけでも、目には見えねど何処かの小さな歯車が動いていのだよ!!

「動こう」そう改めて思ったのでした。


さて、前置きは終わり。
エグモントの修学旅行のことを話しますよ。

アンビリーバボーな6コースの修学旅行の中から私達日本人メンバーが選んだのが…
デンマーク縦断巡礼の旅!
日本版お遍路というのがピッタリな、4泊5日、ひたすら歩いてゴールを目指すと言う旅。

平坦な土地が続くデンマークとはいえ、半分以上は舗装されていない自然の道。
森の中、ぬかるんだ道、坂道を歩き、ヨーロッパの美しい石畳を歩く。 

車いすユーザは大人のバギーに乗換え、皆んなに引いて押してもらうのよ。

1日平均8時間歩いて簡易宿泊場所へ。
ホテルじゃないっすよ!ホテルじゃ!!
ちょっと良いバンガローみたいなとこに、みんなで雑魚寝。
障害の有無も、年齢も、先生、生徒の垣根も
男女も関係なし。

このエグモントでの修学旅行は、巡礼の旅コースってワードで括られた人が一緒に5日間を助け合いながら過ごしたっていうシンプルな経験なんだけど、1年以上時間が経ってハッと気づく事がある特殊な思い出よ。

まず、雨が降ろうが、風が吹こうがゴール目指して歩く。みんな歩く。雨に濡れ、風にさらされ歩く。

「私、車いすだから雨降ったら出かけられません🤚」
支援者の「雨だから車いすの外出はやめておきましょう」の謎の〈車イス悪天候中止的概念)が根付く日本。
(出かけません!〜ならまだ意思を感じるからよしとしても、出かけられないってなんなん?)
恥ずかしながら私もその悪病におかされてたよ💧

そんな昔の私に言ってやりたい、

レインコートを着ろ!無ければビニールをかけろ!!
第一、雨にぬれても溶けるわけじゃなし…

何が言いたいかって言うと…

障害者を変に、変にですよ、大切にしすぎじゃぁないかね?!って事。
勿論、雨に濡れ風邪ひく確率は高いかもしれないし、車椅子が濡れる、濡れた服の着替えも大変だろうが、、雨(風や雪)の当たり前の経験を奪ってしまってるんじゃないか?
雨なら装備すりゃいいんじゃん! 

私は久しぶりにレインコート越しの雨音や、雨に濡れた土や木々の匂い、雨上がりの夕焼け空を経験出来てウルウルしたよ。 
 
ぬかるんだ泥道も沢山の人に押したり引いたりしてもらいながら、みんなと歩く。

こんな当たり前を経験する機会をことごとく奪っているような気がするのだよ、わが国。

そして、私もそうだったように障害者サイドは、変な?(必要以上の)優しさの中に甘んじ大事な事を失ってることにも気づかず、障害者の印籠をかざして(大変なんだから優遇しなさいよ、健常者諸君!)などとトガッテみたりね。

よろしくない。

エグモントはひょうひょうと当たり前のことで成り立っている。
障がい者だから守ってあげよ〜ぜ、健常の俺たちで!なんて肩が重くなる空気感は皆無だった。 
車イスも、意思伝達装置も、杖も、彼らには見えていないようだった。

歩き続けた後の休憩中、私のバギーの前に来た 同じグループのアルバートくん(23歳、私が最初から目をつけてた男子)に
「疲れた?」って聞かれて、「凄く疲れたっス!」って目を♡にして返すと
「ウソこけ!キミは全然歩いてないやんか〜い!!」って(多分大阪弁)でツッこまれた。
「なんてこと言うのよ〜ン」などと返したりして…気分はすっかり女子中学生♡

こんな自然なやり取りが嬉しい。
変に気を使われるのは、趣味じゃない。

修学旅行中のエピソードの一つに、
「フレミングさんに抱かれてシャワー」がある。  

フレミングさんは同年代。低音ボイスに大きな身体の寮母的寮父さん。

3日目の宿泊施設のシャワールームに持ちこんだシャワーチェアが入らず断念しようとしていると、「キミが良ければ、抱き抱えて他のシャワーチェアに座らせることぐらいできまっせ!俺は気にしまへんでぇ!」(これまた大阪弁)と日本人教師リエコを介し伝えられる。 
リエコは、フレミングさんに抱えてもらいチェアに座ったら、2人がかりで洗って、再びフレミングさん登場!って案はどうか?と。

悩む52歳。

一日中歩いたチームの女子も私も疲れきっていた。夕ご飯の時間を前にシャワールーム前は男女入り乱れ大混雑。
そう、オープンセックスなデンマークにとって異性介助は珍しくないのだ。

チームの日本人女子は、「ヒロコ、衛生上入った方がいいよ。疲れもとれるし!」などと私を説得しようと必死。

疲れた身体とは正反対の頭の中に、いろんな思いが錯綜した。

私の裸体。
モジモジ恥ずかしがってる場合か? 
皆んな人間だもの。
いや、自分でシャワーを浴びられる(日本人女子)キミたちは良いだろうよ…。
フレミングさんの「俺は気にしまへんでぇ〜!」って…妙齢な私の裸体の価値は?!
…… 真剣に悩んだ。

結果、
デンマークナイスミドルに抱き抱えられる経験を選んだ私。

バッタバッタとシャワーを浴び、ごはんを食べ、床にマットをひき男女入り乱れて就寝。
ひょうひょうと、当たり前が過ぎていった。

異性介助に関しては、デンマークに行く前も日本にいる今も、やはり消極的。
でも、性別関係なくいろんな人と付き合えたら
もっと視野が広がるだろうなぁ〜とは思う。
あと10年経った時、どんな考えでいるのか大いに気になるところだ。 

あー、話し始めたらキリがないよう💦

次回もダラダラ続きます、よろしくねー!

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