【8月22日のBRICS新通貨出現で】 米ドルの信用は急激に衰退 米ドルは暴落し、米国内ではハイパーインフレが始まる


*読みやすくするため、重たい掲示板の48文字からこのnoteの36文字掲示に変換しています。🦐


転載


[3562]「BRICSによる 金(ゴールド)を裏打ちとする 新世界通貨が、8月22日に登場する」を載せる。
投稿者:副島隆彦
投稿日:2023-07-11 13:27:32
副島隆彦です。今日は、2023年7月11日(火)です。

この8月22日から、世界が変わる。
 この日をもって、米ドル(同じく米国債 ) の世界的な通用力が落ちだす。すなわち「ドルの暴落」 The Dollar  Falls 「ザ・ダラー・フォールズ」 の事態が急激に始まる。以下に載せる記事は、極めて重要である。

(転載貼り付け始め)

〇 「BRICSによる 金(ゴールド)を裏打ちとする 新通貨が、8月に登場する」
デイリー・レコニング 誌  2023年6月6日  筆者 ジム・リカーズ


ジム・リカーズ

〇  (原文) BRICS Gold-Backed Currency Coming in August
Tuesday,  6/13/2023   Daily Reckoning   by James G. Rickards
http://dailyreckoning.com/rickards-drops-bombshell/

(転載貼り付け終わり)

という記事である。この記事の日本語訳を、後ろに全文載せる。英文の原文も載せる。今日、私が、以下に載せる長文の記事 は、のちのち時代を先駆した金融評論文として、世界史で高く評価されるだろう。

BRICS(ブリックス)の新興5大国が、現在の米ドルによる世界一極支配を、この
新しい世界通貨の作成、誕生、導入によって、突き崩してゆくだろう。

この「金(きん)を保証(プレッジ)とするBRICS新通貨(ニュー・カレンシー new currency ) という世界通貨(ニュー・ワールド・カレンシー)」の出現によって、私たちが住む今の世界は、根底から変化する。
まさに、私、副島隆彦が、この17年間(2006年から)ずっと唱えて来た、「ドル覇権(はけん)の崩壊」 “ The Collapse of US Dollar Hegemony “ 「 ザ・コラプス・オブ・ユーエス・ダラー・ヘジェモニー」 である。

  これは、この8月22日から24日まで、南アフリカの都市ダーバンで開かれる、BRICSの首脳会議の、今年の年次総会で決定され発表される。だから、この会議の開会の日で、ある、8月22日に、さっさと この「金(きん)で裏打ちされる 新世界通貨」すなわち、「BRICS 通貨(カレンシー)」の出現と開始である。
だから、この8月22日をもって、世界の通貨体制(カレンシー・オーダー)が変わる。

1971年8月15日の、“ニクソン・ドル・ショック” と 呼ばれる、「米ドル紙幣を、外国政府からの要求であっても、金の地金(じがね)に、アメリカ政府は交換しない(出来ない)」という 事態が起きた、今から52年前 の 「修正IMF体制」( 別名、「ドル石油通貨体制」)が、終焉(しゅうえん)を迎える。 米ドルによる世界支配の態勢が、この日をもって終わり始める。

ドルの信用は、この日から、急激に衰退し、下落してゆく。このことは、ほぼ確実な事である。「ドルの暴落」が始まる。アメリカ合衆国国内では、激しいインフレ(ハイパーインフレ)が始まる。

私、副島隆彦は、この予測を、自分の毎年2冊出し続けた金融本で、ずっとこの16年間、書いてきた。だから、もう、これ以上、あれこれ言わない。

米国務長官のトニー・ブリンケンに続いて、米財務長官のジャネット・イエレンが、この7日から9日まで、北京にいた。何を慌てて、この2人が、中国の首脳部に頭を下げて、これほど、中国叩(たた)き、虐(いじ)め、制裁による包囲網、そして、台湾での戦争の嗾(けしか)け をやってきたのに、こんなに卑屈にまでの低姿勢で、中国に行ったのか。

新聞記事どもの書くことは、すべて外(はず)れだ。何も本当のことを書いていない。私、副島隆彦が、はっきり書く。 ブリンケン と イエレンは、「中国よ、もっと、米国債を買ってくれ。世界の秩序の為に、仲良くしようよ」と言いに行ったのではない。

もうそんな余裕もない。真実は、「中国よ、その保有する米国債を、NYの市場で売る、ということをしないでくれ」 と、懇願(こんがん)しに行ったのだ。

アメリカ政府は、この8月22日の、「BRICS新世界通貨」の発表、誕生のことを事前に知っている。だから、大慌てで、その対策を立てているのである。

 以下に載せる 重要な、6月6日付けの、Daily Reckoning デイリー・レコニング誌の、有名な金融アナリストの James G. Rickards  ジム・リカーズによる の文を、私が、初めて読んだのは、6月23日である。 

 日本の金融アナリストで、やがてトップの地位と信用を持つであろう人から、送られてきた。その後、私は自分でも調べて、この記事の信頼性の高さを、多角的に確認した。

 ここでは、コモディティ・バスケット commodity basket 方式も、ずっと研究されたのだが、「まだ間に合わない」ということで、金(きん)だけを、評価して、それを担保、保証、裏打ちとする新通貨の発行に踏み切る、ことが、決定されたようである。と言うことは、金(きん)の世界値段は、今から、もっと、もっと上がる、ということだ。

政治の力(アメリカによる)で、徹底的に押さえつけられている 日本国内の金の価格も、屹度(きっと)跳ね上がる。 今の数倍の値段になる。これ以外には、私は考えようがない。

 以下のとおり、 元の 英文の原文を、自動翻訳機に掛けた。が、それでは、とても8割ぐらいしか、読めなかったので、それを私が、手直しするのに手間取った。 最後は、私の弟子の金融の専門家が、やってくれた。さらに、それに、私が、もっと分かり易くするために、手を加えた。
 
(転載貼り付け始め)

●「BRICSによる金(ゴールド)を裏打ちとする新通貨が、8月に登場する」

デイリー・レコニング 誌  2023年6月6日   ジム・リカーズ 筆 
http://dailyreckoning.com/rickards-drops-bombshell/

 今日から約2ヶ月後の、8月22日に、国際金融で、1971年以来もっとも重要な進展が発表される、とジム・リカーズ氏は『デイリー・レコニング』誌に書いた。

 それは、世界的な決済でドルの役割を弱める。最終的には、現在の主要な決済通貨であり、基軸通貨としての地位を持つ、米ドルに、BRICS新通貨が、置き換わる可能性がある、新しい主要な世界通貨の登場である。それは、これから数年のうちに起こるだろう。

 この大変化が起こるプロセスは前例がない(アンプレシデンテッドである)。世界は、ここから起きる、地政学(ジオ・ポリティカル geo-political )的な巨大な衝撃波に対する備えをしていない。

 この金融ショックは、BRICS(ブリックス)と呼ばれるグループによってもたらされる。BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字をとったものだ。

 BRICSによる世界基軸通貨(ワールド・キー・カレンシー)の地位獲得の劇は、世界貿易、海外直接投資、投資家のポートフォリオに、劇的で予期せぬ影響を与えるだろう。

 現在のBRICSシステムの発展で、最も重要なことは、今もBRICS加盟国数が拡大していることだ。拡大した組織は、非公式に BRICS+(プラス) という名称で呼ばれている。

 現在、BRICSに正式に加盟を申請しているのは8カ国だ。その他に17カ国が加盟希望を表明している。正式に加盟申請している国は以下の8カ国、 アルジェリア、アルゼンチン、バーレーン、エジプト、インドネシア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦である。

 それ以外で関心を表明している17カ国は以下の通り。アフガニスタン、バングラデシュ、ベラルーシ、カザフスタン、メキシコ、ニカラグア、ナイジェリア、パキスタン、セネガル、スーダン、シリア、タイ、チュニジア、トルコ、ウルグアイ、ベネズエラ、ジンバブエ。
このリストには、今後のBRICS会議への参加人数を増やす、という以上の意味がある。

 サウジアラビアとロシアは、世界3大エネルギー生産国のうちの2カ国だ(エネルギー・ビッグスリーのもう1カ国は米国だ)。 ロシア、中国、ブラジル、インドの4カ国は、国土面積で、地球の陸地の30%を占め、同じく埋蔵する天然資源を保有する。

 世界の小麦と米の生産量のほぼ50%、世界の金(きん)埋蔵量の15%(公表されている分だけだ)が、BRICSのなかに入る。一方、中国、インド、ブラジル、ロシアは、地球上で最も人口の多い9カ国のうちの4カ国である。合計の人口は32億人(世界人口80億人のうちの)だ。BRICSが、地球の人口の40%を占める。

 中国、インド、ブラジル、ロシア、サウジアラビアのGDPは合計29兆ドルで、名目上の世界GDPの28%を占めている。しかし、購買力平価(こうばいりょくへいか。 purchase-power parity パーチェス・パウワ・パリティ) で、GDPを換算すれば、BRICSのシェアは、世界の54%を超える。
また、ロシアと中国は世界3大核兵器保有国のうちの2ヶ国である(もう1つは米国)。

 人口、国土、エネルギー生産高、GDP、食糧生産高、核兵器など、あらゆる指標から見ても、BRICSは、単なる多国間の討論会ではない。BRICSは、欧米の覇権主義に対する、実質的で確実な見込みの高い選択肢だ。BRICSは共同で行動することで、新たな多極化、あるいは二極化する世界の一極となる。

 この8月22日に発行が発表されるその新通貨は、何もない場所に生み落とされるわけではない。ブリックス新通貨は、すでに資本と流通・通信が洗練されている、現在の新興大国の国際ネットワークに投入される。この新興大国のネットワークが、新ブリックス通貨が成功するチャンスを、さらに大きく高めるだろう。

 BRICS諸国はまた、加盟国を結ぶ光ファイバーの海底通信システムの開発も進めている。これは「BRICSケーブル」という名称で開発されている。 BRICSケーブルを開発し始めた理由のひとつが、米国家安全保障局(NSA)による、既存のケーブルネットワークを経由するメッセージ通信へのスパイ行為を阻止することにある。

 このブリックス新通貨で、ドルを捨てようとする試みの背景には、いったい何があるのか。その答えの主な部分は、米国が経済制裁という手段を使って、ドルを武器化(weaponization、ウエポナイゼイション)している現実にある。

 2007年から2014年にかけて、私は何度も財務省、国防総省、情報機関の米政府高官たちに、「ドル制裁(サンクション sanction )の乱用は、敵対国が制裁の影響を避けるためにドルを放棄することにつながる」と警告してきた。

 制裁を受けた国が米ドルを放棄することは、アメリカによる制裁の効力を弱める。米国に予期せぬコストを課し、最終的には、ドルそのものの信頼を崩壊させることになる。この私の警告はほとんど無視された。 私たちは今、私のこの予測の第1段階と第2段階にすでに到達しており、第3段階に危険なほど近づいている。

 長年にわたり、米国はイランのような国々を罰するために制裁を行ってきた。しかし昨年のウクライナ侵攻後、米国とその同盟国(西側 the West ザ・ウエスト)が、ロシアに課した制裁は、これまでの制裁体制をはるかに超えていた。前例のない大きさだった。

 他の多くの国々は、この事態を見て、ある問題でアメリカの逆鱗(げきりん)に触れれば、次は自分たちの番だ、という結論に達した。そしてその恐怖は、ドル体制から完全に脱却しようとする動きを大きく加速させた。

 この願望は、ロシアなど現在のターゲット国に限ったことではない。中国、イラン、トルコ、サウジアラビア、アルゼンチンなど、潜在的なアメリカによる経済制裁のターゲット国にも共有されている。

 BRICS+は、世界の決済、ひいては世界の外貨準備を脱ドル化( de-Dollarization ディー・ダラーライゼイション)させる、現実的な取り組みを実行しているのである。

 私は、何年も前から、多くの人が考えているよりも長い間、ドルは世界の主要基軸通貨であり続けると主張してきた。

 だが、私は(大きく考えを変えて)この記事では、「 BRICS+(プラス)の新通貨が、世界の新しい主要基軸通貨になって、ドルの終焉を大きく加速させる可能性がある」と書いている。その理由を紹介する。

 私が以前まで考えていたよりも、なぜ、脱ドル化がこれほど早く実現できるのか。国際貿易で、モノやサービスの決済通貨(セツルメント・カレンシー)としてのドルから脱却したい、という世界的な(多くの国の)願望は、決して、今に始まったことではない。

 今日では、このドル回避の動きは、新たな機軸を必要とする議論ではなく、短期間で出現しつつある、現実そのものである。

 ドバイと中国は最近、ドバイからの石油輸出の支払いに中国人民元(レンミンビ)を受け入れる、という取り決めを結んだ。ドバイは、その人民元を使って、中国から半導体や製造品を購入することができる。

 サウジアラビアと中国は、石油と人民元の交換について同様の協議をしている。まだ決定的な結論には至っていない。サウジアラビアは、長年にわたってアメリカと石油・ドル協定を結んでいる。そのため、こうした話し合いは複雑になっている。しかしながら、この方向に向けての進展が大いに期待されている。

 中国とブラジルは最近、貿易において各国が相手国の通貨を受け入れるという、広範な2国間通貨協定に合意した。一方、中国とロシアの間には、2つの超(ちょう)大国が、共同で米国に立ち向かうという、戦略的関係を広げている。

 両国間の貿易では、ロシアは、中国の製造品やその他の輸出品に対してルーブルで支払うことができる。いっぽう中国は、ロシアからのエネルギー、戦略金属、兵器システムに対して、人民元で支払っている。

 しかし、こうした取り決めもすべて、8月22〜24日に、南アフリカのダーバンで開催されるブリックス(BRICS)首脳会議で発表される、BRICS+(プラス)の新通貨に引き継がれ、取って代わられることになるだろう。

 このブリックス+(プラス)の新通貨は、加盟国間の貿易で、実際に取り引きされる商品(コモディティ)のバスケットにペグ(連動)される。最初の議論では、BRICS+(プラス)新通貨のためのコモディティ・バスケットには、石油、小麦、銅、そのほかに、世界的に一定の量が取引されている必需品が、含まれた。

 おそらく、BRICS+(プラス)の新通貨は、日常的な取引に使用する紙幣のような形では、利用できないだろう。新しいBRICS+(プラス)の金融組織が管理する、許可制の、台帳(レジャー、ledger 勘定元帳) 上のデジタル通貨となる。

 暗号化された情報伝達網によって、参加する当事者(国)が支払い、支払われるべき取引が記録される。しかし、これは暗号通貨(クリプト・カレンシー)ではない。非(ひ)中央集権的(すなわち分散型)ではなく、ブロック・チェーン上で管理されるのでもなく、承認の無いすべての参加者に開示されている訳でもない。

 BRICS新通貨の作業グループから(私にもたらされる)最新情報では、この商品(コモディティ)バスケットの価値の評価方法について、1944年の、ブレトンウッズ会議で、ジョン・メイナード・ケインズ卿(きょう)が、遭遇したのと同じ問題に遭遇しているという。

 ケインズ卿は、当初、バンコール( bank-all )と呼ばれる世界通貨のために、商品バスケット方式を提案した。しかし、バスケットに含まれる国際的な商品(コモディティ)も、完全に代替可能(同価値とする)ではない。例えば、原油には、粘度(ねんど)や硫黄分などの属性によって70以上の細かい等級分けがある。

 最終的にケインズ卿 は、商品(コモディティ)バスケットは必要なく、利便性と統一性の理由から、単一商品である金(ゴールド)(だけに依る)の方が、通貨を固定する目的に適していると考えた。

 統一的な価値を評価・維持する基準として、コモディティ(商品)バスケットは非現実的であることから、今回のBRICS+の新通貨は、金(ゴールド)の重さだけに連動することになりそうだ。

 これは、BRICSのメンバーであるロシアと中国の強みを生かす。ロシアと中国は、世界の2大金(きん)産出国であり、金準備高の上位100ヶ国の中で、それぞれ6位と7位にランクされている。

 こうした動きや関連する動きは、しばしば「基軸通貨としてのドルの終焉 」
The end of the dollar as a reserve currency. 「ジ・エンド・オフ・ザ・ダラー・アズ・ア・リザーブ・カレンシー」 と 喧伝(けんでん)される。このようなコメントには、国際通貨や為替のシステムが、実際にどのように機能しているのかについて、その理解不足が表れている。

 このような分析のほとんどに見られる重要な間違いは、決済通貨(payment currency)と基軸通貨(reserve currency)のそれぞれの役割を、区別していないことである。決済通貨は財とサービスの取引に使われる。各国は好きな決済通貨(リーガル・テンダー legal tender )で取引することができ、米ドルである必要はない。

 いわゆる「基軸通貨」は違う。基軸通貨は、国家にとっては、貿易黒字によって獲得した余剰利益の「貯蓄口座」なのである。この残高は、通貨ではなく証券(国債)の形で保有される。

 金融アナリストたちが、「 米ドルが主要な準備通貨である」 と言うとき、彼らが実際に意味するのは、「各国がその通貨建ての証券(債券、bond ボンド)を保有している」ということだ。世界の外貨準備(フォーリン・リザーブ)の60%は、ドル建ての米国債(べいこくさい)である。外貨準備とは、実際には米ドル通貨ではなく、(ドル建て)証券(債券)なのだ。

 その結果、大規模に発達した国債取引市場 がなければ、基軸通貨にはなれない。規模、多様な満期、流動性、決済、デリバティブ、その他の必要な機能において、米国債の市場に匹敵する国は、今のところ世界中どこにもない。

 つまり、他の国の通貨を「基軸通貨」としようとするとき、本当の障害は、その通貨を投じるだけの規模がある、各国政府が発行する国債(ナショナル・ボンド)の取引市場が存在しないことなのだ。

 そのため、準備資産として、その国の通貨を、国債に置き換えることは、望んでも難しいのである。この点では、世界のどこの国も、まだアメリカの足元におよばない。

 しかし、ここからが面白い。この点にこそ、米ドルが、主要な準備通貨(リザーブ・カレンシー)としての地位を、考えられていたよりも、ずっと早く失う、その理由がある。

 BRICS+(プラス)の新通貨は、NY(ニューヨーク)の米国債市場を飛び越えて、世界の舞台で、国債に対抗できるほど深くて、流動性のある新しい債券市場(ボンド・マーケット)を、ほとんど何もないところから作り出す機会を提供するからである。

 重要なのは、一度に20ヶ国以上で、個人投資家たちに自国通貨で、BRICS+(プラス)の新規国債を買ってもらえることだ。

 BRICS+(プラス)債 は、銀行や郵便局などのリーテイル(小売りの)金融機関を通じて販売される。このブリックス債 は、BRICS+通貨建てである。しかし、個々の投資家は、自国の通貨建てでこの債券を購入できる。それを通貨市場の為替レートで換算できる。

 BRICS+の新通貨は、金(ゴールド)に裏付けられているため、ブラジルやアルゼンチンのようなインフレや債務不履行(さいむふりこう。default デフォールト)に陥りやすい国の通貨に比べ、魅力的な価値の貯蔵手段となる。

 とくに、中国人は、これまで海外市場への投資をほとんど禁止されており、中国国内の不動産や株式に過剰投資してきた。だから、このような新しい投資先に魅力を感じるだろう。

 この新らしい市場が、魅力的な運用先として機関投資家に受け入れられるには、時間がかかるだろう。しかし、BRICS+(プラス)の新通貨建ての投資対象に、インド、中国、ブラジル、ロシアなどの、すさまじい規模の個人投資家の資金が投資される。だから、BRICS加盟国の間での、貿易で積み上がる貿易黒字の余剰資金を、吸収することができる。

 つまり、即席の「基軸通貨」を作る方法は、自国民を買い手として、即席の「債券市場」を作ることだ。

 アメリカは、1917年に、同じようなことをした。1790年から1917年まで、アメリカの債券市場(ボンド・マーケット)は、専門家たちだけのものだった。小売(こうり。retail リーテイル)の金融 市場は存在しなかった。
それが変わったのは、第一次世界大戦中にウドロウ・ウィルソンが、戦費調達のために自由国債(Liberty Bonds、リバティ債。戦時公債 )を発行したときだ。

 アメリカのすべての主要都市で、債券購入促進集会や、リバティ債のパレードが行われた。リバティ・ボンドを買うことが、愛国者の義務になったのだ。
この努力は功を奏し、金融市場 を一変させた。アメリカ国民が、個人投資家として、株式や債券、証券を購入するようになった。

 BRICS+(プラス)が、リバティ債のような愛国心を盛り上げるモデルを採用すれば、(欧米)先進国の金融市場の支援がなくても、BRICS+(プラス)の新通貨建ての世界準備資産 を作ることができるだろう。

 金(ゴールド)で裏打ちされたブリックス新通貨の導入、その「決済通貨」としての急速な利用、さらに、「準備資産=基軸通貨」としての段階的な使用という、この一連の流れは、これまでの数年間の開発期間を経て、来たる2023年8月22日から始まるのである。

 BRICS+(プラス)の直接の加盟国を除いて、世界は、この見通しをこれまでほとんど無視してきた。その結果が、これから数週間のうちにおとずれる。それが国際通貨システムの大変動なのである。

 筆者のジェームズ・リカーズについて。 弁護士、エコノミスト、投資銀行家、金融作家。ジェームズ・G・リッカーズは、現在、アメリカとイギリスの投資家向けに発行されている、「アゴラ・ファイナンシャル」 の主要ニューズレター「ストラテジック・インテリジェンス」の編集者である。ニューヨーク・タイムズ紙でベストセラーに入った “ Currency Wars(通貨戦争、つうかせんそう)」(2011年刊)、 「The Death of Money(ドル消滅 ザ・デス・オブ・マネー)」(2014年刊)、 The Road to Ruin(ザ・ロウド・トゥ・ルイ―ン)」(2016年刊 ) を、ペンギン・ランダムハウスから出版。


〇 ( ここから、英文の原文 を載せる )

● ” BRICS Gold-Backed Currency Coming in August”

Daily Reconing JUNE 6, 2023  by  Jim Rickards  
https://dailyreckoning.com/rickards-drops-bombshell/

On 22 AUGUST – about 2 months from today – the most significant development in international finance since 1971 will be unveiled, reckons Jim Rickards in The Daily Reckoning.

It involves the rollout of a major new currency that could weaken the role of the Dollar in global payments and ultimately displace the US Dollar as the leading payment currency and reserve currency.

It could happen in just a few years.  The process by which this will happen is unprecedented, and the world is unprepared for this geopolitical shock wave.

This monetary shock will be delivered by a group called the BRICS. The acronym BRICS stands for Brazil, Russia, India, China and South Africa.
This play for global reserve currency status by the BRICS will affect world trade, direct foreign investment and investor portfolios in dramatic and unforeseen ways.

The most important development in the BRICS system concerns the expansion of BRICS membership. This has led to the informal adoption of the name BRICS+ for the expanded organization.

There are currently eight nations that have formally applied for membership and 17 others that have expressed interest in joining. The eight formal applicants are: Algeria, Argentina, Bahrain, Egypt, Indonesia, Iran, Saudi Arabia and the United Arab Emirates.

The 17 countries that have expressed interest are: Afghanistan, Bangladesh, Belarus, Kazakhstan, Mexico, Nicaragua, Nigeria, Pakistan, Senegal, Sudan, Syria, Thailand, Tunisia, Turkey, Uruguay, Venezuela and Zimbabwe.

There's more to this list than just increasing the headcount at future BRICS meetings.

If Saudi Arabia and Russia are both members, you have two of the three largest energy producers in the world under one tent (the US is the other member of the energy Big Three).

If Russia, China, Brazil and India are all members, you have four of the seven largest countries in the world measured by landmass possessing 30% of the Earth's dry surface and related natural resources.

Almost 50% of the world's wheat and rice production as well as 15% of the world's gold reserves are in the BRICS. Meanwhile, China, India, Brazil and Russia are four of the nine highest-population countries on the planet with a combined population of 3.2 billion people or 40% of the Earth's population.

China, India, Brazil, Russia and Saudi Arabia have a combined GDP of $29 trillion or 28% of nominal global GDP. If one uses purchasing power parity to measure GDP, then the BRICS share is over 54%. Russia and China also have two of the three largest nuclear arsenals in the world (the other leader is the United States).

By every measure – population, landmass, energy output, GDP, food output and nuclear weapons – BRICS is not just another multilateral debating society. They are a substantial and credible alternative to Western hegemony.

BRICS acting together is one pole of a new multipolar or even bipolar world.
When the new currency launch is announced in August, the currency will not fall on an empty field. It will fall into a sophisticated network of capital and communications. This network will greatly enhance its chances of success.

The BRICS are also developing an optical fiber submarine telecommunications system that would connect its members. It is being developed under the name BRICS Cable. Part of the motivation for BRICS Cable is to foil spying by the US National Security Agency on message traffic carried through existing cable networks.

What's behind this quest to ditch the Dollar? In no small part the answer is US weaponization of the Dollar through the use of sanctions.

On numerous occasions from 2007-2014, I warned US officials from the Treasury, Pentagon and intelligence community that overuse or abuse of Dollar sanctions would lead adversaries to abandon the Dollar to avoid the impact of sanctions.

Such abandonment would lead to the diluted potency of sanctions, unforeseen costs imposed on the US and eventually to the collapse of confidence in the Dollar itself. These warnings were mostly ignored.

We have now reached the first and second stages of this forecast and are dangerously close to the third.
For years, the US has used sanctions to punish nations like Iran. But the sanctions the US and its allies imposed on Russia after it invaded Ukraine last year went far beyond previous sanctions regimes. They were unprecedented.

Many other nations began to conclude that they could be next if they run afoul of the US on certain issues. And that fear has greatly accelerated the push to opt out of the Dollar system entirely.

This desire is not limited to current targets such as Russia but is shared by potential targets including China, Iran, Turkey, Saudi Arabia, Argentina and many others.
The BRICS+ present a realistic effort to de-Dollarize global payments and eventually global reserves.
For years, I've argued that the Dollar would remain the world's leading reserve currency for longer than most people think.

But below, I show you why a new BRICS+ currency could greatly accelerate the demise of the Dollar as the world's leading reserve currency.

How could it happen so much faster than I previously thought?

The global desire to move away from the Dollar as a medium of exchange for international trade in goods and services is hardly new. The difference today is that it's gone from a discussion point to a novelty to a looming reality in a remarkably short period of time.

Dubai and China have recently concluded an arrangement whereby Dubai will accept Chinese Yuan in payment for oil exports from Dubai. In turn, Dubai can use the Yuan to buy semiconductors or manufactured goods from China.

Saudi Arabia and China have been discussing similar oil-for-Yuan arrangements but nothing definitive has yet been put in place. These discussions are made complicated by Saudi Arabia's long-standing petro-Dollar deal with the US Still, some progress along these lines is widely expected.

China and Brazil have recently reached a broad-based bilateral currency deal where each country accepts the currency of the other in trade. Meanwhile, there's a growing strategic relationship between China and Russia as the two superpowers jointly confront the United States. In the trading relationship between the two nations, Russia can pay in Rubles for Chinese manufactured goods and other exports while China pays in Yuan for Russian energy, strategic metals and weapons systems.

Yet all these arrangements may soon be superseded by a new BRICS+ currency, which will be announced in Durban, South Africa, at the annual BRICS Leaders' Summit Conference on Aug. 22-24.

The currency will be pegged to a basket of commodities for use in trade among members. Initially, the BRICS+ commodity basket would include oil, wheat, copper and other essential goods traded globally in specified quantities.

In all likelihood, the new BRICS+ currency would not be available in the form of paper notes for use in everyday transactions. It would be a digital currency on a permissioned ledger maintained by a new BRICS+ financial institution with encrypted message traffic to record payments due or owing by participating parties. (This is not a cryptocurrency because it is not decentralized, not maintained on a blockchain and not open to all parties without approval.)

The latest information from the BRICS working groups is that this basket valuation methodology is encountering the same problems that John Maynard Keynes encountered at the Bretton Woods meetings in 1944.

Keynes initially suggested a basket of commodities approach for a world currency he called the bancor. The difficulty is that global commodities included in any basket are not entirely fungible (there are over 70 grades of crude oil distinguished by viscosity and sulfur content among other attributes).

In the end, Keynes saw that a basket of commodities is not necessary and that a single commodity – gold – would better serve the purpose of anchoring a currency for reasons of convenience and uniformity.

Based on the impracticality of commodity baskets as uniform stores of value, it appears likely that the new BRICS+ currency will be linked to a weight of gold.

This plays to the strengths of BRICS members Russia and China, who are the two largest gold producers in the world and are ranked sixth and seventh respectively among the 100 nations with gold reserves.

These and related developments are frequently touted as the "end of the Dollar as a reserve currency." Such comments reveal a lack of understanding as to how the international monetary and currency systems actually work.

The key mistake in almost all such analyses is a failure to distinguish between the respective roles of a payment currency and a reserve currency. Payment currencies are used in trade for goods and services. Nations can trade in whatever payment currency they want – it doesn't have to be Dollars.

Reserve currencies (so-called) are different. They're essentially the savings accounts of sovereign nations that have earned them through trade surpluses. These balances are not held in currency form but in the form of securities.

When analysts say the Dollar is the leading reserve currency, what they actually mean is that countries hold their reserves in securities denominated in a specific currency. For 60% of global reserves, those holdings are US Treasury securities denominated in Dollars. The reserves are not actually in Dollars; they're in securities.

As a result, you cannot be a reserve currency without a large, well-developed sovereign bond market. No country in the world comes close to the US Treasury market in terms of size, variety of maturities, liquidity, settlement, derivatives and other necessary features.

So the real impediment to another currency as a reserve currency is the absence of a bond market where reserves are actually invested. That's why it's so difficult to displace Treasuries as reserve assets even if you wanted. Again, no country in the world can come close to the US in that regard.

But here's where it gets interesting, and why the Dollar could lose its leading reserve status much faster than previously thought.

That's because the BRICS+ currency offers the opportunity to leapfrog the Treasury market and create a deep, liquid bond market that could challenge Treasuries on the world stage almost from thin air.

The key is to create a BRICS+ currency bond market in 20 or more countries at once, relying on retail investors in each country to buy the bonds.

The BRICS+ bonds would be offered through banks and postal offices and other retail outlets. They would be denominated in BRICS+ currency but investors could purchase them in local currency at market-based exchange rates.

Since the currency is gold backed it would offer an attractive store of value compared with inflation- or default-prone local instruments in countries like Brazil or Argentina. The Chinese in particular would find such investments attractive since they are largely banned from foreign markets and are overinvested in real estate and domestic stocks.

It will take time for such a market to appeal to institutional investors, but the sheer volume of retail investing in BRICS+ instruments in India, China, Brazil and Russia and other countries at the same time could absorb surpluses generated through world trade in the BRICS+ currency.

In short, the way to create an instant reserve currency is to create an instant bond market using your own citizens as willing buyers.

The US did something similar in 1917. From 1790-1917, the US bond market was for professionals only. There was no retail market. That changed during World War I when Woodrow Wilson authorized Liberty Bonds to help finance the war.

There were bond rallies and Liberty Bond parades in every major city. It became a patriotic duty to buy Liberty Bonds. The effort worked, and it also transformed finance. It was the beginning of a world where everyday Americans began to buy stocks, bonds and securities as retail investors.

If the BRICS+ use a kind of Liberty Bond patriotic model, they may well be able to create international reserve assets denominated in the BRICS+ currency even in the absence of developed market support.

This entire turn of events – introduction of a new gold-backed currency, rapid adoption as a payment currency and gradual use as a reserve asset currency – will begin on Aug. 22, 2023, after years of development.

Except for direct participants, the world has mostly ignored this prospect. The result will be an upheaval of the international monetary system coming in a matter of weeks.


ABOUT JAMES RICKARDS : Lawyer, economist, investment banker and financial author James G.Rickards is editor of Strategic Intelligence, the flagship newsletter from Agora Financial now published both in the United States and for UK investors. A frequent guest on financial news channels worldwide, he has written New York Times best sellers Currency Wars (2011), The Death of Money (2014) and The Road to Ruin(2016) from Penguin Random House.

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。以下に、私の最新刊の本の宣伝をします。これを読めば、上記の記事の重要性が、さらによく分かります。
(ここに 私の本の表紙と、アマゾンのページへのリンク を貼ってください)


米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた

米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた

副島隆彦です。 前の方で書いた、ロシア政府が、7月7日に、この「BRICS 世界新通貨」の重要性を、確認した、という記事である。

(転載貼り付け始め)

〇 「 ロシア政府、BRICSが金裏付け通貨を立ち上げることを確認 」
WORLDHAL TURNER   07 JULY 2023
https://halturnerradioshow.com/index.php/en/news-page/world/breaking-news-russia-confirms-brics-to-launch-gold-backed-currency
国営ロシアテレビ(RT エル・ティ)は、「ロシア政府は、BRICSとして知られるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカが、金に裏打ちされた新しい貿易通貨を導入することを明らかにした」と伝えた。

正式な発表は、今年8月22日に、南アフリカのダーバンで開催されるBRICS首脳会議で行われる予定だ。

これが実現すれば、米ドルのような「不換紙幣(フィアット・マネー)」の終焉を意味する。世界中の国々が、この新しい金の裏付けのある通貨を対外貿易に使用することに、どれくらいのスピードで切り替えるかはまだわからない。

この新しい通貨を使う国が増えれば増えるほど、対外貿易のために米ドルを保有する必要がなくなった国から、外国で保有されていた米ドルが、アメリカに戻って行くことになる。 米ドルがアメリカに戻ってゆくと、アメリカ国内では、かつてなかったようなインフレが起こるだろう。

アメリカは、現在もうほとんど何も製造していない。 アメリカで売買されるものは、ほとんどすべて海外で製造されている。 米ドルが海外から戻ってゆくと、米ドルの価値は他の通貨に対して急落する。つまり、外国から商品を買うのに、より多くの米ドルが必要になる。したがってアメリカ国内では突然、劇的なインフレが起こる。
アメリカは、この事態を食い止めるために、過去に何度も実際の戦争に踏み切った。 最近の例としては、リビアとイラクが挙げられる。
 
リビアでは、指導者のモハマル・カダフィが、金(きん)の裏付けのある全アフリカ通貨を作ろうと提案した。 彼の提案の発表から1ヵ月も経たないうちに、リビアでは暴動と反乱が起こり、最終的にカダフィは暴徒化し、路上で残酷に殺された。

イラクもサダム・フセイン大統領の下で同様の努力をした。 彼は、「イラクは石油を米ドル以外の通貨で売り始める」と発表した。このことがアメリカをイラク戦争2(2003年3月20日 )へと駆り立て、フセインを政権から引きずり下ろした。フセインは地面の穴に隠れているところを発見され、逮捕され裁判にかけられ、首を吊られた。

米国は、世界の事実上の基軸通貨(キー・カレンシー)である米ドルの信用を失墜させるようなことを世界中の誰かがしようとすると、それを深刻に受け止める。

アメリカはすでに、ウクライナ紛争をめぐってロシアと直接、自分が戦争したくてうずうずしている。 今日のBRICSの金(きん)取引通貨に関する発表で、アメリカの新通貨構想の「グローブ」が外されるのは論理的だと思われる。ロシアとBRICS諸国が、8月に発表することを実行に移せば、アメリカの世界支配は完全に崩壊する。

アメリカ政府内部には、「世界の支配権を失うくらいなら、むしろ世界全体を焼き尽くすことを、自分たちは望む」という人々が大勢いる。 簡単に言えば、彼らは「自分たちの金融支配力を維持するためなら手段を選ばず、自分たちの権力を脅かすあらゆるものを、積極的に、悪意を持って、残忍に、破壊する」と言う。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 以上の通りだ。 英文と、その日本語訳の文を、しっかりと読むことは、大変、手間(てま)かかるのことであり、大変だ。自分の知能、思考力への大きな負担となる。だが、この作業は、大きな世界の真実を知りたい人々にとっては、避けて通れない道だ。
この学問道場に集まる人たちは、皆、ひとりで、コツコツとやってください。自分の為(ため)なのだから。    副島隆彦拝