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和樂さんとコラボ土鍋を作る/JOMON土鍋

2020年9月1日雑誌和樂10月11月号が発売されました。

そこには私と和樂でコラボ制作した「JOMON土鍋」が掲載していただきました!

若い頃から憧れの雑誌。「和樂」

今年2020年。

新型コロナの世界的流行で沢山の出来事がキャンセルになりました。

一番最初にアメリカスタンフォード大学からのお客様のキャンセル。
これは2019年5月に私がスタンフォード大学へ招いていただき、そこで出会った方が今度は陶芸を見たいとおっしゃってくださった一年越しの約束でした。
そしてそこからは、作った作品のキャンセル、展示のキャンセルが続きます。

そしてその一つに、三月決まっていた和樂さんの取材のキャンセルもありました。

さらに追い打ちをかけるように、他のやるべきことを後回しにしてまで制作して、焼き上がっていた土鍋までもキャンセル。

大変落ち込んでいた私に、和樂さんから「せっかくの機会だからZOOMやslackを使って、リモートで新作を作りませんか?」と言うお話を頂きました。

打ち合わせから制作、完成まで、全く会わずに、ものを作る初めての経験です。


中止や延期が当たり前のこんなコロナ禍の世界でも「せっかくだから」の精神で、全く新しい事にチャレンジ出来る。
救ってもらったような気持ち。心が揺さぶられるほど嬉しかったです。

テーマは「縄文」、「食べる事」、そして「祈り」とは。

私自身、長年、信楽焼に携わり「ものを作ることの意味」を考え続けてきました。
作品に想いを乗せ、伝わる瞬間への祈りが込められています。

この新作土鍋の話をいただく前、和樂WEB編集長とはゆっくりお話を聞いていただく機会をいただき、自分の物作りについて記事にしていただきました。

編集長が行く!
信楽の炎と土の魔術師!陶芸家・篠原希さんに「なぜその地で焼くのか?」聞いてみた 

自分の中にモヤモヤとあり続けたものを文章にしていただき、ようやく自分で理解できたことも多くあり、大変感謝しております。

和樂さんには、沢山話を聞いていただき、思いを形にするアイテムとして、なんと!

「土鍋」

を作る事に。

土鍋は蓋を開けるまでのワクワク感。
そして上手く出来上がっていますようにとの祈りの気持ちも感じられる私が好きな「蓋物」のアイテムです。

そして縄文土器の多くは中に食物を入れて薪の炎で煮炊きをする目的で作られている「実用品である」と言うことです。

実用品であるはずの縄文土器に、何故あれほどのデコラティブな模様や造形が為されたのか?

現代の日本人が今も大切にしている「米を炊く」事を、JOMON土鍋での制作を通して学び直す事が出来ました。

10000年間続いたと言われている縄文土器は、調べれば調べるほどさまざまな模様や形があり、いままでの私の既成概念を改めて打ち壊してくれました。

さまざまな模様を辿っていっても、一定のリズムや調和をわざと外しているような不思議な感覚に何度もなりました。

そこには縄文の人々の命を繋ぐ行為への「祈り」が込められているように私には感じられました。

ぜひ、その様子を紙面でご覧いただきたいです。
皆様ご購読よろしくお願い申し上げます!



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