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松尾茂起さんの「あなたのコンテンツ、思い出してもらえますか?リピーターを呼び込む「ストーリーライティング」実践講座」書き起こし

「よっしゃ、やろか!ウェブマーケ!」ウェブ解析士会議2019 in Osakaのイベントに来ました。豪華なゲストによる登壇イベントになっていますが、第一回目は松尾茂起さんの「あなたのコンテンツ、思い出してもらえますか?リピーターを呼び込む「ストーリーライティング」実践講座」から始まりました。内容は以下の通りです。

究極の集客法、それは「思い出してもらうこと」です。たとえば、あなたが一生懸命作成したコンテンツは、どれだけの人に思い出してもらえますか?
日々、膨大に増え続けるWebコンテンツ。 そんな中、思い出してもらえるコンテンツの仲間入りをすることは、至難の業だと言われます。 しかし、もし、あなたのコンテンツが思い出してもらえやすいのであれば、あらゆる集客手法を越えたトラフィックを獲得することができます。
このセッションでは、松尾が過去に制作してきた『沈黙のWebライティング』『沈黙のWebマーケティング』の事例を中心に、思い出してもらえやすいコンテンツをつくるための考え方をお届けします。 思い出してもらえることで、コンテンツ名、ひいてはブランド名での検索が生まれるでしょう。 そうなれば、SEOにおける大きな成果も期待できます。 あらゆるビジネスで使えるヒントが詰まった45分間、ご期待ください。

プロフィールは以下の通りです。

株式会社ウェブライダー代表取締役
関西学院大学 経済学部を卒業後、音楽系の制作会社に勤務し、大手舞台音楽などの制作に携わる。その後、2005年にフリーランスとして独立し、自身の楽曲のネット販売などをおこない、さまざまなプロジェクトを成功させる。その成功体験を活かし、2010年に株式会社ウェブライダーを設立。

検索集客を軸としたWebマーケティングのコンサルティングやコンテンツ制作を手がける。 これまでにプロデュースした主なコンテンツは「沈黙のWebマーケティング」「沈黙のWebライティング」「美味しいワイン」「美味い居酒屋」など。 沈黙シリーズは書籍化され、 それぞれAmazonランキングのベストセラーに。 セミナー講師としても、 「CSS Nite」や「ad:tech」、宣伝会議「編集・ライター養成講座」等で登壇。CSS Niteでは年間ベスト・スピーカー賞を4度獲り(2013、2015、2016、2017)、殿堂入りを果たす。 また、2017年秋には文章の 校閲・ 推敲 支援ツール「文賢(ブンケン)」をプロデュース。

音楽家としても活動しており、アーティストのライブサポートや、各種テーマソング制作、「国民文化祭 京都」などのイベントや京都の貴船神社などに楽曲を提供。 「恋のSEO!」「私の心の中の関数」などの楽曲はネットで話題に。 また結婚式ソング「風と巡る季節」はYouTubeにて30万回以上再生され、全国の多くの新郎新婦からの問合せが届くように。
1978年生まれのAB型。現在、京都と東京に在住。猫をこよなく愛する。


本日、私はストーリーライティングについてお話ししていきます。ストーリーという言葉は、いろんなシーンできくと思います。ストーリーという一見ふわっとした言葉をできるだけ噛み砕き、実践したくなるような形にしていきたいと思います。

1つ目はクリエイティブ寄りの話。
2つ目はお客様の声、自社のポリシーなどのページを作る際の考え方です。

私は松尾と言います。しげき、と読まれがちですが、しげおきと読みます。実はウェブライダーという会社とBettersという二つの会社の代表を務めています。東京と京都を行ったり来たりしているんですね。作曲家・ピアノ弾きという顔も持っています。最初の会社は舞台音楽の会社。舞台の稽古場まで楽器を持っていき、演技にあわせてリアルタイムに作る、みたいなことをやっていました。セリフや呼吸にあわせて、やっていくんです。その舞台は、台本がどんどん変わっていき、常にPDCAがまわるみたいな仕事でした。ドキドキとプレッシャーがすごかったんですね。

よく怒られつつも頑張っていましたが、その後、ウェブ集客の道に行きました。会社でできたことはピアノを弾くことだったんです。それをなんとかお金に変えたいなあ、と思い、「ピアノ 京都」で検索して1位になろうと考えたんです。そうしたら生計を立てることができるようになりました。その結果、ウェブライダーという会社ができました。

世の中には色々なウェブマーケティングをしている会社があるのですが、自己流のノウハウになります。実践型なので、再現性はあると思っています。例えば、月30万pvの美味しいワインというサイトをやっていたり、Bettersというメディアをやっています。7記事で、10万pvを超えているという珍しいメディアです。

「沈黙のWebライティング」という本を出版しています。これはWebマーケティングのノウハウをハードボイルドなストーリーで伝えるというものです。ありがたいことにこの本は、ずっとベストセラーになっています。


沈黙シリーズは、なぜ成功したのか?

沈黙のWebマーケティングのあらすじからまずは紹介しますね。まず1作目。オーダー家具の販売会社マツオカのもとに、謎の男ボーン・片桐が現れた。ボーンは重さ40kgのノートPCを操る男、というのがあらすじです。どんなにセキュリティーを施しても、自分のPCが盗まれたら、仕方がないので、持ち運べないくらい重いPCにしてみた、というのが理由なんです。笑

成功をした7つの理由


・得られるベネフィットがわかりやすい
・本質的なノウハウを取り上げているため、賞味期限が長い
・誰にでも読みやすいストーリー
・記憶に残りやすい
・他の書籍とかぶることがないため、他の書籍と一緒に紹介しやすい
・口コミが自然発生している
・著者が書籍で書かれている内容で、実績をあげている

説明は意外と似てしまうという特徴があります。その時に使えるのがストーリーになります。

ストーリーを検討するべき理由は7つ

1)感情を乗せやすい
2)エピソード単位での記憶の定着が期待できる
など色々あるんですが、重要なものを紹介します。

感情を乗せやすく共感による記憶の定着が期待できる。

共感とはなんでしょう?これは自分ごとにする、ということです。ここをすごく意識しているんですね。ウェブマーケティングのノウハウ本だと、感情が入らないんですね。なぜ、ヒロインが悔しいのか、なぜ助けたいのか、を自分ごとにするとすごく記憶に定着しやすいんですね。人は理性ではなく、感情で動くんですね。

人はエピソード記憶と言って、エピソードは長期記憶になるんです。USJが倒産しそうになったが、森岡さんが来て、V字回復したんですね。その逸話として有名なものは、ジェットコースターを後ろに走らせたんです。数字がどのくらい変わったか、は頭に残っていなくても、そのストーリーは強烈に覚えていますよね。ZAPPOSは、靴の在庫がなかったときのエピソードも有名です。他のオンラインショップの靴を紹介したというエピソード。リッツカールトンで、重要な書類をお客様が忘れた、という話があります。でも、そのお客様は東京に行ってしまった。そのとき、リッツのホテルマンは、新幹線で東京まで向かって届けたというのです。

人は実は語りたいのです。語るというのは口で言いますよね。口コミです。語れるストーリーを作ると、とても良いわけです。

登場人物の成長を描くことで擬似体験してもらう

登場人物には役割を実は与えています。大先生はボーン。でも、大先生は言葉少なめなので、その翻訳者としてヴェロニカを置きました。そして、超初心者のマツオカ。そして、職場によくいがちな「上級者ぶる初心者」も置いておきました。もちろん、敵対する悪も登場させました。自分は上級者と思っているが、初心者な人も共感できるわけです笑

(会場爆笑)

実はこの話、お客様の声でも使えますね。あらゆる状況に近いお客様の声をおいておくと良いのです。

人は潜在心理でたくさんの人生を擬似体験したいと思っている

一方で、自分と似過ぎた人だけだとストーリーとしてはつまらないわけです。実はこれ非常に重要な心理だと思うんですね。

伝えたい主張を長い時間をあけてじっくり伝えられる

ウェブの滞在時間を考えるとわかるのですが、この本、1冊を読むのに6時間はかかります。これはとんでもない時間ですよね。これだけの長い本だと読み終えると達成感とともにSNSでアップしてくれました。

START とゴールを決める

これは、スーパー◯リオ風のゲームだとします。STARTがあって、ゴールがあるわけです。平坦で一本道だと面白くないですよね。敵がいたり、障害物があった方が面白いですよね。乗り越えるべき障壁があったほうがいいんです。すぐにできるようになりました、というストーリーはつまらないですよね。

コンバージョンが上がったという言葉はあまり使わないようにしています。注文が増えた、商品が売れた、という形にしているんですね。

ゲームで考えると、難しい言葉がいっぱいあると、それ自体が障害物になりすぎてしまうんです。そこで、ゲームバランスを考えるのが大事です。

感情が揺れ動くタイミングをたくさん入れる

無理に話を盛らなくても感情の機微を丁寧に描けばいいんです。例えば、漫画を見ていると、日常系の話も売れていますよね。ストーリーというと、大げさなイメージがありますが、ちょっとした感情の機微で十分なんです。ほうじ茶にしようかな、緑茶がいいかな、っとかそういう話だけでも良かったりするんです。自分の中に生まれた感情の機微を言語化するようにすると良いかもしれません。

卒業
就職
出世
仕事
人生

などの局面でストーリーを考えるワークショップとかも良いかもしれませんね。

お客様の声の隠れたポイント

買う前、申し込む前の気持ちを語ってもらいましょう。買ったあと、申し込んだあとの気持ちは共感しづらいんです。

かっこ悪いことも語る

実はここにこそ、感情の機微が入るんですね。舞台音楽をしているときに言われたのですが、「恥ずかしいと思っていることは誰も恥ずかしいと思っていないよ。申しわけないけど、それは全然興味ないし、むしろそこからどう思ったかの方が大事だし、そこを知りたい。もっと自分を出せ」ということだったんですね。すごいことも書きましょう、でも、隠したいことも書きましょう。こういうことも書けるくらい、自信があるんだな、と思うわけです。自分を見せる勇気を出しましょう。

そうすると、それがプロセスになり、ストーリーになります。

プロセスをストーリー化する

過程に光を当てて見える化するのが大事です。例えば、ワインのサイトでは、ワインの空き瓶の写真を紹介しています。それをしっかり飲んだぞ、というプロセスを見せているわけです。打ち合わせも全部録画しておくんです。ちゃんと考えて作っていることを証明しにいくんです。

ウェブ制作会社が成果が上がるホームページを作れるという証明したいなら、制作から納品・成果があがるまでを全部ライブ配信すればいい、と思ったりします。もちろん、隠さないといけない部分もあると思うんですが・・・。編集されていない生の情報にこそ、信頼性が宿ります。格好つけることができない、誤魔化すっことができないわけです。

うちのセミナーではあえて、編集一切なしの一発収録をしたりしています。編集しないことが証明になる時代なんです。

編集には、お客様にとって良いところを凝縮する良さはありますが、こういう考え方もあると知っておいてください。

ストーリーになれば伝えたいことがもっと伝わります。そのためにはプロセスを積極的に開示してストーリーに進化させていきましょう。

今日はありがとうございました。

松尾さんのことをもっと知りたい方のためのリンク


サポートされた費用は、また別のカンファレンス参加費などに当てようと思います。