11月10日
夢を見た。わたしは荒廃したコミューンのようなところに暮らしていて、そこには家族や友達がいて、そして四頭の犬がいた。犬は小さくもなくだけど大きくもなく、中くらいの大きさで、うち二頭はよく吠える凶暴な悪い犬、うち二頭は大人しく心優しい良い犬だった。悪い二頭のうち一頭が良い二頭のうちの一頭をいじめるので、わたしは悪い一頭を追い払い、良い一頭を守った。良い二頭のうち一頭はやがて年老いた犬になり、もう一頭は生まれたての子猫になった。年老いた犬が子猫に乳をやって世話をして、わたしはその様子を見ながら種を超えた愛情のやり取りに感動していた。
一昨日はアクロバティックな夢だった。わたしは何者かに追われていて、逃げていた。ときにはカツラやメガネで変装をし、ときには武術でもって闘ったりしながら逃げた。どこかヨーロッパのような古い石造りの街並みを駆け抜け、水路を下る小さな船に乗り込んだ。誰になぜ追われていたのかはわからないまま目が覚めた。アンジーのスパイ映画を思い出したけれど、タイトルが思い出せない。
最近自転車をもらったので生活が快適になった。数日前、午前中時間があってぼんやりしていると無性にパンが食べたくなり、だけどわたしの住む街にはパン屋がなく、調べてみると自転車でならすぐの距離に良さそうなパン屋が一軒あり、天気も良いしたまにはそんなのもいいだろうと思い立ち自転車を15分ほど漕いで隣駅にあるその店まで出掛けた。ガラス張りの小さな店内をぐるぐると三周しながら熟考した末、イチジクのパンと、チョコとシナモンとオレンジピールのパンと、それからモンブランのパンを買って帰ってきた。パンは期待よりも遥かにおいしくてちょっとびっくりした。コーヒーを淹れて日当たりの良い窓辺に座ってゆっくり味わって食べた。
今日も自転車で出掛けた。これまでだったら電車に乗っていた場所だったけれど、川沿いをずーっと30分くらい行くと着いた。とてもとても気持ちが良かった。途中川沿いのグラウンドで野球をしている人影がたくさん見え、てっきり中学生か高校生が練習しているのかと思えば、年配の男性たちで「○○還暦草野球大会」という横断幕がフェンスに掛けられていた。白髪に色の着いたメガネの男性がきれいなフォームでキャッチボールをしていてかっこ良かった。もう少し行くと大きな公園があり、お年寄りたちが釣り堀をするなどしていた。用事を済ませ帰りは17時過ぎだったけれどすっかり暗くなっていて、だけど土手の道には驚くほど街灯がなく、歩いているひとやランニングをしているひとたちにぶつかるのではないかと冷や冷やしながらゆっくり走った。いろんな歌を順番に歌った。
きのうはアチコさんと食事。美味しいものを食べて美味しいワインを飲んだ。わたしもアチコさんも10月生まれだからプレゼントを交換した。わたしは素敵な瓶に入ったオイルをもらった。髪にも肌にも使えるやつ。今朝早速使ったらうっとりするほどいい香りで、なんだか急に自分の女スイッチが入ったような気がして、もしかしたらまだいけるかも、という気になった。わたしはなんとなく植物をあげたいなという気持ちだったからときどき行く好きなお花屋さんに行って、サボテンを選んだ。丸っこい形の大きな株の周りに小さい株もいくつかひょこひょこ生えていて可愛くてなんかアチコさんぽいなぁと思って。デザートがとても美味しくて、アチコさんは柿とミント、わたしは栗と柚子のタルトを選んで、一口交換したりしながら食べた。斬新な組み合わせだったけれどどちらもとても美味しくてなるほどなぁと思いながら食べた。ミントの入ったお菓子をあまり好きだと感じたことがなかったのだけど(チョコミントは特に苦手)とてもとてもありだった。今度マフィンかケーキで試したい。話し足りないね、と言いながら別れ、わたしはいい気分で電車を降りて、駅前のスーパーでいつもならなにか甘いものを買うところだけどなぜか小さな観葉植物を3つ買って帰ってきた。そうして家に着くとほろ酔いのまままっすぐ机に向かい、デモのコーラスを録音したのだった。ピッチが狂うこともなくさらっと録り終え、そのことに少し感心してベッドに入った。
そんなきのうの合間を縫ってun/baredを更新。今回は今までとは違う試行錯誤があったけれど、ふたりのお陰でとてもいいものができた。
はるかさんが「アンサーソング」と言ってInstagramに文章を書いてくれて、わたしはそれを何回も読んだ。宝物だと思った。
はるかさんから「読んでくれた友達から、この文章を書いた方が、のびのび生きていけたらいいね。そういう気持ちがあるから、こんな素敵なサイトを作ったのだろうね。と言われたよ。」とメッセージが来た。
un/baredのことを思うとき、わたしはわたしが傷ついたと思っていたけれど、それよりも先にわたしが彼女を傷つけていたのではないかという考えが頭をよぎる。だけど本当のことはわからない。頭の中中をひっくり返して言葉を探すけれど、彼女に語りかけるべき言葉がいまだ見つからないでいるのだった。更新したよ、よかったら見てね、と本当は言いたい。
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