4月27日

さきおとといはサーカスに泊まり、おとといは加藤家に泊まった。おとといもきのうもサーカスはずっと賑やかで、セッションも始まったりして、わたしはそれをお店のひととして見ていて、ふたりに成が生まれてべべちゃんがお店に立てなかったころ、わたしはしばらくお店の手伝いをさせてもらっていて、ライブやパーティーの日にカトゥーさんとふたりでひたすらにお酒を作りぎゅうぎゅうの店内を文字通り走り回った日々のことを懐かしく思い出したりしていた。あぁサーカスだなぁと思う。きのうはカウンターのこっち側でお会計をするときに、べべちゃんの妹さんなの、と聞かれて、違うんです、と言ったあと、でもそんなようなものです、と答えた。わたしが加計呂麻にいたときべべちゃんが気にかけてちょくちょく連絡をくれて、のんちゃんのことは妹みたいに思ってるの、と言ってくれて、わたしのことをそんな風に思ってくれるひとがいるんだなーと思ってびっくりして嬉しかった。

きのうの朝は起きたらべべちゃんが朝ごはんを作ってくれていて、ごはんとお味噌汁と卵焼きとお魚と、一緒にいただいて、昼前に成が起きてきて、お昼になってカトゥさんも起きてきて、わたしはお風呂を借りて、べべちゃんは昼過ぎに先に店に行き、残りの3人は雲ひとつない空の下に出かけてしばらくあちこちで遊んだ。下北の緑道も公園も神社もどこもかしこもキラキラざわざわさらさらしておりとても穏やかで新鮮で、わたしはなにかに包まれているようで、そのすべてを不思議に思いながら眩しい世界とその中で遊ぶ成を見ていた。

夜は月がとても綺麗で、成と一緒に何度も見た。成は、まんまるだね、くもと、つき、くもと、つき、そして月が雲に隠れるたび、小さな声でばいばーい、と言うのだった。

夕方にアチコさんが電話をくれて、あまりゆっくり話せずだったけれど、CIRCUS FESの感想をもらった。とても嬉しくてほっとして胸がいっぱいになった。信頼しているひとたちの言葉で、自分ひとりでは形作れない物事が少しずつ形を成し、少しずつ輪郭が見えてくる。

おとといの朝に一度帰ってきているのに、家にいるのがすごく久しぶりに感じる。一日をぐーっと引き伸ばして3日分くらいずつを過ごしているような感じ。いまはベッドの中でこれを書いてる。30日まであと4日、水曜日は休みだから営業はあと3日。ふたりと一緒に駆け抜けて、みんなと一緒に見届ける。

30日が終わって、お店の工事もぜんぶ終わったら、わたしはやっとそこで少しなにかを思えるのかもしれないという気がしている。のだけど。どうかな。

CIRCUS FESの日が終わってからはほとんど泣いていない。

いちばん大事なことは自分と自分の大切なひとたちだけがちゃんとわかっていれば良くて、わざわざ大声でひけらかしたりわかってもらえないと言って嘆く必要は全くない。そういうことをきのうは帰り道にふと、やけに強く思ったのだった。

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