7月15日
朝から原稿に向かい合えば少し筆が進んだのでおお、と調子の良い気持ちでいたけれど出掛ける準備をしながら脈略もなくだんだんと気持ちがしぼんでいくのがわかった。そうしてちょうど家を出るころに雨が降り始めて、橋の真ん中でどしゃ降りになった。あちこちに傘を置いてきてしまったので小さな折りたたみ傘を短く短く握りながら歩いた。下半身は全滅、スニーカーの中は水溜りになっていた。ワンピースの裾を絞ったらずいぶん水が出そうだと考えながら電車に乗り込み、だけど数駅を過ぎるとあっという間に陽が差していた。いちばんひどいときに出てきてしまったらしい。最近はいつも雨の合間に移動できていてラッキーと思っていたから、たまには降られないとね、と思った。なんとなく小学生のころのことを思い出した。学校について上履きに履き替え、だけど帰りにはまたじとっと湿った靴を履いて帰らなくてはいけないあの感じ。
お店に着いていちばんに靴と靴下を脱ぎ、試着用のサボを借りて履きかえた。コンバースの真っ白いハイカットを永く愛用していたのだけど(All Whiteという名前だったと記憶していて、同じものを買おうと思い検索したけれど出てこなかった、廃盤になったのかしら)もうだいぶくたびれてきたからそろそろ買い替えなくちゃと思っていたところだった。泥水を吸い込んですっかり灰色になったそれは本当に見窄らしく見えて、あぁこれは本当に履き切ったな、と思った。ちょっと外に出たときに前を通った近くの靴屋さんの店頭にちょうど良さそうな白いレースアップシューズが売っていたので、コンバースはお店のゴミ箱に納め、帰りは新しい靴を履いて帰宅した。靴を買ったのはずいぶん久しぶりのような気がする。ちょっと嬉しい。
細々したやることがちょっとずつ出てきた。5月以降ずっとのんびりしていて、こんなにのんびりしていいのだろうかと思うほど人生で初めてこんなにのんびりしているのだけれど、それもそろそろ終わるのだろうか。どうかな。自分次第か。
オリンピックが迫っている。本当にタチの悪い冗談みたいだ。毎週木曜のSillentCallingも今週末にまたやるらしいProtest Raveもなかなか行けないのであるが、五輪反対のTwitterデモはせめて参加しよう。こんなに、誰の目にも明らかな過ちがこんなに正々堂々と行われようとしている。地獄。まじで地獄。
SOSのFacebookに台湾メディアの女性から連絡があり、雰囲気から察するに若そうだなと思うのだけど、用件の後に「ワクチンを本当にありがとう!」と書かれていて、なんとも言えない気持ちになった。台湾のひとの目にいまの日本はどう映っているんだろう。お礼は必要ない、でも皮肉なことに日本はいまワクチンが不足している、わたしたちのリーダーもあなたたちのリーダーのように優秀だったらよかったに、と返事をした。
池袋暴走死傷事故の9回目の裁判だったそう。禁固7年。その意味、その重さ軽さについて考える。
みんな、あっちでもこっちでも、世界中でそれぞれの闘いを闘っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?