7月14日

何日か前、もう過ぎ去ったもう忘れたもう全然大丈夫、と思っていたひとが夢に出てきて、うわぁという気持ちになって、そうしたら過去の失敗や後悔や恥の経験のあれこれが芋づる式に思い出されてひどく悶々とし憂鬱になって、耐えきれず友人に飲みに行こうと連絡をした。ちょうど緊急事態宣言に切り替わるタイミングだったので、街はどうだろうね、と返信が来て、そうだよねぇとしょんぼりしていたけど、きのうタイミングが合ったので夕方早めの時間に下北で待ち合わせ。火曜日の下北沢はいつも通り。駅のすぐ近くのスペース「空き地」ではなにがしかのイベントが行われていたらしく、若者たちが長い列をなしていた。

お店どこに行こうか、と言って、まぼねんとおむかいはきっとやっているだろうけど、これまでも政府からの要請をきちんと守って営業していたからきっとお酒は出してなさそうだよね、と話しつつひとまず覗いてみると、おとといから通常営業とのこと。もう今回ばかりはもう聞いてられない、と。どこも同じだ。久しぶりに生ビールを飲んだらその美味しさといったらなくて、ちょっと感動した。

わたしたちは冒頭こそ少し恋愛の話をしたものの、結局ほとんど音楽や仕事の話に時間を費やし、お酒をすいすい飲み、わたしはけっこう良い気分になって、そしてすっきりとだけど満ち足りた気分になって帰路についた。わたしが思っているだけでまだ口にさえ出していない秘密の願望をこっそり彼女に打ち明けたらとてもいいじゃん、早くやりなよ、と言ってくれた。口に出して、少しずつその気持ちに形と重さを与えて、そうして弾みをつける。そうしないとこの手のことはなかなか行動に移せない。音楽の制作の話。失敗や拒絶を怖がる気持ちはいまもずっと当たり前にある。でもまずはそれを超えないことにはなにもはじまらない。

待ち合わせの前、少し時間があったのでB&Bに行った。移転してからは初めて。ボーナストラックの名前はよく聞いていたけれどまだ行ったことがなく、場所さえよくわかっていなかったのでGoogleMapを見ながら。意外と駅から近くて、豪徳寺に住んでいたころはよく自転車で通っていた通り沿いだったので「あぁここか」という感じ。どういう背景で作られたのかを知らないけれど、カルチャーっぽくてのんびりしていて感じの良い場所だなと思った。のんびりいろんなお店を見て回るほどの時間はなかったので、ぐるっとひと回り歩いてみてB&Bへ(というか本当はB&Bをすぐには見つけられなかったというのもある)。この間ゴッチさんがツイッターで紹介しているのを見て気になっていた新井裕樹著『まとまらない言葉を生きる』と、去年読んだ『すべての白いものたちの』が素晴らしかったハン・ガン著『回復する人間』の二冊を購入した。本当はもっと何冊も買いたかったけれど、ゆっくり吟味する時間がなかったのでひとまず。『まとまらない言葉を生きる』を早速今朝読み始めたけれど、読みやすいけれどしっかり言葉が体の中に溜まっていく感じ(新井氏は「言葉は降り積もるものだ」と表現していた)。言葉について常々考えているくせに考えてみれば言葉についての本を読んだことはあんまりなかったなという気がする。じっくり大切に読みたい。久しぶりのB&Bは、本の並べ方が雑多でいいなぁと思った。友人が働いているので会えるかなと思っていたけどきのうはお休みなのかいなかった。またゆっくり行こう。

西村大臣の酒類規制にまつわる発言、ドタバタが続いている。要請に協力しない店に対して、取引先の金融機関や酒類提供業者に働きかけをします、その代わり協力金は先払いします、と言っていたけれど、批判を受けて働きかけは共に撤回された(当たり前だ、でもひとまず良かった。声を上げることはやっぱり無駄じゃない)。でもだけど西村氏は先払いすると言っていた協力金についてきのうの時点で「今後協力金の早期給付の仕組みを導入する」とツイッターに書き込んでおり、開いた口が塞がらなかった。しかもこれらの締め付け強化政策は、政府としての方針だったことも明るみになった。本当に空っぽなのだあのひとたちは。どうしようもない。

こんなつまらないことをいちいち日記に書くのも億劫だけれど。でも日々の記録だから。忘れないように書いておく。

そうしてきのうは早めにベッドに入ったけれど、深夜3時前に目が覚めて(お酒を飲んだ日はいつもあまり眠れない)それから明け方まで寝付けなかったので、本を読んだりTwitterをみたりしてやり過ごした。なんなく久しぶりにエゴサーチをして、ずーっとこの一年くらいのNozomi Nobodyに関する誰かのツイートや自分自身のツイートを読んだ。こんなことあったなぁ、よく生きたなぁ、と思った。そしてわたしの音楽その他についてときどき書いてくれているひとたちがいて、素直に嬉しくて励まされた。作品をそろそろ出さなくちゃな、と思った。改めて振り返ると自分自身のこの一年半をけっこう頑張ったな、できるようになったことが増えたな、と思ったりもしたし、意外と自己肯定感が上がった。よかった。

7月も半ば、もう夏だ。観に行きたい映画がいくつかある。Tangleも通常営業がはじまったから近々飲みに行きたい。やることをしっかりやらなくちゃ。

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