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手間をかける
今日は、とても心待ちにしていた日。
ポークビンダルーの日なのだ。(私が勝手に言っているだけ)
ポークビンダルーは、西インドのゴア地方で生まれたカレーのことで、ビンダルーというのはポルトガルのワインとニンニクを使った豚肉料理のこと。現在では、ワインビネガーとニンニクを使った豚肉のカレーとして定着しているようだ。
以前、「騙されたと思って、食べてごらん」と言われて食べたら、とてつもなく美味しかったので、自分でも作ってみたくなった。
せっかくならスパイスから、と思ってネット上のレシピをいくつか探してみたものの、スパイスの世界は奥深く、どのスパイスがベースとなっているのかさっぱりわからなかった。
なので、昔からよく観ている、インド人とアメリカ人とフクロウの男と同居していたYouTuberのお兄さんの動画を参考に、近所のスーパーで手に入る食材でできるレシピを組み立てた。
スパイスは意外と手に入ったけれど、ワインビネガーがなかったので、リンゴ酢に。
すりおろしたニンニク、生姜と、クミン、コリアンダー、チリペッパーなどのパウダースパイス、リンゴ酢をサイコロ状に切った豚肉と和えて、冷蔵庫で寝かせる。
クミン、クローブ、カルダモンなどのホールスパイスをテンパリングして、スライスした玉ねぎと炒める。飴色になるまで。
飴色玉ねぎなんて数年ぶりにしたけれど、こんなに大変だったかな。体感だけど、45分くらい炒めっぱなしだった。岩盤浴にいるのではないかというほど全身の毛穴が開いて、飴色になる頃には首筋に汗が滴っていた。
汗を拭いつつ、トマト缶を玉ねぎと炒める。水分がなくなるまで。15分ほどかかった。やれやれ。
水分がなくなったら、漬けておいた豚肉と合わせて、トマトジュースを入れて煮込む。
15分煮込んだあと、火を止めて休ませている間にシャワーを浴びた。調理を始めてから2時間ほど経過していた。
浴室を出てから、30分ほどコトコト煮込む。煮込めば煮込むほど美味しくなるらしい。
たまに味見して、見た目や匂いが美味しそうになったら、ライスにかけて、仕上げ用のスパイスを塗して、完成。
酸っぱくて辛くて、悶絶するほど美味しかった。
あれこれ考えて手間をかけて料理をすると、色んなことを忘れられるし、こういうことをたまにしてあげないと、バランスが崩れて破綻する。
そういうことも、生きるために必要なのだ。私には。
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