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こうの のぞみ
2021年8月3日 15:11
「三十五歳までに、何事もなせないなら、どうぞ死なせてください」私は十五の時に、そう神社に願掛けしたことがある。役に立つ人間でも、名を残せる人間でもなく、漫然と生きているのは、命の無駄遣いだと、あの頃思っていたように思う。人は、大抵大きな名声とは無縁で、小さな干渉と影響をしあう中で、磨かれ、成長していく。だが、幼かった私も、それを知らなかったわけではないし、若さゆえの傲慢さからのこと