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一般参賀と東京と。その2

5月3日

友人宅で一晩お世話になり、旅の2日目。

朝9時ごろに目が覚め、友人と中山駅の近くで朝食を食べ、お礼を言って再会の約束をし、E233系とN700Aを乗り継ぎ東京駅へ。

連休中だからなのか人混みはなく、田舎者の私でもスムーズに駅中を歩く事ができ、快適な駅中散歩を楽しむ事ができました。

1時間ほどの散歩を終え、明日の下見のため丸の内出口へと向かいます。

辰野金吾の物語「東京、はじまる」にこの辺りのことも書いてあったな、などと思いながら行幸通りをゆっくり歩き内堀通りへと近づきます。

内堀通りへ出ると皇居周辺のあちこちで、各道府県から応援に駆けつけた警察官が警視庁の警察官、機動隊員と共に明日の警備の準備をするために忙しそうに動いており、皇居周辺は独特の緊張感が漂っています。

「明日の一般参賀の人出は10万人以上と予想されます」

とメディアがアナウンスしていたのを思い出し

「そりゃ警備も厳重になるわな」

などど思いながら今夜の宿がある秋葉原へ。

「散歩日和、歩いて行こうかな?」‥

‥スーツケースをコインロッカーに預けてあるのを思い出し散歩は断念。

スーツケースをピックアップし山手線内回りで秋葉原へ。

改札を出て昭和通りを南下し、靖国通りを東へ進むこと10分ほどで今夜の宿「東横イン神田秋葉原」に到着。

チェックインを済ませ、決して広いとはいえないシングルルームで荷を解き、明日来ていく服をハンガーにかけて熱いお茶で一休みです。

晩ご飯にはまだ早いのでiPhoneと財布だけ持ち、身軽な格好で秋葉原駅の方へ行ってみることに。

オタクの街のイメージを抱いたまま行ってみると(それらしい人も居るけど)、思ったよりシャープな印象の街で

「実際見てみないと分からないもんだな」

と当たり前のことを思いながら、これといった目的も無く1時間ほどブラつくとチョット早い晩ご飯にいい時間。

宿の近くにあった海鮮居酒屋に入り、カウンターに通してもらい熱燗と刺身の盛り合わせを注文。

さほど待つことなく、大徳利と5〜6種の刺身が載った鉢が私の前に置かれました。

板前さんとの世間話を楽しみつつ、刺身とお酒を堪能していると若い女性が1席離れたカウンターに座り、マグロ3種盛りと冷酒を注文。
‥程なく女性のオーダーしたものがカウンターに並びます。

‥若い娘が随分と渋いの注文するなぁ‥

なんて思いながら2本目の徳利を注文していると、その女性がバックの中からiPadとApple Pencilを取り出し、絵らしきものを描き始めました。

渋い注文をするその女性に興味が湧き、たまらず

「何かのクリエイターさんですか?」

と尋ねると

「漫画家をやってます。ネット配信中心ですけどね」

と秋葉原っぽい回答が。

サラサラと書いた絵を見せてもらうと、独特の線画で目の前にあるマグロの刺身と冷酒をスケッチしたもので、板前さんと私は

「へー、うまいもんだなぁ」

「なんかプロって感じ」

などと目を見合わせていると、その女性

「板前さんの顔、描いていいですか?」

と板前さんの姿に興味がある様子。

チョット照れながら

「いいですよ」

と板前さん。

漫画家さん、2〜3度板前さんの顔を見ただけでサラサラと5分ほどで描きあげてしまいました。

単純な線画だけど、特徴をちゃんと押さえた似顔絵が出来上がってました。

店内が忙しくなってきたので、板前さんは厨房の奥へ消えていき、私と漫画家さんの2人は他愛もない話を肴に杯を重ねることに。

3本目の徳利が空になったところで良い感じに酔っ払ったので、明日の朝が早いこともあり私は会計を済ませ居酒屋を後にしました。

「なんか東京にきてるなぁ」

なんて感じながら宿に戻り、早朝の山手線に乗るべく目覚ましを4時にセットしこの日は終わりました。




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