マガジンのカバー画像

のざわの小説

22
本
のざわが投稿した娯楽系小説（主に短編）、そして振り返り記事をまとめました。逆噴射小説大賞などに参加しております。遅筆のため稀にしか投稿しておりません。
運営しているクリエイター
のざわあらし

#小説

「迦陵頻伽の仔と墓標」

　黒羽を翻す禿鷲が、曇天を切り裂いて大地に舞い降りた。その光景に相対する時、高原を征く旅…

のざわあらし
のざわあらし
11日前
22

「近視の戦士は夢想する」

「こちら、最新式の魔力増強仕様となっております。色も大きさも豊富に取り揃えておりますので…

のざわあらし
のざわあらし
1か月前
28

「迦陵頻伽の仔の憧憬」

　闇に包まれた石窟の奥で二柱の燭台に炎が灯されると、上品下生印を結んだ阿弥陀如来の立像が…

のざわあらし
のざわあらし
3か月前
30

「白い弾丸、頬を染めて」　#シロクマ文芸部（雪化粧）

　雪化粧に染まった山薗市民球場に、無数の歪な白球が飛び交う。 　前日の降雪が嘘のように晴…

のざわあらし
のざわあらし
4か月前
40

2023年に投稿した創作系記事を振り返る

◯ はじめに　「逆噴射小説大賞2023」の振り返り等 　12月21日、「逆噴射小説大賞2023」の…

のざわあらし
のざわあらし
5か月前
39

「迦陵頻伽の仔は西へ【完全版】」 #パルプアドベントカレンダー2023

　入唐後の二年半で良嗣が集めた衆目は数知れない。外套で覆われた七尺半の巨躯もさる事ながら…

のざわあらし
のざわあらし
5か月前
55

「迦陵頻伽（かりょうびんが）の仔は西へ」

　身の丈七尺の大柄。左肩の上には塵避けの外套を纏った少女。入唐後の二年半で良嗣が集めた衆目は数知れず、今も四人の男の視線を浴びている。 　左肩でオトが呟いた。 「別に辞めなくたって」 　二人は商隊と共に砂漠を征き、西域を目指していた。昨晩オトの寝具を捲った商人に、良嗣が鉄拳を振るうまでは。 「奴らは信用できん」 「割符はどうすんの」 　陽関の関所を通る術が無ければ、敦煌からの──否、海をも越えた旅路が水泡に帰す。状況は深刻だった。 　口論が白熱する最中、遂に視線の主達は姿

のざわあらし

「青き憤怒　赤き慈悲」

　柔い背に刺棒を挿れる度、琉の華奢な身体は悶え、施術台を微かに揺らす。 　額の汗を拭い、…

のざわあらし
のざわあらし
7か月前
60

「さらば愛しの有也屋」 #AKBDC2023

「鰻重を」 　店主の挨拶すら待たずに注文をした俺は、過剰に気が急いている。 　差し出され…

のざわあらし
のざわあらし
9か月前
34

「おやすみ、ナナセ」 （下）

⑤　再会 　“日払い可　権利金・保証人不要” 　アパート……いや、簡易宿所と呼ぶべきだ…

のざわあらし
のざわあらし
10か月前
24

「おやすみ、ナナセ」 （上）

⓪　誕生 　燃ゆる星。滴る朝露。空風の嘶き。輝く砂粒。そして、無数の命。発生したばかり…

のざわあらし
のざわあらし
11か月前
34

「鳴砂山の彷徨人」

　きゅ。 　踏み締めた砂が鳴く。聞いているのは俺しかいない。灼熱の太陽から目を背け、足元…

のざわあらし
のざわあらし
1年前
36

「私たちは不器用なジャグラー」 【本編】

　5つの球が宙を駆け、セーラー服と長い黒髪が風を纏う。 　遊具も人気も無い、ベンチが一脚置…

のざわあらし
のざわあらし
1年前
17

小説を書きました 【逆噴射小説大賞2022 ライナーノーツ 後編】

　今回は「逆噴射小説大賞2022」二本目の投稿作品：「不殺生共同戦線」について語ります。このコンテストの詳細や一本目については以下の記事をご覧下さい。 　前回記事が相当な長文になり「自作について語りすぎるのもマズイかな…」とも感じたのですが、作品語りというよりも振り返り日記＝思考プロセスの記録として受け取って頂ければ幸いです。 ・二作目を執筆するにあたって 　一作目の投稿作品「DISARM」は、おかげさまで様々な方に好意的な感想を頂けた。とはいえ、前作と同じことを繰り返し

のざわあらし