三浦大知 新曲『Be Myself』で提示する"自分らしさ"とは?
三浦大知が前作から1年ぶりとなる新曲『Be Myself』をリリース! 楽曲に込められた"自分らしさ"を独自の目線でレビュー
日本が誇るダンスボーカリスト・三浦大知が、新曲『Be Myself』を8月22日(水)にリリース。前作の『U』から1年ぶりとなる今作は、リリース前から大きな話題を呼んでいます。
"2018 FNS うたの夏まつり"や"ミュージックステーション"などの音楽番組で披露される度にSNSを中心に高評価の声が飛び交い、YoutubeでMVが公開されると日本のリスナーだけでなく海外のリスナーからも多数のコメントや、リアクションビデオの動画をアップロードされるなどの国境を超えた反響を手にしました。
さらに同曲は"サントリー 南アルプス PEAKER(ピーカー) ビターエナジー"のCMテーマソングに決定。三浦大知本人が出演し、フリースタイルのダンスを披露していることもあってオンエアー直後から大反響を起こしました。
そんな話題を呼んでいる『Be Myself』について、さまざまな視点から楽曲が提示する"自分らしさ"を独自の目線でレビューします!
三浦大知の本質 "自分らしさ"を再提示した楽曲
まず、前作の『U』から1年も経っていることに驚いた方も多いのではないでしょうか。音楽番組でよく見かけますし、SNSでもメディアでも三浦大知の話題が途切れることがなかったので意外だと思ってもしょうがないと思います。
三浦大知は、テレビ出演・コラボ・配信リリース・ベストアルバムリリース・新プロジェクト始動といった激動の1年を駆け抜けてきました。そうそうたるネームバリューのテレビ番組やアーティストと作品を作ってきたので話題に事欠かなかったのもうなずけます。
さらに、3年前から構想を温めていたという新プロジェクト"球体"も、三浦大知の完全独演舞台かつ新しい表現を発信するということで注目を浴びました。
その中で、自身のシングルとしてリリースした『Be Myself』。
同曲はタイトルからイメージできるように"自分らしさ"がテーマになっています。
三浦大知は自身のことを「コツコツと積み上げてきたアーティスト」とメディアのインタビューで自己評価しており、自分らしさを常に貫いてきたアーティストです。前作から今作までの1年で、さまざまな三浦大知を発信してきましたが、シングルリリースのタイミングで再度自分の根底である"自分らしさ"を提示したいという思いがあったのではないでしょうか。
一度、情報をフラットにしてから次のステージに進む。そんな意味合いを感じる楽曲です。
Nao'ymtと三浦大知にしか作れないストーリー性
『Be Myself』の作詞作曲を含むプロデュースは、安室奈美恵の『Baby Don't Cry』やJ Soul Brothersの『J.S.B is Back』などを手がけたNao'ymtが担当しています。
彼は三浦大知と長年一緒に音楽を作ってきた仲間であり、上記で触れた新プロジェクト"球体"のために制作されたアルバム『球体』の全曲を制作するなど、三浦大知の良さを音楽で体現できるクリエイターなのですが、『Be Myself』は、その"球体"の世界観をうまく取り込んであるとリスナーの間で話題になっています。
その感覚を採用するのであれば、"球体"で見せた新しい三浦大知も"三浦大知の自分らしさ"なんですよというメッセージをシングルにも込めたという解釈もできるのではないでしょうか。
『球体』 特設サイト:https://avex.jp/daichi/sphere-special/
また、メロディーラインで世界観を作っている部分も注目してほしいです。
『Be Myself』は、Aメロからサビにかけて狭い場所から開けた新しい世界に飛び出していくイメージになっている楽曲なのですが、Aメロ部分の"荒廃した世界で歩くのもやっと"というような世界観を、3連符のような3つの音符のまとまりで揺れるテンポ感のメロディにすることで、重たい足であてもなく歩いている雰囲気を出しています。
独特のリズムが耳に残るというのが初見のイメージですが、歌詞やサウンドだけでなく、実はメロディでもしっかりテーマを作っているのです。
Bメロから盛り上がり、サビでは解放をイメージさせる壮大な世界観、大サビでは三浦大知自身が自我を解放するよフェイクを熱唱、まさにアーティストとクリエイターの目指すものが完全なる形で再現された楽曲と言っていいでしょう。三浦大知とNao'ymtのコンビだからこそ生まれたセンスフルな楽曲です。
さらに、"自分らしさ"を提示するというのは三浦大知自身のことだけではありません。この楽曲は現代の情報過多で自分を見失いがちになっている人たちへの応援ソングにもなっています。
自分を壊される、または壊さないといけない状況下に置かれやすい現代社会において、"目覚め・解放・前進"をキーワードに自分らしさを大切にしてほしいという願いが込められているのではないでしょうか。
自分を強く持ちたい時や、背中を押してもらいたい時に聴きたい楽曲です。
ダンスから見る三浦大知の"自分らしさ"とは
三浦大知を語る上で重要なのはダンスです。
『Be Myself』は、"解放していく自分"をテーマに全編ダンスで魅せる内容のMVになっていて、史上初となる大所帯でのダンスシーンを取り入れています。
その数なんと66名。普段は"DMダンサーズ"と呼ばれるSHOTA・PURI・Shingo Okamoto・s**t kingzを主軸にダンスシーンを撮っていますが、今作では「たくさんの素晴らしいダンサー達と一緒にダンスを魅せられる部分を作れたら」という三浦大知の想いもあって、本人を含む67名でのダンスパフォーマンスを披露しています。
筆者が三浦大知にインタビューした時に「ダンサーの出口を作ってあげたい。その一つに自分がなれるのならこんなに嬉しいことはない」と語ってくれたのですが、"DMダンサーズ"が、ダンスシーンにおいて一つの憧れとして認知されているブランドになった今、このような機会を作るのは本当にダンスシーンを考えてくれているアーティストだと実感させてくれます。
さらに、YouTubeの概要欄には66名全員のダンサーネームをクレジット表記。こういった細部にも気を使えるのが、三浦大知の優しさでありダンサーにリスペクトされる所以でしょう。
振付にも隠された"自分らしさ"
次は振付に注目しましょう。MVでは、歌詞の世界観である「目覚めに向かっていく自分らしさ」を表現するために、ダンサーの人数が徐々に減っていき、最後は三浦大知一人で踊る演出になっていることが最大のみどころです。
筆者はそこに加えて、1コーラス終了後の間奏部分の振付にも注目しています。
"Be Myself always be myself,Be Myself I don't lose myself"
の2×8の部分です。
この箇所は、三浦大知とダンサーが横ラインになり、体に角度をつけて胸をバウンドさせる振付なのですが、実はこの部分にも"自分らしさ"の要素が込められていると考えています。
このムーブ自体は胸のアイソレーションをベースにしたもので、アイソレーションはジャンル関係なくすべてのダンサーが身につける基礎中の基礎の動きです。
ダンスレッスンのウォーミングアップなどで必ずやる準備体操のようなものですが、こういうベーシックな動きこそダンサーの個性がよく現れます。得意としているダンスジャンルによってグルーヴも変わりますし、性別でも見え方が変わります。ボディーコントロールがどれだけできるのかという判断材料にもなりますし、アイソレーションだけで観客を沸かせることができるプロダンサーもいるくらい奥の深いベーシックムーブなのです。ダンサーの生き様が見えると言ってもいいでしょう。
この間奏部分は、やろうと思えばもっと複雑で難しい振付も作れたと思いますが、あえてダンサーの個性が出るベーシックなアイソレーションを取り入れることで、"自分らしさ"を表現したのではないでしょうか。
今作の振付は三浦大知とShingo Okamotoの合作になりますが、二人のコレオグラフセンスに感動を覚える箇所になっています。ぜひライブではこの部分のパフォーマンスにも注目して、三浦大知とダンサーの個性を感じてもらいたいです。
話題に尽きることなく、さまざまなアウトプットをしてきた三浦大知が1年ぶりにリリースする新曲『Be Myself』
歌詞、メロディ、サウンド、振付、MVのすべてから感じ取れる"自分らしさ"を読み取りながら、視聴してほしい楽曲です。
《Web & SNS》
三浦大知公式サイト:http://avex.jp/daichi/
三浦大知Twitter:https://twitter.com/daichimiurainfo
三浦大知公式YouTubeはこちら
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