三浦大知 新曲『Blizzard』をレビュー! ドラゴンボールと世界へ
三浦大知の新曲『Blizzard』を独自の視点でレビュー! ドラゴンボールと世界拡散について語りたい
日本が誇るダンスボーカリスト・三浦大知が、新曲『Blizzard』を2018年12月19日(水)にリリースした。
今年は初のベストアルバムリリースから始まり、自身初のプロジェクトとなる『球体』の公演と映像&アルバムリリース、66人のダンサーを起用した1年ぶりのシングル『Be Myself』のリリース。そして、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』主題歌に起用された今作と、常に話題が尽きない三浦大知。
MVが公開されてからわずか数日で100万再生を記録した『Blizzard』について、さまざまな視点でレビュー。
三浦大知と世界。『Blizzard』とドラゴンボールに焦点を当てて楽曲を紹介しよう。
『Blizzard』のここに注目して欲しいポイントとは?!
今作の歌詞は三浦大知本人と、前作『Be Myself』に続きプロデュースを手掛けるNao’ymtによる共作。意外にも三浦大知が、Nao’ymtの楽曲に歌詞をつけるのは今回が初だという。
MVは、映画の中でも闘いの舞台となっている氷の世界をCGで表現し、氷に閉じ込められながらも、それらに負けずに自己を表現していく姿を描いている。注目のダンスは、敢えて振付をせずに、歌詞や楽曲の世界観から出てくる即興のフリースタイルダンスを披露。
以上が、公式で発表されている今作の注目ポイントであるが、ここからは筆者が注目しているポイントを踏まえて語っていきたい。
まずは歌唱について。今作はさまざまな三浦大知のフロウが聴ける楽曲になっている。
Bメロ部分で韻を踏んだラップ調のようなフロウ、BメロラストとCメロでは語りかけるようなウィスパー調なフロウなど、三浦大知の歌唱の幅を一挙に披露するかのようなサービス感満載の1曲になっていて、彼の歌唱力を知るうえではとてもわかりやすい楽曲ではないだろうか。
次にダンスを見ていくと、今作はフリーダンスを採用しているのが特徴だ。
最近、三浦大知を知り始めた人は「フリーダンスで踊るなんてすごい!」と思うかもしれないが、彼にとって即興でフリーダンスを踊ることはさほど大きなチャレンジではない。過去にもMV中でフリーダンスを多数披露しているからだ。
今回、ダンス面で注目したいのは、三浦大知の"ダンスの表現力"と"歌いながらのフロアムーブ"の2点。
まずは"ダンスの表現力"であるが、MV中のダンスをよく見てみると、随所にジャズやコンテンポラリー的な振りが入っている。そこに楽曲の世界観を意識した表情が加わり、感情がこもったダンスになっているのだ。一番わかりやすいのは2番のAメロあたりだろうか。
ただ、キレキレのダンスを踊るだけならば練習すればできるが、こういう表現力を体の動きで見せるのは非常に難しい。ダンサーでもプロとして生き残っている人しかできないスキルなのだ。
もともとのダンスの表現力は高いが、さらに磨きのかかった踊りを今作で披露できたのは、彼が新しく始動したプロジェクト『球体』の独演による影響が強いのではないだろうか。ここでは『球体』について多くは語らないが、確実にこの経験が彼のダンスに新しい幅を広げたと言っていいだろう。
次は、"歌いながらのフロアムーブ"についてであるが、MV内の"2:44"の部分を見てもらいたい。三浦大知の実力であればできて当たり前の技ではあるが、すごいのは歌いながらこれをやるということである。
100歩譲って、歌いながらやるのはいいとして、それをやろうと思った発想がすごいと筆者は思う。体全身を使うので、歌がブレる可能性が非常に高いし、歌詞がないところで踊ればいいものを、敢えて歌いながら踊ることを選択した三浦大知のダンスボーカリストとしての強いこだわりを感じた。
さらに、テレビ初披露だった"FNS歌謡祭 第2夜"では、該当箇所がある2番は歌わなかったが、大サビの部分でフェイクをしながらフロアムーブを披露。おそらく三浦大知にとっても"歌いながらのフロアムーブ"は見せたかった部分なのだろう。ダンスや歌を習い事や職業的にやっている人は、あのシーンを見て驚いた方も多いのではないだろうか。
ぜひとも、こういう細かい部分にも注目して三浦大知の『Blizzard』に注目してもらいたい。
三浦大知流の世界進出とは?!
今作はご存知の通り、『ドラゴンボール超 ブロリー』の主題歌になっている。
ドラゴンボールといえば、日本が世界に誇る漫画・アニメ作品であり、国内だけでなく世界中にファンが多くいる日本のキラーコンテンツだ。
対する三浦大知のポジションはどうだろうか?
三浦大知は、ここ数年で日本が世界に誇るダンスボーカリストとして国内で認知されるようになったというのが世間の評価だろう。
いわゆる、三浦大知は日本の音楽シーンにとって、日本代表として世界に安心して送り出せるアーティストの一人であり、日本音楽シーンの"説得力"なのだ。
現在の日本の音楽チャートシーンは、必ずしもアーティストの実力が反映されたものではない。人気コンテンツ化やプロモーションの仕方など、いかに大衆性を制することができるかという側面が強い。その影響力を使ってタイアップに繋がるという流れが主流であるが、ドラゴンボールというすでに世界的に認知度が高い作品に限っては話が違ってくるのではないだろうか。
話題性抜群の日本産のコンテンツを世界に発信するうえで、求められるのはクオリティであり、それに見合うアーティストと楽曲の起用が一番重要なミッションだった。それをクリアできる人物として三浦大知に白羽の矢が当たったように思えるのだ。
例えるならば、普段友達と遊ぶ時は、気軽なファストファッションを身につけて出かけるが、かしこまった場所や豪華なパーティーなどでは、自分が持っている一番おしゃれなファッションを身に纏うのと同じようなことだ。
そう考えると今回の主題歌は、ドラゴンボールを世界に発信するうえで、日本のハイクオリティさをアピールするために選ばれたタイアップだと言っていいだろう。
現に、海外でも『Blizzard』の評価は高いようだ。
YouTubeで公開されたMVには、多数の海外ファンから高評価のコメントが寄せられ、同曲のカバー動画やリアクションビデオ動画が投稿されるなど、ドラゴンボールとともに主題歌も広く浸透している。
三浦大知はメディアのインタビューで、海外進出について以下のように話している
海外進出する際は、海外に合わせてプロデュースしていくやり方が一般的だと思われるが、三浦大知の場合はそれとは違ったやり方をしている。筆者が彼にインタビューした際にも言っていたが、彼は「コツコツ積み上げていくのが三浦大知」という考え方なので、もし彼が世界に見つかるのであれば、今回のような日本で生み出したものがネットやSNSを通じて拡散されるのが一番しっくりくるのかもしれない。
日本のトラディショナルを進化させて、海外に見つけてもらい認めてもらう。それが三浦大知流の世界進出なのではないだろうか。
それを裏付けるかのように、ドラゴンボール超の映画公開、『Blizzard』のリリースと続いて、12月23日(日)には「球体」独演をYouTube Premieres(プレミア公開)で世界同時フル上映を行うことが決定している。
三浦大知が、生涯やっていきたいプロジェクトと意気込み、数年前から構想を温めてきた渾身のパフォーマンスだけに、この世界同時フル上映がどのようなリアクションを起こすのか楽しみだ。
「Blizzard」とドランゴンボールのつながりがおもしろい!
最後に、筆者が実際に『ドラゴンボール超 ブロリー』をみにいった時の話をしよう。
筆者は、少年時代にリアルタイムでドラゴンボールをアニメやジャンプでみていた世代だ。映画版のドラゴンボールも一通りみているが、今回の『ドラゴンボール超 ブロリー』は、ナンバー1と言っていいほどの出来だと思っている。
最大の特徴は、キャラクターがなぜ戦うか? というストーリーが深く掘り下げられていることだろう。
非常にわかりやすくて、感情移入しやすい作品になっているのだ。
三浦大知自身もニュース記事のコメントで
と、コメントしていたが、まさにその通りだと思う。
絶賛公開中なので内容には触れないが、ストーリーが終わってエンディングで『Blizzard』が流れたら、歌詞やサウンドを意識して聴きながらストーリーを振り返って欲しい。随所で歌詞とストーリーがリンクしていたり、サウンドの流れがストーリーの展開と似ている部分があったりと、音楽の面白さを感じることができる。
そして、『Blizzard』を聴き込んでいる人なら、劇中で使用されている挿入歌の中にニヤッとしてしまうような発見があると思うので、『ドラゴンボール超 ブロリー』と『Blizzard』のつながりを追求してみてはいかがだろうか。
今作のCDには『Blizzard』のオリジナル音源、Nao’ymtによるリミックス音源、現在開催中の"DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018 ONE END"より『Blizzard』のLive音源、三浦大知本人が歌うEnglish Ver.が収録され、さまざまな角度から楽しめる内容になっている。
なんとも豪華で楽しいタイアップソングだろうか!
三浦大知が世界に発信される大きなキッカケになる『Blizzard』
映画も楽曲も両方楽しんでもらいたい楽曲だ。
《Web & SNS》
三浦大知公式サイト:http://avex.jp/daichi/
三浦大知Twitter:https://twitter.com/daichimiurainfo
三浦大知公式YouTubeはこちら
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