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【プロレス観戦】 WRESTLE-1 大田区総合体育館大会(2020年3月15日)レポート

WRESTLE-1 活動休止前のラストビッグマッチ! 窮地に立たされた団体が見せた意地


今回は、2020年4月1日に活動休止するプロレス団体"WRESTLE-1"の大田区総合体育館大会に行ってきました。
活動休止前最後のビッグマッチ"「WRESTLE WARS 2020」3.15東京・大田区総合体育館大会"の模様を第1試合からメインまでレポートします!

団体の至宝であるWRESTLE-1チャンピオンシップを、NOAHの中嶋勝彦に奪われたままのWRESTLE-1。
同団体の社長であり、中嶋勝彦から対戦相手に指名を受けたカズ・ハヤシが至宝奪還を目指す。はたして結果はどうなったのでしょうか?

試合の詳細(誰が何をしたなど)は公式サイトのレポートをご覧ください。
http://www.w-1.co.jp/Result/detail?id=1836

※TOP画像引用:WRESTLE-1 公式Twitter
※同団体はSNSでのみ20秒の動画撮影と公開が許可されています


第1試合 ●藤村加偉 vs ○仁木琢郎

(7分44秒 逆エビ固め)

WRESTLE-1の新人同士のシングルマッチ。
藤村加偉の方が先輩にあたりますが、前回の京都大会は仁木琢郎が勝利するというちょっとした下克上状態になっている両者の対決でした。

試合展開は、京都の試合とほぼ一緒でしたね。実際に見た感想を書きますと、技の重さは仁木選手の方が上でした。エルボーの撃ち合いも仁木選手の方が力強い音が出ていて、それがそのまま両者のダメージ差に現れていた印象です。

手数と技の威力の差で仁木選手が連勝を勝ち取りました。

藤村選手も先輩として負けた借りは返したいという気持ちが出ていて、お互いの意地がぶつかり合った試合でしたね。


第2試合 ○アンディー・ウー&エル・イホ・デル・パンテーラ&アレハンドロ vs タナカ岩石&●本田竜輝&&SUSHI

(10分53秒 飛鴻→片エビ固め)

WRESTLE-1のマスクマントリオと同団体の若手&SUSHIの対決でした。
試合を賑やかにするという点ではSUSHIとアレハンドロの独壇場だったのではないでしょうか。2試合目という位置を考えればナイス働きだったと思います。
岩石選手と本田選手は真っ向から戦いを挑んでましたが、アンディ選手とパンテーラ選手に返り討ちにあっていた印象が強いです。この二人はヘビー級路線にいると思いますが、クルーザー級のアンディ&パンテーラに力負けしていたのが、今の実力だと言わざるえないのでしょうか。

ただ、WRESLE-1をあまりよく知らないプロレスファンから見たら、なかなかいい選手だという印象を与えていたと思います。この二人がガンガン上に上がっていく姿を見てみたかったですね。

最後は、マスクマンズが多彩な連携を決め分断。アンディ選手が本田選手を仕留めて危なげない勝利を飾りました。


第3試合 ○頓所隼&ペガソ・イルミナル&田中将斗 vs CIMA&T-Hawk&●鬼塚一聖

(10分29秒 トンペガドライバー→片エビ固め)

最近、WRESTLE-1が推しているタッグ"トンペガ"にベテランの田中将斗を加えて、#STRONGHERTSを迎え撃った一戦。
試合を通じて印象に残ったのは、田中選手とCIMA選手の存在感ですね。雰囲気、うまさ、強さ、どれをとっても隠しきれないオーラというものを感じました。
この6人の中では、鬼塚選手が一番キャリアが浅く、新人枠なのですが、死に物狂いで田中選手に立ち向かっていた姿が印象的でしたね。CIMA選手とT-Hawk選手も厳しいゲキを飛ばしながら鬼塚選手の成長を見守っている感があって、#STRONGHERTSの絆を感じさせるシーンもありました。

T-Hawk選手は、普段なら重たい技の数々で相手を攻めている印象ですが、この日はトンペガタッグの攻撃を受けに受け切っていたと思います。そして、ラストはトンペガが連携技で鬼塚選手から3カウントを取り決着。

トンペガタッグは、タッグリーグで結果を残せなかったりであまり人気は伸びてないイメージでしたが、会場人気も出始めていたのではないでしょうか?


第4試合 近藤修司&○征矢学&立花誠吾&エル・リンダマン vs ●伊藤貴則&一&MAZADA&歳三

(14分12秒 ワイルドボンバー→片エビ固め)

強引にこの日を迎えた感がある対決。
征矢選手と伊藤選手の遺恨マッチが根底にある戦いなのですが、巻き込まれていった選手たちの個性や背景が強いので、どこかお祭り感が出てしまった感じがあります。

征矢選手率いる"WAR(仮)"は、SoyaTubeで絡んだりして、仲良しお笑い軍団(近藤選手は乗り気じゃないw)にまで発展しましたが、対する伊藤軍団は、MAZADA選手がイニシアティブを握っている感があり、リーダーは伊藤?感が出ていたので、ビッグマッチまでにチームが完全体にならなかったという感じでした。

試合に関しては、ベビー対ヒールという図式で進みましたが、皆驚いたのは一選手のイメージチェンジじゃないでしょうか?
白い肌に白いコスチュームでなよなよしていた一選手が、この日は黒いタイツに謎のボディペイント、不気味な人形の生首を持ちながら戦うという異質なファイトスタイルに変貌していました。

試合前半は一選手の変貌ぶりに全員が振り回されるという展開になっていたので、今後このギミックでいくのかは不明ですが、中々面白い存在になるのではないでしょうか?

ただ、WRESTLE-1は後2回しか興行がないので、WAR(仮)、伊藤軍、一、それぞれ中途半端に終わってしまいそうな感じがするので、ちょっともったいないかなと個人的に思いました。

試合は、伊藤選手が一選手の人形生首アタックを誤爆でくらい、立て続けにWAR(仮)メンバーの必殺技をくらい、征矢選手のワイルドボンバーをくらい3カウント。


第5試合 WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ ○吉岡世起 vs ●ヒート

(20分1秒 クラッシュドライバー→エビ固め)

クルーザーフェスを優勝してタイトル挑戦権を得たヒート選手と誰よりも同王座に誇りを持つ王者・吉岡世起の対決。
吉岡選手とヒート選手自体はそこまで絡みはないですが、ヒートのマスクのし・・・。ヒートとゆかりのある田中稔とは色々と関わり合いがある吉岡選手。団体が続けば、この対決の勝利をエサに、田中稔を引きづり出すという展望をあったと思いますが、この日はWRESTLE-1の威厳をかけてヒート選手を迎え撃っていました。

試合序盤は、ヒート選手のペースで試合が進み、吉岡選手が攻められる度に会場からは吉岡コールが起こります。蹴りを得意とする吉岡選手の武器を破壊するかのようにヒート選手は執拗に足を攻め続け、膝十字や足四の字などの連続関節で約3分を超える足攻めで吉岡選手を追い詰めていました。

吉岡選手のセコンドには、鬼塚・リンダマン・T-Hawk・CIMA(後半で合流)の#STRONGHERTSの面々がいて、吉岡選手をサポートしていたのですが、ヒートがちょいちょい#STRONGHERTSを威嚇するように蹴散らしていたのも気になりました。いつか交わることがあっても面白い組み合わせだと思いますね。

試合は、ヒートの足攻めを耐え抜いた吉岡選手が、持てる必殺技をぶつけて勝利。田中稔がいた頃には使っていなかったクラッシュドライバーで3カウントを取りました。

対戦まで、SNSやインタビュー、記者会見でバチバチしていた両者でしたが、最後にはヒートから握手を求めていたので、両者納得のいく形で王座戦を終えられたのだと思います。

ただ、個人的には吉岡世起対田中稔の一戦は、どこかのリングで実現して欲しいと思いますね。


第6試合 ○武藤敬司&浜亮太&中之上靖文 vs ●河野真幸&崔領二&KAZMA SAKAMOTO

(12分3秒 シャイニングウィザード→体固め)

武藤敬司のWRESTLE-1ラストマッチ!!
だったはずなのですが、コロナウイルスの影響で武藤選手の海外案件がキャンセルになってしまい、4月1日の休止前ラスト興行に参戦できることになったので、ラストマッチではなく、武藤敬司の教え子対デスペラードのメモリアルマッチという形に。

すでに話題にも上がっていますが、武藤選手がコールされる時に会場からブーイングを浴びせられるというシーンがありました。これに関しては動画でその時の状況と考察をあげようと思うので、ここでは触れませんが、一つだけ言っておくと「一部ブロックから大きなブーイングが出ていただけであり、会場全体からはブーイングが出ていたわけではない」ということは事実として書いておきます。

試合内容に関しては、昨年9月の横浜文体と同じような内容でしたね。武藤敬司で始まり武藤敬司で終わる。そういう流れでしたが、これが見たかったというファン層もいたと思いますし、選手一人ひとりの存在感はやはり凄まじかったです。これはWRESTLE-1の若手ではまだ作れない空間ですし、試合順から見てもこの試合がメインストリームではないので、あくまでお祭り感を楽しむ試合だったと思います。

途中、リングアナの櫻田愛実さんが、武藤敬司に呼ばれてリングインして河野選手強烈な張り手を食らわせていたのは笑いました(笑)


第7試合 ●羆嵐 vs ○岡林裕二

(9分12秒 ゴーレムスプラッシュ→片エビ固め)
巨体同士によるパワーバトル。
やはりプロレスに関していえば、デカイというのはそれだけで武器なんだと思いました。
遠目から見ても伝わる迫力、技の豪快さ、壊れるんじゃないかと思うほど揺れるリング。誰が見ても、この試合すげーって思うようなシングルマッチでしたね。

寿司屋で大トロしか頼まない、しゃぶしゃぶ食べ放題で牛肉しか頼まない、冷やし中華はハムだけでいい!
そんなヘビーなストレートさを感じる攻防が繰り広げられていました。

アルゼンチンバックブリーカーで持ち上げたり、パワーボムを決めたり、重いだけじゃなくパワーもあるというのがこの試合の盛り上がりポイントだと思います。100キロオーバーが100キロオーバーを担いだり投げ飛ばしたりってのは、やはりインパクトが凄まじいです。

そして、この二人は大きな体格に反して動きもいいですし、決め技にトップロープからの飛び技もあるので、豪快さに加えて華やかな感じがあるのも印象に残りました。

最後は、大技の掛け合いを制した岡林選手が、トップロープからゴーレムスプラッシュを炸裂させて勝利。


第8試合 WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 芦野祥太郎&●児玉裕輔 vs ○稲葉大樹&土肥孝司

(18分30秒 極反り卍固め)

個人的に強引に決まった感が否めない試合。
そして、あまり結果に納得の行かない試合でした。
いや、試合自体はとても良かったのです。最後はお互いを称え合ってましたし、これがWRESTLE-1を支えてきた中堅世代の戦いだという気迫も伝わる気持ちの入ったタイトルマッチでした。

試合は、王者組がペースを握って進みますが、挑戦者組のパワーで王者組が分断され、その中で児玉選手が攻められ、挑戦者組のペースになるという展開でした。
最後は稲葉選手と児玉選手のマッチアップに。ボロボロの児玉選手が巨体の征矢選手から3カウントを取った時のようなフランケンシュタイナーを稲葉選手にかましますが3カウントにはつながらず。
この日、2回目の極反り卍固めをくらい、芦野選手のカットも一歩届かず、稲葉選手がギブアップ勝ちをおさめました。

試合後にお互いを褒め称えている4人を見たら、これで良かったのかなと思いますが、個人の気持ちとしては

・芦野選手が無冠のままWRESTLE-1休止を迎えるのは寂しい
・タッグリーグに出てたとはいえ、そこまでベルトに思入れなさそうな二人が勝ってしまった
・勝つならクルーザー級の児玉選手ではなく、芦野選手から取るべき(稲葉選手と土肥選手はヘビー級)

もっと語りたい部分はありますが、長くなってしまうので、機会があれば動画レポートでこの思いについては語りたいと思います。

んー、これで良かったんだろうか?
煮え切らないものを感じます。。。


第9試合 WRESTLE-1チャンピオンシップ ●中嶋勝彦 vs ○カズ・ハヤシ

(24分48秒 パワープラント→片エビ固め)
NOAHの中嶋勝彦選手が稲葉選手から王座を奪い、WRESTLE-1の強さの象徴である芦野選手を相手に初防衛をはたす。特に戦いたい相手(自分が得する相手)がいないという中嶋選手が指名したのは、かつて自身が若手だった頃に対戦したことのあるカズ・ハヤシ選手でした。

SNSで、自分のことを批判したという理由でカズ・ハヤシ選手を指名しましたが、実際は自身の利益と戦う意味づけを考えるとカズ・ハヤシ選手しか戦う相手がいなかったというのが真実だと思います。
というのが2月12日までの出来事でした。

ここから状況が一変します。
WRESTLE-1が4月1日に活動休止を発表。事実上、この日が最後のWRESTLE-1チャンピオンシップの試合となってしまったのです。中嶋選手にとって非常に難しい試合だったと思います。彼はただ外敵として現れたのではなく、元々WRESTLE-1のベルトにも選手にも興味がないという完全ヒールの立場。ベルトは巻いてこないし、投げ捨てるし、踏ん付けるし、王座に対するリスペクトは皆無で、WRESTLE-1ファンのヘイトを集めていました。

そんな自分がWRESTLE-1の最後のシングル王者でいいのか?
普通はそう思うし、貧乏くじを引いた(本当に興味がないなら)と思っても仕方ないと思います。いっそ手放した方が平和にすむと考えても誰も攻められないのではないでしょうか?

そんな状況で迎えたタイトルマッチ。

中嶋選手は、芦野選手との防衛戦同様、ベルトは巻かずに登場。ベルトをぞんざいに扱いカズ・ハヤシ選手とWRESTLE-1ファンの怒りを一気に引きあげていました。
試合内容もキャリア的に一番脂が乗っている中嶋勝彦が、ついこないだまで若手に前線を託していたカズ・ハヤシ選手をいたぶるシーンが多かったです。それでもカズ選手は、何度も立ち上がり、ここ最近使わなくなっていたリバースゴリースペシャルボムなど大技を食らわしていきます。

それでも、中嶋選手の方が優勢だったのですが、ここで会場から「WRESTLE-1」コールが発生します。

「WRESTLE-1のために勝ってくれ! 休止の前にベルトを団体に戻してくれ!」

そんなファンの思いがカズ・ハヤシ選手を奮起させるキッカケになり、トドメをタイミングを見計っていた中嶋選手に勝つことへの迷いを植え付ける要因にもなったのではないでしょうか?

最後は、カズ・ハヤシ選手が意地で中嶋選手を担ぎ上げ、久しく出していなかった大技のパワープラントで3カウント!
無事に、団体の至宝を取り戻しました。


休止前ラストになったWRESTLE-1のビッグマッチ!
ベルトはすべて団体選手の元に戻り、結果的にはハッピーエンドになった大会でした。

ここに書けなかった内容は、後日動画レポートとして「紹介します!!」のYouTubeチャンネルにアップ予定なので、そちらも良かったらご視聴ください^^

そして!
本大会の模様は、WRESTLE-1の公式YouTubeチャンネルで公開されています。
下記にURLを貼っておきますので、よかったら見てください。



【Web & SNS】
WRESTLE-1 公式サイト:http://www.w-1.co.jp/
WRESTLE-1 Twitter:https://twitter.com/W_1_official
WRESTLE-1 YouTube:https://www.youtube.com/user/Wrestle1official

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