呼吸リハのテキスト(PS8~PS9)

PS8~PS9

全体に言えることですが、頑張ってやるものではありません。楽に無理せずできることをやってください。頑張ると悪化することもあります。

0番から2番は楽な体勢を取るだけで自然に呼吸を深くするということを目的としています。

5分から10分程度、それ以上でも構いません。1時間に1回くらいと頻繁におこなうのもおすすめです。副交感神経優位になるので眠くなります。そのまま寝てしまうというのを回復のために1日何回もくりかえすのも良いです。副交感神経優位の時間を増やしていくのも回復に大切です。PS9の方は0番から2番を中心におこなうと良いでしょう。


0番 基本ポジション

0番   0:00~

あおむけになります。なるべく股関節と膝が90度ずつくらいになるように台か椅子の上に足を乗せます。足を上げるのがつらければもっと低い角度、あるいは膝たてでも構いません。横隔膜が動きやすくなり自然にお腹に空気が入りやすくなります。ことさらに呼吸を深くすることなく、ただこのままの姿勢でいます。それだけで呼吸が深くなるので副交感神経優位になります。あおむけがつらければ片側の肩甲骨の下にクッションなどを入れたりして調整します。呼吸は原則鼻から鼻でおこないます。


0番 腕の外転

脇を開いていき肩が直角くらいの姿勢でキープすると胸の横に空気が入りやすくなります。またバンザイの姿勢にすると胸の上の方に空気が入るのでそのままの姿勢でキープしたりします。無理せずきつくない方だけやってください。腕が床から浮くと疲れるので肘か腕の下にクッションを入れると良いです。

0番 首ストレッチ

手を下ろした状態で首のストレッチを軽くするのもおすすめです。
 (胸鎖乳突筋、斜角筋のストレッチ 呼吸を補助するときに使う筋肉)

0番 膝たて

足を上げるのがつらい場合は、膝を立ててから横に倒す姿勢で、わき腹が伸びるような感じにすると無理なくできてよいです。足が宙に浮くと疲れるので倒した側の膝をクッションで支えるのがおすすめ。こちらでやる場合は、3~5分ずつで左右を行います。

1番

1番 4:47~

横向きになりクッションを抱えます。少し丸まってクッションを抱えて背中の下の方(肺の下部)に空気を入れます。まずはそのままで背中への空気の出入りを感じてください。そのまま5~6分おこないます。気持ちよければもっと長くおこなってもよいです。背中を丸めるときつい場合は少しゆるめたり足を伸ばしてもOK。余裕があれば意識的に背中の下の方に空気を深く入れるように吸います。吐く時は自然に。鼻から鼻で呼吸します。

2番

2番 7:00~

1番から続けて上側の足を前方の床につきます。半うつ伏せの姿勢です。よこ腹や骨盤まわりに空気が入るのを感じます。呼吸は自然のままに空気の出入りを感じます。このまま2分から3分。次によこ腹や骨盤に空気が入るように息を吸っていきます。これも2分くらいおこないます。余裕があれば上側の腕を頭の上などに置き、脇と肋骨を開きます。その姿勢で肋骨のあたりに空気が入るのを感じたり、そこに空気を入れるように深めに吸っていきます。この動作はできる方だけ無理のない範囲でおこないます。


3番

3番(介助者がいる場合のみ)8:56~


PS89で、かつどなたかが補助をやってくれる場合だけおこないます。0番の姿勢で、患者さんは寝ているだけです。介助者が呼吸を補助します。横から肋骨の下の方を軽くつかんで、吐くときに足の方向へ引っ張り、吸うときにその手を緩めます。呼吸するときの肋骨の動きを補助してもらう感じです。補助する人がきつくない時間でおこないます。(5分程度が目安)


4番

4番 PS8-9用 11:32~

0番の姿勢、もしくは膝たてでもよい。腕のつらさをさけるため腕の下に枕かクッションを置きます。左右の手をそれぞれ胸とお腹の上に置きます。きつければ手を下ろしても構いません。ABCと3つのフェーズに分かれています。

A 胸においた手の感覚を感じます。手の動きを通じて胸への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次に胸に置いた手が上に持ち上がるように胸に空気を入れて吸います。これも同じ時間おこないます。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。首や肩に力が入らない程度でおこないます。

B 次にお腹においた手に意識をうつします。手の動きを通じてお腹への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次にお腹に置いた手が上に持ち上がるようにお腹に空気を入れて吸います。これも同じ時間おこないます。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。首や肩に力が入らない程度でおこないます。

C 次に胸とお腹においた両方の手に意識をうつします。手の動きを通じて胸とお腹への空気の出入りを感じます。感じられなくても構いません。その場合は手の感覚を感じます。1~2分程度。次に胸とお腹が一緒に膨らむように空気を入れて吸います。吐くときは自然に。鼻で呼吸します。これも同じ時間おこないます。首や肩に力が入らない程度でおこないます。


7番 スタートポジション


7番 前方へ腕を出したところ

7番 15:18~

横向きになり枕、クッションなどで楽な姿勢でおこないます。肘が脇についた状態から上側の手を吐く息とともに前方へと伸ばしていきます。なるべく遠くまで伸ばしますが力を入れてというよりも脱力して、ゆっくりと床を擦りながら腕の重さで動くイメージでおこないます。戻す際も床を擦りロープのように力の抜けた腕がゆっくりと戻るような感じです。前方に出た腕をその状態でキープしながらしばらく呼吸を続け肩甲骨が伸ばされるの感じるのも良い。ベッドなら腕を落としたり、 布団なら前方にすべらすなど楽なやり方でOK。5回から8回くらいが目安ですが回数にはこだわらない。ゆっくりと5分位かけて1回だけ行うでも良いです。腕を使う動作は無理をすると悪化するので決して無理しないこと。

PS8-9の呼吸リハ動画(コロナ後遺症、ワクチン長期副反応、ME/CFSに対する)

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