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まさかの心筋梗塞その3

手術は無事に終わった。右手首は固い透明のプラスチック製のバンドでがっちり固められている。「あまり動かさないように」と言われているし、何より痛い。左手には点滴のカテーテルが付いていて、こちらもあまり動かせない。鼻には酸素吸入のチューブが付いている。〇んこにはおしっこの管が挿れられていて、違和感と鈍い痛みがある。これは絶対安静の状態じゃないかな?とぼんやり考えていた。カミさんもベッドの脇に座っているが、自分の状態がおとなしく横になっているだけなので、手持無沙汰の様子。ちょっと落ち着いたのでお腹がすいたらしく、ちょっと食べ物を買ってくる、と1階の購買へ行ってしまった。看護師のTさんが様子を見に来てくれたので、ち〇この管がどうにも痛いです~(涙)、と訴えたところ、管を固定しているテープを貼り直してみましょうかという事になり、いてててっ!となりながらもさっきよりは少しマシな状態になった。Tさんが管から出てくる尿の状態を見ながら、出血が少しありますね~、挿れる時いたかったですか?と聞くので、死ぬほど痛かったです(涙)と訴えると、前立腺の所に引っかかったのかもしれませんね、このまま出血が続くようだと処置をしなければいけないかも・・・とまた不安感をあおるセリフをいただいたのであった。前立腺が、というところに引っかかり、もしかしてそこが傷つくと勃たなくなったりします?と聞きたかったが、やめた。すこし落ち着いたところで疲れがどっと出たようで、夕方まで熟睡してしまった。途中で、Tさんが右手首のバンドの中の空気を抜きに来た。17時になって執刀してくれたN先生が回診に来られて、検査の結果、心臓にダメージがあるので狭心症ではなく「急性心筋梗塞」です、と診断名を教えてくれた。入院期間は状態を見ながら1~2週間程度、今日と明日はベッドからは動かないように、と説明して行かれた。ベッドの寝心地が良かったのでカミさんに見てもらったら、フランスベッドだった。手元のリモコンで角度が変えられる代物で、動けるようになったら遊んでみよう、と思った。 

 18時に夕食。ちん〇の管のおかげでベッドに座るのが辛いので、ベッドの角度を付けてもらって上半身を少し起こしてカミさんに食べさせてもらう。朝も昼も食べてなかったので、食欲はあった。完食。塩分を極力控えたメニューは、味気なかった。夕食後も右手首の所の空気を抜きにTさんが来た。夕食を食べ終わって少ししたら頭が痛くなってきた。Tさんに頭痛を訴えると、血管拡張剤が点滴と一緒に投与されている副作用ではないか、ということで鎮痛剤をくれた。カミさんとぽつりぽつり話していたら面会時間終了の20時になり、カミさんは帰った。何もすることがなく、疲れもあったので、消灯時間の21時半には寝た。どんだけ寝れるんだ、と思ったが体がキツいのでこの日はひたすら寝る日になった。 22時になって、Tさんが右手首のバンドを外しに来た。動脈だから出血無いように慎重に外しますね~!と少々こちらも緊張する雰囲気だった。そ~っと外してくれたバンドの形に跡が残った右手首と右の手のひらには乾いた血がこびりついていた。多分これを付ける時は血だらけだったんだろう。 こわいこわい、と思いながら眠ってしまったのであった。

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