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まさかの心筋梗塞その7

入院生活5日目。
昨夜の第一回全日本放屁選手権大会は首位決戦の途中で時間切れとなり、双方痛み分け・同時優勝という結果となった(かは知らないが)。
左側の彼は思った事は全て口に出す!がモットーのようで、腹減った、のどが渇いた、早く朝にならんかな、とずっと一人で喋っていた。 はっきり言って、うるさい。 その向かい側のベッドの同時優勝のおじいは、看護師さんをいじらないと死んでしまうようで、来た看護師さん全員を足止めして何かを話す、トークスキルのものすごい方と判明した。自分の向かい側のベッドは空いていた。
昨日と比べると頭痛がかなり治まってきて、味の薄い朝食を美味しくいただいて、10時からリハビリ開始。療法士のKさんが来て、今日は廊下を歩いてみましょう、という事になり未踏の7階病棟西側へゆっくりと歩いて行った。これまでの人生歩いた中で最もスローな速度で一歩一歩踏みしめながら歩いた。自分の入院している東側は出入りが多く(入退院する頻度が高い)平均年齢もおそらく60歳以下。それに対して西側は年齢層が高い。終の棲家、といった重い雰囲気が漂っていた。人生の最後がこういう場所(病院)というのは勘弁して欲しいな、と思った。ついこの前死にそうになって助けてもらったのに。
リハビリ終盤にN先生が回診に来られて、心臓の動きは悪くないですよ、早ければ来週早々に退院できるかも、と嬉しい事を言ってくれる。
午前中、看護師さんが部屋を回って「今日の午後に避難訓練がありますが、皆さんは部屋にいて下さいね」と言う。なんだよ~久々の避難訓練、参加したかったじゃないですか。担架で運ばれる患者の役で、看護師さんに「がんばって」とか言われたら楽しかったのに。
昼食を食べ、14時から避難訓練という名の防火設備の点検作業が始まった。部屋の煙感知器の検査とか、廊下のLED照明の作動状況とか、入院患者が避難訓練に参加する事はなかった。なんだよ~もう少しちゃんとやったら良いんじゃないかなあと、ちょっと残念な気持ちだった。
15時になって看護師のKさんが点滴を外しに来た。何かあった時の為にルートは残しておくね、と左手の内側にはチューブが残されたが点滴の重たいワンセットは外れたので、心晴々。 トイレも自由に行って良いですよ、点滴の機械に付いていたバッテリーを気にせず動けますよ、ってこりゃ執行猶予付いたぞ、というくらい気が軽くなる出来事だった。
16時過ぎに薬剤師の先生が来て、酒は飲むの?毎日?量はどれくらい?とかなり突っ込んだ話になったが、心筋梗塞やっても酒飲んでも大丈夫だよ、ビールなら350ml1缶、それ以上飲みたければ日本酒なら1合まで、と具体的な例を提示してくれた。この後何度か病室に来てくれて退院後の指針としてわかりやすい話をしてくれたのは薬剤師の彼だった。
夕食後の18時半過ぎにカミさんが来て、ナースセンター横の休憩室で話す。今日の薬剤師の先生との話を踏まえて、退院後は晩酌のビールは現状500だったところを350に減らす、塩分摂取量を考えると休日のカップ麺は止める、とか今後の生活改善の話をした。できるかなあ~と、その場はぼんやり考えていた。
広々した個室から4人部屋の廊下側の狭いスペースはちょっと嫌だなあ、と思いつつ、今日も消灯時間は来るのであった。

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