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まさかの心筋梗塞その13

入院生活11日目。 10月31日。
スマホのバイブで目が覚めた。 何事かと思って画面を見たら「首里城火災」の文字。 ウソでしょ?と思ってテレビを点けたらトップ画面の映像が。 なんで??しか考えられず、ずっと画面を見ていた。 
倒れる1ヵ月前の9月、仕事で人生初の沖縄へ出張した。 観光に取れる時間が限られていたので、那覇から一番近い「首里城」へゆいレールに乗って行った。 見るもの全てが新鮮で、南国特有の暑さと湿度、そして風を感じながら2時間以上かけて汗をかきながらじっくりと見学した。 玉座のきらびやかさは今でも鮮明に思い出す事ができる。 沖縄の空に映えるあの朱色の城が燃えて無くなってしまうのは残念だ。 何年もかかると思うが、また再建して欲しいと強く願う。
午前中は検査などの予定が何もないので、ずっと本を読んで過ごす。 
昼食後、13時半からリハビリ開始。 ストレッチ・軽い筋トレの後、Kさんが、では試験をします、ひたすら同じペースで廊下を歩いてもらいます。と言ってカウントダウン開始。 6分間同じペースで廊下を往復する。 早くなく遅くなく、ずっと同じペースで歩くのは簡単なようで実は難しい。 汗をかくわけでもないウオーキングは楽しくはなかったが、同じピッチで歩幅を揃えれば良いんではないのか?と気が付いて、Kさんには気付かれないように自分で調整してみた。 これがペースを守るより難易度がさらに上がって、これに集中することで面白みが増した。 心臓の動きを見るのが目的だったらしいが、自分は勝手に他の楽しみを見つけたので、それはそれで正解だったかもしれない。 6分間歩行の後、エアロバイクも15分。 今日も汗をかいた。
病室へ戻ったら、昨日気を利かせてくれた看護師のMさんが、時間外だけどシャワー浴びます?と小声で聞いてくるので、一緒にどう?と瞬間的に思った事は1ミリも出さないように、それは嬉しいなあ~とありがたくシャワーを使わせていただいた。 入院してから初めてのシャワーだったので、サイコーに気持ちが良かった。 タオルとパジャマも新品に取り換えてくださいね~と、これまた嬉しい事を言ってくださる。 なんと素晴らしい看護師さんじゃありませんか。 惚れそう~♪ シャワーの後、とても気持ち良かった、ありがとう、と言うと、良かったですね~と笑顔を返してくれた。
まじで惚れそうっす。
シャワーの後で、Mさんが病室へ来て、胸の心電図の電極を外しますね~と、3個付いていた電極を外してくれた。 これで体に付いていた管がすべて外れた。 普通に生きていれば当たり前の状態に戻っただけなのに、普通ってありがたい事なんだなあ、と実感した。 なにも体に付いていない、フリーで動けることがこんなに気軽な事とは思ってもみなかった。
仕事帰りのカミさんが18時50分に来て、リハビリやシャワーの事などをあれこれ話して、20時15分に帰って行った。
テレビでは首里城の火災の事をずっと報道している。 心が痛む。

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