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CTB* 4 たて・よこ・ななめからみる

リコーダーをたてにみると、右手の小指で押さえる穴だけ中心からずれて配置されていることがわかります。これは、ポール・マッカートニーが逆にギターを抱えていたのと同じように、昔左利きの人が足部管を反対側に回して演奏していたからです。勿論、小指は関節が一つ足りませんから、他の指孔と同じように並べても指がとどきません。ルネッサンスリコーダーは、一本の材から作られることが多かったので、中心を避けた左右に指孔をあけ、使わない方の穴を蝋で埋めて処理していました。

リコーダーをよこにねかせて下からみると、足部管に唯一指で押さえない穴があります。しかし、この穴も、演奏に使います。座って演奏する時に腿に軽く斜めにあてると、何と最低音の半音下が出ます。アルトリコーダーだと、Faの下のMiが鳴ります。また、高音では2オクターブ上のSolの指遣いでこの孔を腿に当て、完全に閉めるとFa♯の音になります。その上のSol♯の指遣いで同じように閉めるとLaの音になり、これが最高音です!

リコーダーをななめからみることで発見するのは、楽器を構えるときの自然な姿勢です。両手で抱えるような姿勢で、腕の下部に重心を置き、軽い楽器ですが重みを感じて構えます。支点になるのは、右手の親指と吹き口の触れる下唇です。あとは、指遣いによって、バランスのとり方が変わってきます。

以上、3方向から見たリコーダーにまつわるお話でした。


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