(読書記録) スリッパの法則 プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方 (藤野英人 著)

この本は、複数の会社でファンドマネージャーを務めた後にレオス・キャピタルワークスを設立した藤野英人氏が投資すべき会社とそうでない会社の見分け方を多数の「法則」としてまとめた本です。これらの「法則」は著者の多くの投資経験に基づく経験則で、タイトルになっている「スリッパの法則」もその一つです。もともとは2004年に出版された本です。

さて、僕自身は個人投資家として株式投資はするものの、著者のように社長と直接面談して投資の判断をするような機会はありません。ではなぜこの本を読んでみようと思ったのかというと、単なる好奇心以外の理由としては、自分が働いている会社、あるいは仕事を通して訪問したことのある会社が、良い会社なのかそうでないのか、ということを目利きできるようになりたい、という理由がありました。実際、普通のサラリーマンがそういう観点で読んでも得るものがあると思いました。例えば、以下のような記述があります。

「トイレ掃除、机まわりの整頓、工場の清掃の徹底は、経営コンサルタントが厳しく指導するところですし、実際にこれらの清掃が行き届いているところとそうでないところは、生産性に大きな差があるようです。」

「会議室には備え付けの時計が置いてある場合がありますが、その時計が五分以上狂っている場合はその会社は問題のある会社が多いようです。」

後者の法則の理由として、社員が時計が狂っていることに気づかないか、気づいていても自分の問題としてとらえず直さないから、ということを指摘しています。

言われてみると、それほど突飛な指摘ではないと思いますが、経験を積んだファンドマネージャーの著者が言うので説得力があります。自分の働いている会社についても気を付けようという気になります。

なお、著者は、本の最後に以下のように述べています。

「これが十年、二十年と続く普遍的な「法則」だとは、私自身、まったく思っていません。大きな時代の変化のなかで、ここに書かれている「法則」が、どのくらい有効であり続けるかに、著者としても関心があります。」

この言葉から著者が投資家として継続的に学ぼうとしている姿勢が垣間見えて好感を持ちました。

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今回は随分と久しぶりの更新になってしまいました。仕事の方がいろいろ立て込んでしまって、それで頭がいっぱいになってしまったというのが主な理由です。本を読むこと自体は継続してましたが、それを簡潔にまとめてnoteを更新するというのがおっくうになってしまってました。ただ、やっぱり細々とではあっても継続しておきたいなと思って今回の更新に至りました。今後は、もうちょっと定期的に更新できるようにしないと思ってます。

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