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JCJCに最適なローラー配置
2022年の夏ごろから始まったルール無用JCJCタイムアタック、その名のとおり人間的ルールを守っていればどんなマシンでも可、JCJCを3周する(計測位置に戻ってくるまで)のタイムを競う競技です。
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これまでタミヤレギュ順守のマシンで戦ってきましたが、本格的にルール無用のマシンを制作することに。大きさのレギュレーションも無いので、参戦している方のマシンの大きさも様々、「いったい、どのくらいの大きさが最適なのか?」 わからないので検証してみることにしました。
大きさを検証するためのマシンを3DCADで設計します。ベースとなる車両は単3電池1本と両軸モーターを使用したシンプルな設計、前後方向の長さ(ローラーベース)が極端に短いテスト水準を可能とするため、できる限りショートホイールベース(58mm)としています。
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このベース車両にテスト用のアタッチメントを装着、ローラーベース(117mm~213mm)とローラー幅(105~114mm)を1mm毎に変更できるようにしました。
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光造形の3Dプリンターでシャーシを出力します。テスト中に壊れてしまうとデータの連続性に影響が出るため、レジンは高強度な「Resione K+」と、ゴムライクレジン「F69」を3:1の割合で調合して使用しました。
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出力したシャーシと電池、モーターなどを組立てたものがこちら、このセッティングがタミヤレギュの最大値、ローラーベース(全長)165mm、ローラー幅105mmになります。
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ということで制作したマシンでテストを開始、今回はコーナーとウェーブでの挙動を確認したかったので、レーンチェンジのないフラットなコースを1周するタイムで比較します。しかし、ラップタイムの差がとても小さいのでバラツキの影響が無視できない状況、テスト方法にとても気を使いました。
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まずはローラーベースをタミヤレギュ最大の165mmに固定してローラー幅を105mmから114mmまで変更したときについてテスト、意外な結果に。
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ローラー幅がレーン幅(114mm)に近くなるほどタイムが単調に悪化すると予想していたのですが、109mmをボトムとしてローラー幅が小さくなってもタイムが悪化する結果となりました。これはどういうことなのか、差が出ているであろうウェーブをスローモーション撮影してみました。
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ローラー幅の長い113mmは、コース幅が狭くなっているウェーブの入り口と出口でローラーが突っ張り、コースが変形し減速しているようです。109mmと105mmはローラーの突っ張りもなくスムーズ、でも105mmでタイムが悪化した原因は?
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109mmと105mmのタイヤの軌跡を比較すると走行ラインがクロスしていました。109mmは比較的まっすぐに走るライン、105mmは蛇行しているラインになります。つまり105mmは曲がり過ぎてタイヤの摩擦損失が大きいor駆動力がうまくコースに伝わっていない可能性が考えられます。これがローラー幅の短い105mmでタイムが悪化した原因か?
テスト結果からローラー幅は109mmが最適に見えるので、次はローラーベースを変更してみることに。こちらは大方の予想通り、ローラベースが短いほどタイムが良いという結果になりました。
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一般的にローラーベースが短いほどコーナーでタイヤとローラーの摩擦損失が小さくなるのでタイムが良いといわれています。ウェーブではどうなっているのかスローモーションで確認してみると
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ローラーベースの短い117mmはウェーブで早く向きが変わっているようです。つまりコースの壁と並行に近い態勢でローラーが接触するので摩擦損失が小さい、タイムが良くなったと言えそうです。
ローラーベースは短い117mmがよさそうなので、ローラーベース117mmでローラー幅を変更した場合についてもテスト、結果はローラーベース165mmと同様でローラー幅109mmが良さそうです。
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ということで今回のテスト結果から得られた、JCJCに最適なマシンの大きさがこちら、ローラー幅は109mm、ローラーベースは117mmが最適となるようです。
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次回、このマシンの大きさをベースにルール無用のスペシャルマシンを制作したいと思います!
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