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遥かなる一瞬
2次元のキャラクターを
実態のない幻だと言った人がいた。
一方、データの中で半永久的に
生き続ける彼らから見れば
僅か数十年しか生きられない
我々人間の方が幻に過ぎない、
と言う人もいた。
フィラメント焼失によるスパーク
週末の深夜の鼻くそみたいな眠気
無理矢理飲まされた酸っぱい牛乳
何もかも上手くいかない休憩時間
留学先の朝食の甘い甘いドーナツ
全てをわかった気でいた二十八歳
住宅ローンを払って眺める山と海
親を見て我が身の老いを顧みれば
白髪を染めるなんてもったいない
一つの銀河が生まれて消えるまで
あったのか
なかったのか
あったかもしれない
なかったかもしれない
あったと思いこんでいて、
なかったと言われても良い。
全て瞬く間にガスや塵になる。
その一瞬がほんの少し光っている
と思えばおつなものだ。
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