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スター・ウォーズの思い出。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観ました。(ネタバレなし)

わたしの地元には映画館がない。
観たい映画が公開しても、そのタイミングで上京できることなんてほとんどなくて、でもテレビCMは流れていて、何度も悔しい思いをしたのを覚えている。

映画館はおろかレンタルビデオ店もひとつしかなかったし、いつまでもタイタニックを最新作にしてるくらいのラインナップだったから、映画好きにはつらい環境だった。

子供のお小遣いでは何度も借りるわけにはいかないので、せっせとテレビのロードショーを3倍じゃなく標準で録画して、家族対策にちゃんと爪を折って、エピソード4・5・6をコレクションして何度も観返して楽しんでいた。
今でこそネット配信で気軽に観たい映画がどこでもいつでも観られるけれど、
観たくても観られなかったり、次の放送を心待ちにしたり、野球中継の延長に涙したり、苦労してやっと観た映画たちは、今でもちょっと特別な映画になっている。
スターウォーズ、リーサルウェポン、ダイハード、ジャッキー、セガール、インディーにE.T.。マーティにドク。アクションヒーローたちやSF世界。キラキラした映画ラインナップに、今思い返してもわくわくする。
(実家の引き出しの中でたぶんもうカビだらけになってるだろうけど…苦笑)

わたしが念願叶って、はじめてスター・ウォーズを映画館で観たのは、中学生の頃。
エピソード1ファントム・メナスだ。
たまたま公開のタイミングで上京していて、映画館に連れて行ってもらった。今はなき上野セントラルだったと思う。
ほぼ満員の映画館で、みんなでわくわくして、ハラハラして、最後は拍手が起こった。
耳までかーっと熱くなって、興奮が冷めなくて、買って帰ったパンフレットを隅まで読んだ。

高校から上京してきたので、エピソード2・3と映画館でスターウォーズ体験を堪能することができた。ファントム・メナスの3D版も、一昨年の『フォースの覚醒』も、昨年の『ローグ・ワン』も、嬉しいことに映画館で観ることができた。

実は『フォースの覚醒』は観に行くのにちょっと緊張していたのを覚えている。
エピソード1・2・3は旧三部作の前の話だから、観る前に''自分の好きなスターウォーズ''につながることが約束されていたから、好きな人の過去を知るように、楽しみに観ることが出来たし、それが深まれば深まるほど、エピソード4・5・6がもっと好きになれた。

『フォースの覚醒』は最新のエピソードだから、ちゃんと好きになれるかな。
もし好きになれなかったらどうしよう…。もしかしたら凝り固まった自分は今までのスターウォーズを崩したくなくて、受け入れられないかもしれない…。

と、すごく自分勝手な思いだけど。
スターウォーズはその物語だけじゃなくて、映画体験がそのまま大切な思い出になっていたから。こういうふうにちょっと不安を感じたファンの人、多いんじゃないかな。

でも、蓋を開けてみたら!
フィンにレイ。BB-8。ポー。カイロ・レン。
みんなちゃんと好きになれた。というか大好きになった。
公開日に観に行って、満員の映画館でみんなでわくわくして、ドキドキして、涙して。またひとつ素敵な映画体験ができた。

今作もポーグをはじめ、新しいキャラクターがたくさん登場するけれど、安心してください。ちゃんとちゃんと、好きになれますよ。

『最後のジェダイ』も幸運にも初日に観に来ることができた。
ほぼ満員。ねだってお父さんに連れてきてもらったと思われる男の子。お父さんも嬉しそう。カップル。今までのストーリーを彼女に熱く語る男子(とちょっと飽き気味の彼女)、気合い入ったコスプレの熱狂的なファンのひと。興奮して騒いでる学生たち。忙しそうに動き回る映画館のスタッフさん。隣の人はトルーパーの頭かはポップコーンをかじってて、反対のサラリーマンは座席に沈むなりネクタイを緩めていた。
ああ、映画を観に来たなぁと思わせてくれる。

今、映画館はどんどんなくなっている。
わたしの思い出のなかの映画館たち。上野セントラルも、丸の内ルーブルも、新宿ミラノ座も、シネクイントも、いまはもうない。

いつでもどこでも映画が観られる時代に、みんなで満員の映画館で一緒に映画を観る体験をさせてくれる。
作品自体も楽しみだけど、スターウォーズはその映画体験が、みんなの心を掴んではなさないんだと思う。
劇場上映に立ち会えたこと、その思い出を共有できることが素敵なんです。
(あ、将来子どもに初日に観たこと自慢しよう…。)

やっぱりスターウォーズは最高だ。
フォースと共にあれ。

#映画 #スターウォーズ #コラム #エッセイ #レビュー #コンテンツ会議

待てうかつに近づくなエッセイにされるぞ あ、ああ……あー!ありがとうございます!!