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可児正はおもしろい

芸歴10年以内のピン芸人で私が最も好きな可児正がR-1一回戦敗退してしまい、一晩立った今も正直ちょっと信じられないです。フォロワーの方々にお願いがあるのですが、便宜上省略はしますが今年私が「R-1」とツイートをしたら「可児正を一回戦で落とすような見る目がない賞レースことR-1グランプリ2022」の略称なので、そういう風に読んでください。好きな芸人が人質にとられているので見るし二回戦は多分行きますが……。

昨日可児さんが何度かやっていたツイキャスをすべて聞いて、R-1一回戦という磁場が狂っている場でウケなかったことでそんなにナーバスになる必要ないのになと思い(磁場が狂っていようがウケたいと思うところはかっこいいです)、その後結果を見て、さすがにおかしいでしょ見る目ないやつに審査員やらせんなR-1なんて賞レースのせいで本当におもしろい芸人が落胆しているの嫌すぎる……と憤っていたのですが、そもそも一回戦を見に行けていない私は怒ったり悔やんだりできる立場ではなく、でも、「可児正はおもしろい」ということだけは形にしておきたくてnoteを久々に開きました。応援でも布教でもなく書きたいから書きました。最後まで書いて読み返したんですが、私が本人だったらこんなん書かれたら普通に嫌です。キモスギちゃん。無視してください。賞レースあとにSNSで流行る「ネタの解説」ではなく、おもしろいです&好きですを長文で書いているだけのキモうるせえ文章となっております。

『まつり』

私が可児正の凄さに気がついたのは10卍というライブの10分ボレロなのですが、完全に好きになっちゃったのはこの「まつり」を見たときです。これは本当にどこをとっても完璧ですごい。めちゃくちゃおもしろい。2021年はこの「まつり」とガクヅケの「空手」、侍スライスの準々決勝のネタが好きなネタトップ3です。前半は本当にただ歌っているだけなのに舞台の絵面が最高で、後ろにある仕掛けが気になって期待でワクワクしながら見てしまうし、その期待を裏切らない、裏切らないという裏切りをみせる後半の展開。なぜりんごとぶどうとバナナなのかと思うと同時に、りんごとぶどうとバナナ以外は考えられない説得力。この動画が公開されたときに「歌唱力の無駄遣い」と評しているツイートを見て、いやこれ歌唱力がないと成立しないネタだから無駄遣いはしてないでしょどう見ても!と夜中にイラっとしてしまいました。個人的に「天才」という言葉は「尊い」や「エモい」などと同じでもう少しちゃんと自分の言葉で表現したほうがいいと思ってしまうのであまり好きではないのですが、可児正のネタはおもしろいとすごいが同時にゾワッとくるので、そういう得体のしれない興奮に対して反射的に「天才」と言ってしまう気持ちはとてもわかります。とくに「まつり」は天才ですね。

『ズンドコ節』

これも「まつり」と同じように、歌がうまくないと成立しないネタです。余談ですが私は可児さんの歌も好きで、深夜の多摩川弾き語り配信もかなりの確率で聞いています。Youtubeやインスタで可児正の歌も聞いてください。オリジナルもカバーもとても良いのに、いいねが少なすぎると思います。話をお笑いに戻します。可児正のネタは基本的に大きな1個のボケを最後まで貫くのですが、これなんかとくにわかりやすくそうですね。選んでくるワードセンスが絶妙。グルーヴがよくて笑ってしまうし、笑っていてとても気持ちがいいです。そう、可児正のネタで笑っているときって気持ちがいいんですよ。だからみんなドッカンドッカン笑うんだと思います。会場が広ければ広いほど笑いが大きく渦を巻き見応えがあるので、大きい舞台に立つ可児正はとくに見に行きたいんですよね……大阪グレイモヤ、か……

『Virtual Insanity』

このネタの、知っている要素の組み合わせがまったく見たことがないものになってしまう衝撃と、目の前で起きていること以上に何かあるのか何もないのかをわかりたくなる不思議な魅力、凄まじいです。100%このネタを理解したいと足りない頭で頑張って考えてしまう衝撃と魅力に溢れています。ああかなこうかなと考えている最中に更新されたラジオトークでご本人が「単純にこの組み合わせがおもしろいと思って」的なことをおっしゃっていて、それはそれで、本当にそうですね!と思いました。可児さんは私のような深読みオタクの餌食になってしまって可哀想。でも考えずにはいられない……

『まつり』

可児正のなにがすごいかを言語化する際に発想力と表現力というのはよく語られる部分なのですが、洞察力と舞台勘も十二分にあり、その場の雰囲気を読む能力が非常に優れています。ライブの平場やコーナーでは、たくさん発言するほうでも声が大きいほうでもないのに言葉を発するタイミングとワードが完璧で、ほぼ必ずウケている印象です。大喜利ライブでも場の流れに合わせるor変えるの判断が的確。この才はネタでも存分に発揮されていて、客層を読んだうえで置きに行かずにギリギリを攻めてくる。このネタだけではないのですが、これがとくにわかりやすくその洞察力と勘が冴えているなと思います。本来単独ライブでやるような自分のネタのパロディを「このライブの客層ならほぼ全員元ネタを見ている」と読み、普通のネタライブでやって爆笑をかっさらっている。すごいです。前述したようにR-1一回戦は磁場が狂ってるので、普段こういうことができる人のほうが苦手だろうな。

『寿限無』

これは実際に会場で見たんですが、舞台の大きさも相まってめちゃくちゃおもしろかったな〜!笑いながら、(なんでこんなことできるんだすごすぎる…)と思って脳が痺れました。春ヒコ土岡さんの「人間音MAD」という表現が端的かつ完璧な表現なのですが、人間音MADなんて普通は思いついてもできないんですよ。なんとか形にできたとしてもこんなにスマートにはできずにぐちゃっとしてしまい、表現したかったおもしろさの本質が見えづらくなると思う。可児正は本当に表現力があるのでアウトプットに無駄がなく、見やすくてわかりやすい。そういえば大事なことを書いてなかったんですが、可児正はまだ芸歴4年目です。すごすぎて怖い。こんなにギラギラ光っている才能を見出だせないR-1グランプリでじゃあ一体なにがバレるっていうんでしょうね〜?話を戻します。マクラ〜前半部分が、普通にこのまま落語をやりきる可能性あるな可児正だしと思わせる完成度なのも最高。後ろのほうで見ていたうえに動画もかなり引きなので、近くでも見てみたい。ところで可児さんって和服が超似合いますね。

『新宿無責任男』

これも実際に会場で見たんですが、会場で見ないとすごさやおもしろさの意味がわからないネタだと思うので見れてラッキーでした。解説を書きかけたんですが野暮なのでやめます。発想力と表現力。最後で泣くほど笑ってしまい、私の笑い声が動画にめっちゃ入っているのであんまり見返したくないです。

『なんでだろう』

これ、なんかすごい好きで、10秒以内に元気になりたいときに見ちゃう。説明は一切できないです。


動画になっていない好きなネタもたくさんあり、最近だとザクセスライブマンで見たネタが最ッ高でした。10月の第三演習場でやっていたネタも大好きで、あれのフリップverもあると聞いて見た〜〜〜いです。それと、ご本人はスベったと言っていたけど検品のネタも好きだったし、あとあと、柿鼠にもう一度会いたいです。見たいけど見れていないうえにもうやらなそうなネタが結構あるので、旧ネタライブをまじでやってほしい。全ライブ通うことができない軟弱者に御慈悲を……。新ネタライブももちろんやってほしいし絶対行きます。でも可児正の見たことないネタを一気に5本くらい見たら脳がキャパオーバーしてめちゃくちゃになってしまうかもしれない。ネタライブで可児正のネタを見た後、その後3組くらいの記憶がないことが結構あります。

「横浜ランドマーク女」が見た〜〜〜〜〜い!!!


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