テイルズオブファンタジア感想文

アニメとゲームの融合

伝説のRPGをプレイしたので感想文書く。20年も続いているテイルズシリーズだが、恥ずかしながら自分は一作もプレイしたことがなかった。これではゲームファンとしてマズイと思いテイルズシリーズの一作目であるファンタジアをプレイした。クリアして思ったことはやっぱり面白かった。テイルズシリーズが一部ネット上でドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーと並び日本三大RPGみたいな言われ方をしているのも頷けた。だからこそドラゴンクエストとファイナルファンタジーこの二つのタイトルと比較しながら書いていこうと思う。
今回も同じようにネタバレがあるので注意。攻略方法などは書かないで自分が思った感想を書く。


【ポイント】
・アニメらしくゲームらしく
・遊びやすさ親しみやすさ


アニメとゲームの融合

  テイルズオブシリーズを初めてプレイしたのだが、アニメとゲームの融合作品だなと感じられた。では、どんな部分がアニメで、どこがゲームなのか説明していく。どんな部分がアニメ的要素だったかと言うと、オープニングがある事且つ、主題歌が作品ごとに異なる事である。ドラゴンクエストは「序曲」ファイナルファンタジーは「プレリュード」このゲームを象徴する代表的なテーマ曲が存在する(ファイナルファンタジーはプレリュードが無いナンバリングもある)がテイルズシリーズはそうではない。アーティストを起用し各タイトルごとのテイルズ色を描いているのではないだろうか。
そしてもう一つ、主要なキャラクターには声優がついている事だ。ドラゴンクエストは外伝作品を除いて今年2019年に発売される「ドラゴンクエスト11過ぎ去り時を求めてS」でキャラクターに声がつく、ファイナルファンタジーは「ファイナルファンタジー10」で初めて声優を起用した。テイルズは初作品であるファンタジアで声優を起用していることからキャラクターに対してのキャラ付けを意識していたの様に思える。ファンタジアからこう言ったアニメに対する意識が見ることができる。
キャラ付けに対する意識と言えば作中でキャラクターたちの会話が楽しめるフェイスチャットシステムは欠かせない。フェイスチャットシステムはこれまた凄い発明でストーリーのナビゲーションだけでなく、この場でキャラクター達が何を考え、何を思っているかをプレイヤーに伝える事ができる。これによってキャラクター達に対してプレイヤーの想像の揺れ幅が減り、キャラクター達の性格を深く掘る事ができる。つまり、キャラクター一人ひとりの表面を見ることができるためクレスだったらクレス、ミントだったらミントと言ったようなキャラクターがプレイヤーの中で成り立つ。このフェイスチャットシステムは任意で見ることができるため、ゲームだけをしたい人にも優しい作りとなっている。例えば、物語はどうでもいいがゲームを遊びたいと言う人にはキャラクター達の会話が無駄な芝居になってしまう。ゲームを遊びたいのに強制的に無駄な芝居を見せられても醒めてしまう。アニメを楽しみたい人は見て、ゲームを進めたい人は見なくてよい。こういった配慮が素晴らしかった。
ファンタジアをプレイしてチャットの部分はやはりテイルズオブファンタジアと言う大きな物語の中の小さな芝居なのだなと感じた。これらの事がテイルズにおけるアニメ的な部分である。ではゲーム的な部分は何処かと言うと先ほど述べたようにチャットを選択できる事はゲーム的要素だと感じる。プレイヤー自身で選択できるのはアニメとの差である。ファンタジアは物語中に先に進めるための鍵が世界中に撒かれる(ニュアンス的な)瞬間がある。一番初めのその瞬間はモーリア坑道で起こる。モーリア坑道では先に進むために各地に暮らしている精霊「ウンディーネ」「ノーム」「イフリート」と契約を結ばなければならない。物語上では3体の精霊と契約をしなければ先に進めないのだが、どの精霊から会いに行くかはプレイヤー自身が決めることができる。物語という線路を引きプレイヤーにその上を走らせるだけでなく、ちゃんとハンドルをプレイヤーに握らせてくれて物語を進めるための選択ができる。つまりこれは一本道にならないための工夫と思える。
それはドラゴンクエスト2の紋章集めの様にプレイヤー自身が選び物語を動かしていく。こういったRPGゲームをちゃんと踏襲しているあたりがゲーム的要素なのではないか。
テイルズオブファンタジアはそういったアニメ的要素とゲーム的要素を両立させつつ上手く融合させている素晴らしい作品であった。

初作品だからこそ

 テイルズオブファンタジアはゲームユーザーに凄く親しみやすく作られている。ファンタジアをプレイしながらyoutubeでテイルズオブディスティニーのプレイ動画を見ていたのだが、ディスティニーをプレイした人にはわかると思うが後半の専門用語の多さが目に付く。用語は世界を構築するために良い方向に作用するが、時にプレイヤーは用語を煩わしく思ってしまう。ディスティニーに関しては二作目なので、テイルズの飛躍を込めて用語を多くしたのかなと推測できるが、飲み込むのに時間がかかってしまう。ファンタジアに関しては専門的な用語ももちろんあるが基本的には北欧神話に由来する要素が多いため、ゲームユーザーには馴染みのある見慣れた用語ですんなりと咀嚼できる。物語も一貫してダオスの討伐を描いているため、プレイの期間が少し空いてしまっても問題なく再開できる。そういった物語面での配慮は遊びやすさに繋がっているのだなと考える。ゲームのシステム面でも配慮が見える部分がある。テイルズの戦闘画面はサイドビューになっていて、戦闘システムもボタンと十字キーの方向入力の組み合わせで簡単に戦える。従来のRPGをプレイしていなくてもドラゴンクエストやファイナルファンタジーとは毛色が違うため遊びやすいのではないかと思う。

まとめ

 プレイしていてただただ面白かった。やはり、自分がアークザラッドやクロノトリガーが好きなためプレイ中に何度か重なるシーンがあり個人的に盛り上がっていたというのもあるかもしれない。そういった意味でテイルズオブファンタジアは当時のRPGの要素をたくさん取り入れて生まれたのかなと感じた。こういった部分がゲームファンやアニメファンの層がテイルズが好きという事に繋がっているのだなと実感できた。アニメとゲームの融合作品という面では平成を代表するRPGの一つではないかと思う。テイルズシリーズ初プレイとなってしまったが、これから作品を遡ってプレイしていくつもりで新作などもプレイして行こうと思えた。
次はレジェンディアをやろう…。

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