地球生まれの宇宙人の話


前回の記事から少し時間が空いてしまいましたが……

先日『地球生まれの宇宙人』という新曲を公開しました。

この曲は前回の記事でご紹介した、兎胎虚無子さんの『星にかえりたい』から着想を得たもので、いわゆるアンサーソングのつもりで作りました。

『星にかえりたい』ではチャイムのフレーズが印象的に使われており、「卒アルをぐちゃぐちゃに塗りつぶした」「チャイムの音で吐きましょう」などの歌詞からも、学校生活のトラウマのようなものを感じさせます。
わたしはその点にも強く共感を覚えました。

まるで自分が宇宙人であるかのような感覚。
みんなとはどこか違っていて、みんなと同じようにできなくて、みんなといるとはみ出して、なんだかいつも生きづらい。

わたしがこの感覚を植えつけられたのは、やはり子ども時代の学校生活でした。
それは生まれる星を間違えたかのような強烈な疎外感や、自分という存在が無価値に思える劣等感を抱くにはじゅうぶんな、長く苦しいものでした。
同年齢集団での人間関係のつまづきや能力面での劣等感、そんな自分をわかってくれず努力不足や性格のせいだとする先生たち。
学校生活での記憶の数々はトラウマティックに心に残り続け、人格形成やその後の人生に影響を及ぼしてきました。

とはいえ、それから長い長い月日が流れ、今や子ども時代は遠い遠い過去になりました。
その間の仕事や恋愛や生活上のあらゆる出来事すべてが人生の経験となって、今や子ども時代のままではなくなったわたしが、大人として今を生きています。
幸運にも縁あって家庭を築き子どもを持つこともできました。

みんなと違っていて同じようにできなくて馴染めなくて生きづらいことには変わりません。
けれどそんな自分でここまで生きてきた。生まれてきて、生きている。そして新しい命を生み育んでいる。命をつないでいる。
それを肯定したいと思いました。
いや、肯定できるようになっている自分に気づきました。

前回の記事でも触れたように、わたしは自作曲『宇宙の話をしようよ』で寄る辺ない苦しみを表現し、仲間がいないか呼びかけました。
そして虚無子さんの『星にかえりたい』に出会い、仲間を見つけたように思いました。
地球上で同じようにがんばっている異星人仲間を見つけた感じです。故郷の星は違っても。

僕らはひとりじゃない。
みんなと違っていて同じようにできなくて馴染めなくて生きづらい僕らは、それでも生まれてきて、ここまで生きてきて、生きている。
そんな僕らに、そしてこれからも生まれてくる仲間に、他の誰でもない僕らが、祝福を贈ろう!

このメッセージを、チャイムのフレーズに乗せたメロディで歌わせた曲が『地球生まれの宇宙人』です。

すべての「地球生まれの宇宙人」の人生が、どうか幸多いものでありますように。

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