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#架空小説書き出し まとめ

最近、Twitterで#架空小説書き出しというものにハマっていろいろ書いてみました。
とりあえず5作溜まったので今回は解説つきでまとめたいと思います。


1作目

「続き、まだ見てるんだ」
今日もサブスクアカウントの履歴を見て、元同居人の生存確認をする。
共有で使っていた某動画サイトのアカウントは、別れて3ヶ月経った現在も稼働し続けている。履歴には、あの頃一緒に見ていた昔のアニメシリーズが表示されていた。

『名残』より

これは、別れてもサブスクアカウント消さずに使い続けて、相手の音信を確認するの現代的な趣があるなと思って書きました。敢えて昔のアニメシリーズ見てるのもなんかエモくないですか。フランダースとかハイジとかその辺のやつを見てると思います。


2作目

下駄のかかとを、からら、かららとならしながら、ほろ酔いの帰り道を辿る。
私が下駄のひとつでも落とせば、あの人は追いかけてくれるだろうか。いや、下駄だとサイズが合わずとも履けてしまうからだめか、と現実的な考えに至り、感傷的になるのをやめた。

『吸殻とシンデレラ』より

夏らしい一幕を描きたくて書きました。お祭りの帰り道のほろ酔いで疲れた感じが出せたかなと思います。自分はお姫様じゃないし、王子様なんていないけれど、自分なりの人生を歩んでくれたらいいなと思います。


3作目

「あーしたてんきになあれ」
勢いよく飛ばされたその靴は、柵を遥かに超えて、水しぶきと共に川の中へ落ちていった。靴は少し流されて、岩に引っかかり、晴れとも曇りとも言えない角度で止まった。

『ちいさな水槽』より

タイトルをつける前に主人公の年齢を最後まで迷いましたが、子供の残酷な面を描けたらいいなと思い、このタイトルにしました。明るさと陰りのバランスを感じていただけるといいなと思います。5作の中では1番のお気に入りです。


4作目

透明なガラス玉を曇天に透かして、虹を辿った。虹の袂にはお宝が眠っているらしい。ただ、じっと目を凝らしても、見つかる気配はなかった。諦めようとしたその瞬間、ガラス玉の端に何かが光った。

『雨上がりの贈り物』より

5作中唯一のファンタジー路線の作品です。主人公はなぜ、虹の宝物をさがしているのか。一体虹の袂にはなにがあるのか。色んな設定を考えていたら、120文字に落とし込むのが難しかったです。続き書けたら書きたいなあ。


5作目

何か、が抜け落ちたようだ。
栄養で言う、必須アミノ酸のような、決して自分の体内では作られることの無い存在。外部からしか取り入れられないそれを、私は、手放してしまった。

『すりきり一杯の幸せ』より

大切なものを失うということについて書きました。主人公にはきっちりと人を愛せる人になってほしいとの願いでこのタイトルをつけました。



如何でしたでしょうか。
まだまだ未熟な作品ばかりですが、お気に入り達ばかりです。
これからも少しずつ書いてはまとめていきたいな。そして、気に入ったものはもう少し長く文字にしてみたいな。
そんな目標を語りつつ、今回はこのあたりで失礼します。
みなさんも#架空小説書き出しをのぞいてみてくださいね!

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