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【ひとことnote】2023年への布石【西武】

11月9日、西武で新コーチの就任会見が開かれた。何と言っても注目は、かつて楽天で監督を務め、今季までソフトバンクで打撃コーチを務めた平石洋介氏だ。そして西武ファンには、現役時代に中継ぎ投手として活躍した長田秀一郎氏の復帰も懐かしい話題だろう。さらにもう一人、ファームバッテリーコーチに就任するのが中田祥多氏だ。

中田氏は昨年からブルペン捕手兼ファーム用具担当を務めていた。現役時代は12年間で通算12試合出場。これは今回の会見に臨んだ3人の中で最も少ない。しかし決して実績のみでは測れないもの、ファンの立ち位置から見えないものがコーチというチャンスを呼び込んだのだろう。

その前の3日に、西武は来季のコーチ陣容を発表していた。話が前後してしまう感はあるが、今一度その顔ぶれを見てみる。※は配置転換、◎は新任、名前の隣の数字は年齢。

【1軍】
監督 辻発彦 63
HC 松井稼頭央 46※
投手C 豊田清 50
投手C 青木勇人 44※
バッテリーC 野田浩輔 43
打撃C 平石洋介 41◎
打撃C 高山久 39※
内野守備・走塁C 黒田哲史 46
外野守備・走塁C 佐藤友亮 43※
【ファーム】
監督 西口文也 49※
野手特命C 田邊徳雄 55※
野手総合兼打撃C 小関竜也 45※
打撃C 上本達之 40
投手総合C 清川栄治 60
投手C 長田秀一郎 41◎
投手C 大石達也 33
バッテリーC 中田祥多 31◎
内野守備・走塁C 阿部真宏 43※
外野守備・走塁C 赤田将吾 41※
野手C 嶋重宣 45※
【選手兼任】
投手兼投手C 内海哲也 39◎

この陣容の大きなトピックは3つ。①松井稼頭央2軍監督の配置転換、②平石洋介氏の招聘、③三軍制の撤廃。どれも勿論、チームの立て直しという大命題の上に成り立っているのだが、2023年以後に控える「松井稼頭央監督誕生」への布石となっていることも読み取れる。平石氏の招聘は楽天・ソフトバンクでの功績がペースにあるが、将来的な「松井監督、平石HC」という構想もあるはずだ。

今季まで三軍で指導に当たっていたスタッフは、田邊コーチと嶋コーチが2軍へ、青木コーチが1軍へ回った。青木コーチは元々広島で9年間コーチを務めた経験を買われ、2020年に古巣の西武へカムバックを果たしたという経歴がある。どのような形でその経験が活かされるか、楽しみな配置だ。
また、3年ぶりの1軍復帰となった佐藤コーチや、現役時代は左キラーで鳴らした高山コーチにも注目したい。

2軍では田邊コーチの存在がキーになりそう。今では長い指導経験を持つ人物が1軍と2軍の橋渡し役を担うことが増えているが、特命コーチという肩書もそれに近いものと思われる。
また、上本コーチや長田コーチ、大石コーチ、中田コーチといった若手が多いのも特徴的だ。この辺りは2軍選手の心情を汲み取りやすい世代であることに加えて、指導者の育成という側面も持ち合わせているのだろう。西武の若手選手を取り上げた記事では度々、上本コーチの名前を見かけるが、この中から名伯楽と呼ばれるような人物が出てくるかもしれない。

内海哲也投手には、来季からコーチ兼任の肩書が加わる。今年でいえばオリックスの能見投手兼任コーチが、選手とコーチそれぞれの役割でチームに好影響を与えていたのが思い浮かぶ。内海投手もまた、移籍組ながら兄貴分と慕われる存在。両面での活躍を願いたい。

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