初夏

熱で眠りこけていると大抵夢を見ない 
深い真っ暗なところからはっと目が覚めると、一瞬自分が誰なのか 今どこにいるのか分からなくなる。可笑しくて苦笑。

一人だね。重い身体をひきづってキッチンに立つ。時間をかけずに腹を満たす。
テレビの音も煩わしくて久しぶりに無音。
ニュースも 仕事も 誰かからのラインにも 興味が全く出ない。いつもわたしは何であんなに忙しなく動いてたんだろう。
他の人が働いている時間に一人身体を休めていると 自分は社会の歯車から外されたようで少しほっとしてしまう。

熱が引き、正常な思考が戻った頃にはわたしはまた 社会に戻っていくのだろう。
生き方とか働き方に悩みながら闘うのだろう。
それまでに与えられた一瞬の休息。
外は蒸し暑い。

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