違反建築を買う?

おかげさまです。
不動産コンサルタント蔭山達也です。

オーナーのための不動産チャンネルを
ご覧いただき、ありがとうございます。

いつも自宅から駅まで歩いているのですが、
そのときの道中で、いつも目に入り、
気になっているビルがあります。

そのビルの何が気になるのか
といえば高さです。

隣接地や周辺建物と比べて
明らかに高さが違うのです。

隣接しているビルやマンションの
敷地面積や高さはどれも同じくらいで、
5階建もしくは6階です。

対して、

気になっているビルは8階建です。

どうしても周辺の建物と比べて、
頭一つ以上高いので目立ちます。

敷地面積も周辺と同じくらいで、
高さだけが異様に目立つのです。

各建物のワンフロアの高さの違いも
ありますので階数だけで安易な判断は
出来ないのですが、どう見ても高いの
です。

そのため、
いつも無意識に目がいってしまいます。

東京のビジネス街ではなく、
神奈川県の住宅街の駅近物件で、
容積率は300%くらいが想定される
エリアです。

周辺建物の敷地面積や容積率から考えると、
5階~6階建くらいまでの高さが想定されます。

現に、
周辺の同規模の敷地に建っている
ビルやマンションは、
すべて5階建か6階建です。

違反建築なのかな・・・と、
いつも思いながら歩いているのですが、
ただ、こういった明らかに違反建築も、
収益物件だと、利回りが非常に良い
ケースも多いです。

それはなぜか・・・

ワンフロアの床面積が同じであれば、
6階建より8階建のほうが賃貸収入は
多くなります。

仮に、
ワンフロアの賃貸面積が40坪として、
6階建であれば240坪分の賃料収入。
8 階建であれば320坪分の賃料収入です。

8階建のほうが80坪分多くなるわけ
ですから、
坪単価5千円と仮定した場合、
月当たり40万円、年間で480万円
多くなる計算です。

仮に
2億円で売りに出すのであれば、
6階建のビルだと、利回り7.2%、
8階建のビルだと、9.6%になります。

利回りとしては魅力的ですよね。

ただ、
残念ながら違反建築物としての
利回りです。

購入するにしても、
融資は付かない可能性が大です。

金融機関は遵法性にも重きをおきますから、
極端な違反建築物は、担保にならないからです。

現金で購入するのであれば別ですが、
しかし、
今度は売却するときに苦労しやすいです。

価格を多少下げても、
融資がつかない不動産は、
買い手が限られるため、
売れにくい物件となります。

もちろん、
極端に価格を下げれば買い手も増えますが、
そうなってくと、そもそも資産価値として
どうなの・・・ということになります。

遵法性を改善できればそのリスクも
解消は出来るのですが、同じ遵法性でも、
消防法において誘導灯が設置されていない
のであれば、設置をして改善は図れます。

しかし、
8階建を6階建にするのは、
現実的には不可能に近いです。

一生保有することを除けば、
改善出来ない遵法性を持つ不動産に
ついては、やはり積極的に手を出す
べきではないと思います。

とくに
1棟の収益物件については、
遵法性を確認するべきところは多くあり、
注意が必要です。

さきほどの延べ床面積や容積率だけではなく、
建物用途なども気を付けて見るべき点です。

例えば、
建築時は事務所として申請して
建てたビルを、
現状はすべてのフロアを住宅として
賃貸している物件などは、
大いに注意が必要です。

なぜなら、
事務所と住宅では、
建築基準法における規定が異なるからです。

分かりやすいのは採光でしょうか。

採光とは、
自然の光を窓から室内に採り入れる
ことですが、建築基準法では住宅の
採光基準は厳しく、基準に照らして
建築され、最終的な検査を受けます。

一方、事務所や店舗は、採光の規定が
ありません。

そのため、
事務所として建てたビルを住宅使用
しているのであれば、
採光の基準一つとっても違反物件と
なる可能性を秘めているのです。

他にも、
エレベーター、駐車場、消防法など、
収益物件は確認する点が多いので、
物件を見る際には、利回りだけでなく、
遵法性も同時に見るようにしてみて
ください。


以上となります。

最後までご視聴いただき、
ありがとうございました。

ぜひ、チャンネル登録も
よろしくお願いします。

また、不動産に関するご相談は
概要欄のお問い合わせからお願
いいたします。

おかげさまです。蔭山達也でした。

https://www.youtube.com/watch?v=bWQqtao6S08

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