催眠〜千里眼【ネタバレ】

考察、メモ用。色々後日直します!


クラシック→新シリーズ→ノーマル文庫(マジシャンの少女まで)と千里眼を遡りながら、ふとした興味心から催眠のノーマルにも、手を出してみて色々と考えたので、文にしてみました。


・クラシックでは嵯峨は歳上(32歳)?

 年齢記述の記憶がないのですが、ブラッドタイプ(ノーマル)のイメージが強いせいかそのくらいで読んでいたのであまり気に止めてませんでした。
 
 
 
 
・ブラッドタイプ(32歳)

 ノーマルだけ数年前に読んでいてとても好きだったので、改めて今回クラシックシリーズとして読んだ時にかなりの改稿に驚きましたが、ブラッドタイプではノーマル・クラシック共に32歳と美由紀より4歳年上となっています。


・千里眼ノーマル(28歳)

 マジシャンの少女までしからまだ読めてませんがここまで、嵯峨敏也は岬美由紀と同じく28歳になっています。



・千里眼の死角 単行本

嵯峨は20代で若く見える、という記載と美由紀も20代と二人共突然年齢ぼかされているが、まだ同い年で良いだろう。
あとカローラに乗ってる描写あり。

クラシックと違ってこの巻では特に嵯峨が美由紀によって、美由紀は嵯峨によっての成長を感じられた巻です。
嵯峨が美由紀のように堂々と冷静にダビデを救っていき、大胆な行動を取るようになった。
壊れた美由紀をダビデと共に嵯峨が救っていくシーンはとても良かった。
多分クラシックではなかったと思う。



・千里眼 へーメラー ノーマル文庫

上下巻を読んで思った事は、クラシック版では確か伊吹が離婚歴があり、大切にしていた指輪があった。
美由紀の事を守る為に同僚として、同棲していた(この話がもし新シリーズの「美由紀の正体」で語られてたら勘違いです)話はなく、あっさりとした二人の関係。
だから、伊吹の突然の告白にもそこまでの動揺はなかったのかな。
あとは少年を美由紀が救助というか、隠れていたのを見つける下りはクラシックのみで、ノーマルでは伊吹を立ち直している間に解決したみたいなさらりとした展開になっており、軸が自衛隊になっている事を考えると、大体の流れは同じなのに細部の違いに圧倒される。

 

・催眠 ノーマル(30歳越え)

 実相寺から、嵯峨敏也は180cmでスポーツマンのように肩幅があり、ガタイの良く日焼けをして男らしさのある眉の30歳を超えた男性と記されています。

 千里眼では180cmほどの高身長ではなく170cm台なイメージがあり(ちゃんと覚えていないので違っていたらごめんなさい)、色白で細身な神経質と記されているので、映像化に辺り変わったのでしょうか。

 「千里眼」は「催眠」の続編として松岡さんが書かれている事が最後にありました。
 だから、岬美由紀と嵯峨敏也という二人の主人公がいるような形でノーマル版は書かれていたのかもしれませんね。
 
 
 


・催眠 特別篇(27)

 友里の話も出てくる。出版時系列的には「後催眠」や「カウンセラー」より先に出ており、「千里眼 ミドリの猿」と同じ年に発売された後発小説である。

 実相寺から見た嵯峨の容姿は25〜26と若返り、背も高くなくやせ細ったウェーブをかけた髪と神経質そうな顔立ちへとた変貌を遂げていた。
 多分私は完全版(この特別篇より後に出てる)を読んでいるので、多分このような表記をされた嵯峨しか知らないと改めて気づき、私の知る嵯峨敏也はドラマ等の映像によって生まれた事を感じました。

 カラオケでのシーンはなんとかメロディを覚えている曲を必死で探した「青い山脈」から、稲垣吾郎に似ている事で勝手に入れられてしまったSMAPの「夜空ノムコウ」に変更されていたり、倉石に娘がいる設定が加わわり、娘の代わりに息子のように嵯峨を思う場面が追加されている。

 尚、催眠 特別篇によるプロフィールによるとラスト辺りで27歳の設定になっている模様。
 この時点では「ミドリの猿」では28歳であるという記述がある。
 カローラ→マセラッティに千里眼に行く時は変わったらしいが、ブラッドタイプではカローラではなかっただろうか。

 
 

 
・催眠 完全版(20代後半〜30代)

 5年程前の記憶が実相寺さんの屑いところしか記憶になく、現在手元にない為、後で検証します。
 ただ「催眠」の中で1番新しいのが「完全版」なんですよね。
 催眠(単行本97、分後99、特別篇00年、完全08年)は単行本から文庫の際に加筆がなければ3種類の展開を見せていることになります。

読んだので追記

催眠の「特別篇」はプロローグが唯一異なっているようでテレビや映画との齟齬を無くした「特別篇」の冒頭シーンがカットされており、通常の催眠が改稿されている?。
特別篇による朝比奈と美由紀たちとの出会いや、倉石や嵯峨の関係性、何故「息子」のように思うのかの全てをまたリセットしたということか(?)

最初に催眠にかかる女優がテレビドラマで白血病患者を熱演した下りがなくなったり、ディレクターとのやりとりや実相寺の心理描写が若干変わっていた。
特別篇では一旦最後のV振りをどうするかとのやりとりがあったが、完全版ではあっさりと「お疲れ様でした」と告げられる。
冒頭だけでも、ノーマル、特別篇とここまで変えてくるのか、と思いました。
逆に女優達との最初の下りをだいぶ短くまとめた印象がします。

完全版からクラシックへの流れのせいかノーマルでか「30代」、特別篇では「20代」と実間寺に表現されていた嵯峨が「20代後半から30代」へとまた変わっていた。

理恵子がよく歌う歌が変わっていた。細かく覚えてないけど、ミスチルとかの表記はなかったはず。

鹿内と繰り広げられる臨床心理士の免許資格や、医者には血が見れない流れはあっただろうか?
スクールカウンセリングは嫌だとかそういうやりとりの覚えがない。パソコンとかの話の記憶はあるけれど。追加部分?
年代的に最新のノートパソコンやPHSが変化されてカットするしかなかったか。

あと、小宮愛子という知らない女性が出てくる。
朝比奈 宏美はどこにいった!?
と思った瞬間、小宮愛子の記憶を思い出した!!あれに繋がる??!って思うけど、ちよっとこのまま読み進めながら書いていきます。

そして入江由香に対しては「多重人格かどうか」と「依頼されてないものは仕事ではない」が論争されていたが、今回は「精神科医ではない」つまり「医者」ではないのだから、勝手に判断して病名をつけてはいけない、と変わっている。
阪神・淡路大震災が過去の出来事になるからその下りも全カットされており、ボランティアへの派遣話もなくなっている。
故に「反省して家に留守番電話もつけましたし、PHSも買いました」のくだりもない。

「東京カウンセリング心理センター」で正しいんだっけ?色々見ていたから「東京カウンセリングセンター」がいつの時代か分からなくなった。

「特別篇」では急にドラマとの齟齬で朝比奈という娘設定が追加されたのにらまた、ハズレるというこの、激しさ。

今回から。マクドナルドで占いの館を見張っている設定が喫茶店へ変更された。月見バーガー食べているシーンが急にコーヒーを飲んでるシーンになった!
原付のくだりが出てたり、色々と細かな所が改稿されている。なぜ近くに住んでいると嵯峨が推理したのかが別物に。
人工衛星GPSの話も消えた

理恵子のカラオケはミスチルを歌うと褒めプロデビューしたら言われると語るシーンも完全版オリジナルかな?
嵯峨はノーマル版ではカラオケ帳から必死に探してかろうじて覚えていた「青い山脈」、特別篇では稲垣吾郎に似てるからと勝手に「夜空ノムコウ」をいれられたが、バッサリとカットされ、理恵子と交互に10曲ずつ歌ったと記載されている。歌える歌がないという嵯峨の設定が変わっていく笑

そうしてようやく「朝比奈 宏美」が出てくる。臨床心理士の資格試験に受からない、と言い。
 
そしてクラシックへと流れる為の完全版なので、心理を読むのが目ではなく表情筋へと変わってますね。
硬貨がどちらの手に握られているかも、鼻が動くからですから筋肉の圧迫になってます。

岡江所長には、嵯峨の過去に問題があって後先考えずに突っ込んでしまうのでは?と言われるのも追加されてる。

スーパーファミコンからwiiに、変化してる!!!

桑原というディレクターが初登場。
ラストでは「催眠術のコーナーはどうでしょう」から「企画書を上げてから通ったらですね」みたいな流れだったのが完全版では「催眠術のコーナーも考えてたけど(独り言)」から「いや、催眠についての特集で、貴方には関係ありません」になってたり、「あなたは実社会をどう思ってますか?甘えてますね」とバッサリ。

一輪車に乗れる下りも細部が違う。

そして実相寺くんの東和銀行のくだりとディレクターたちにバレて別方面でニュース作る後に変更されてる。

そして「貴方のレパートリー古すぎ」と理恵子に言われる。同じ作品で三種類も変えてくるこの恐ろしさ。

最後別の人による世界観に書かれていることは一応完全版は「千里眼クラシック」へ続くことを考慮はされてはいるが、実質は世界観の異なる作品だという表記がある。
催眠と、ブラッドタイプはやはり、別世界の嵯峨と美由紀なのだろうか。催眠では臨床心理士として働いていたような気もするが、完全版では朝比奈は受付だし、入江由香は小宮愛子だし、色々人物立ちまで変わっていることを再認識しました。
小宮愛子誰だっけ?から全てすぐに思い出せたとはいえ、完全版で催眠はミステリーらしさをましたというのだろうか。
 

また、完全版では、カローラは壊れていない。(これは単行本ブラッドタイプでカローラを出したためか?)
 
 
 
 
 
・カウンセラー(30代)

ノーマル千里眼の死角で、気にしていなかったが嵯峨敏也は30代にまで年齢が上がっている。
 
 
 
 個人的にノーマルのミドリの猿〜運命の暗示で、嵯峨の弱さや恋心を描かれていますが以降嵯峨からの恋愛感情は、一切書かれていません。
 どちらかというと恋愛感情の低い鈍感男な書き方になっていますね。
 共にアメリカに渡米した筈なのにシレッと日本にいる辺りは私の見落としや忘却部分に記載があったのでしょうか。

 ノーマル→クラシックでは心理の見方を変えているため、嵯峨敏也の出番も極端に少なくなってますね。特にノーマル版では2巻から4巻に掛けて「催眠」がテーマになっていました。
 ミドリの猿での大幅改稿で、嵯峨敏也である意味をなくしてしまい、またそれに伴い「洗脳試験」がなかった事にクラシックでされたことに頷けます。
 元が変わっていて、キーの部分が意味をもたず、新しい世界物語を書くしか選択肢がないのだなぁ、と思いました。
 だからこそ「千里眼の復讐」という別タイトルが第4弾としてクラシックに含まれます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?