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《エッセイ》テスト

小学生の頃、テストをしたという記憶がかなり少ない。
夏休みとか冬休みは漢字ドリルや計算ドリルをやった記憶はあるのだけれど、授業中にテストをしたということがなかなか思い出せない。

その中でも、一年生か二年生の頃のテストはちゃんと憶えている。

たぶん、そのときの私は、どうしようもなくテストが嫌だったんだろう。
テスト中に答えも書かずに、テスト用紙に鉛筆で「バカ」と書いたのだ。

テストのバカ。
テストなんか嫌いだ。

その授業の終わりにテストは回収された。

その日の放課後、帰りの会が終わり学童に行こうとする私を担任の先生が呼び止めた。

「これは誰が書いたの?」
「お友達が書いたのかな?」
「つらいこととかある?」

真剣な声色で問いかける先生に、小学生ながら焦った。
テストが嫌いだから書きました。なんて言えないじゃん。
けど先生はいじめを受けたんじゃないかって心配させちゃうじゃん。

「私が書きました」

「え!? あなたが書いたの!?」

白状しました。嘘つくの嫌だし。
そのあと先生からはそれなりに怒られました。
もう書いちゃ駄目だよ!って。うん。

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