僕は謎が解きたい

タイトルと逆のようなことを書きますが、最近、僕は謎解きから少し離れています。まあ、マーダーミステリーという新しい遊びにはまり始めたから、というのはありますが、じゃあどうしてマーダーミステリーにはまり、謎解きから離れつつあるのか、というのを考えました。

そこでふと、思い出したのです。

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1886025119&owner_id=364119

自分が7年ちょっと前に書いたmixiの日記を。見れない人がほとんどだと思うので一部のみ抜粋して転載を。(抜粋なので文章つながってないのはご容赦を)

最近、リアル脱出ゲームに代表されるような、「謎解き」にはまってます。まあ、それはみんなご存じかと。で、この「謎」ってなんなんでしょう?普通に、謎、を英語に翻訳すると、mystery、だと答える方が多いかと思います。

ただ、「謎解きイベント」における「謎」って、mysteryではないように思うのです。謎解きイベントの「謎」とは、英語だと「puzzle」ではないでしょうか>これも日本語だとパズル、って物理パズルと呼ばれる、何か知恵の輪みたいなものを思い浮かべる方が多いと思いますが、英語のpuzzleは、もう少し広義です。知識を問うのではなく、思考により解かれるなものを広くさしている場合が多いと思います。

確かに、puzzleと脱出を組み合わせたのは、リアル脱出ゲームの発明だったかもしれませんが、誰しもがそれを踏襲する必要はない。そもそも「脱出」である必要があるのか?実際、最近の体験型謎解きイベントのすべてが、「脱出」というわけではありません。何かストーリー上の目的があって、puzzleを解きます。ただ、その際に、「脱出」は、非常にプリミティブな欲求で、体験型イベントに向いているのは確かです。

いろんなストーリーがイベントについているものの、もっと明確な目的意識が足りなくなってきていないか、と思うのです。世界を味わう、ことだけを売りにしているゲームが増えてないか?では、脱出以外の目的意識は何か?僕は、それこそが、mysteryだと思うのです。プリミティブさはないかもしれない。ただ、「なんでこうなったの?」「どうしてこうなった?」「どうやって?」といった、疑問の提示がもっとなされるべきでは?と。

これは、昔新本格がはやったころ、島田荘司が言っていたことに近いことだと思います。「はじめに魅力的な謎があり、それが論理的に解明されれば、それは本格ミステリーだ」と。本当に今、それを思います。

だから、謎不要論、を僕は簡単にはいいません。puzzleはいらないかもしれない。だけど、mysteryは絶対にほしい。日本語になおすと、もっと謎を!僕はそう思うのです。

まさに、謎解きの数を減らしつつある今、これを感じています。

自分は、「魅力的な謎」の提示された物語を体験したいのだ。

そしてその謎を論理的に解き明かしたいのだ。

どうしてこの世界はこうなってしまったのか、どうして自分は閉じ込められたのか、誰がそんなことをしたのか。

そもそも、僕がはまった魅力的な物語があるゲームにはデジタルでもアナログでも、いつも「謎」があった。ストーリー評価の高いRPGを思い浮かべてください。必ずそこには、ストーリーを引っ張る「謎」があったはず。

一方、「謎解き」は、それになれるにしたがって、「謎」がないことに慣れてしまった。

どこかに閉じ込められた時、「いったいここはどこなのか」という謎に僕はわくわくしていたはずなのです。それが、いつからか、そんな謎は消えてしまっていた。

けど、最近、とてもいい「謎」に出会いました。

「閉ざされた雪山からの脱出」

です。なぜこれを僕が魅力的な「謎」と思ったのか。プレイしてもらえればわかるかもしれません。あの公演の良さは、僕は単にあのセットや世界観だけのものではない、と思っています。あそこには、SCRAPの脱出が失いかけていた「謎」があった。そう思ってます。

一方マーダーミステリーには、「謎」が必ずあります。誰が殺したのか、という単純な謎が。そしてその謎だけで終わらない面白さが各作品あります。その謎が魅力的であり、かつ論理的に解かれるマーダーミステリーが僕は好きです。

そしてそれが一番実現されていたマーダーミステリーが

「ランドルフ・ローレンスの追憶」でした。

だから僕はこの作品を昨年の最高の「謎解き」と評しました。

だから、本当に「魅力的な謎」に出会えるのであれば、マーダーミステリーでも謎解きでもかまわないのです。

僕は謎が解きたい。





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