11年目農醸 私たちの酒米の生育記録 5
この度の秋田県を襲った大雨で被災された方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
私たちの酒米の田んぼは特に被害がなく、居住地も含めて無事でした。
しかし、農醸を醸す福禄寿酒造のある五城目町は甚大が被害あり、大雨から明日で1週間を迎えますがいまだに断水中で復旧の目処が立っていません。
大潟村松橋ファームでは少しでも食の面でお役に立てたらと思い、炊き出しの為の食用米や野菜を寄付する活動を続けています。
無理すること力を出し合って継続的にお役に立てたらと思います。
私たちの酒米の様子をお知らせします^^
田植え後31日目の秋田酒こまちです。
この頃になると生育が旺盛で、定点観測していてもどんどん上にも横にも大木なったり広がったりしているのが分かります。
平均的な株に印をつけて10日ごとに生育調査をしています。
一番早く田植えをした別の品種の田んぼは単位面積辺りの本数が目標に達したので水を抜いて田んぼを乾かしました。
田んぼを乾かすと分けつ(枝分かれ)が止まるため、本数を数えてタイミングを図ります。
秋田酒こまちは最後の方に田植えをしたこともあり、この頃の生育調査ではまだ本数が足りませんでしたのでまだ水を張ったままにしています。
田植え後32日目の改良信交です。
こちらもまだまだ本数が目標に達していないので水を張ったままにすることにしました。伸びやすくて倒れるのが恐い品種ですが、この時点ではまだ秋田酒こまちの方が丈が伸びていました。
田植え後36日目の秋田酒こまちです。
水を張り続けて分けつを促して、列と列の間が見えにくくなる程に広がってきました。
田植え後37日目の改良信交です。
こちらも、まだ本数は足りないながらもすくすくと育っています。
田植え後45日目の秋田酒こまちです。
また生育調査を行い、本数が目標に達した為、水を抜きました。
水を抜いて乾かして分けつを抑制して、と考えていたのですが、梅雨の長雨の影響で土は思うように乾きません・・・。
本数の目標を今までと少し変えてみました。
色々な要因があるので一概には言えませんが、その成果は秋以降に分かります。年に一度しか試すことができないので情報の蓄積が大切です。
田植え後46日目の改良信交です。
こちらも列と列の間がすっかり見えなくなりましたが、まだ目標本数に達しないので水を張って分けつを促しています。
ただ、目標本数に届かないからと言っていつまでも水を張っていれば良い訳ではありません。ある一定以上生育が進んだ後に枝分かれしてきた茎は茎自体は伸びても籾が実らないので密度が上がって倒れるリスクが上がるだけで意味がありません。
そのため、タイムリミットまでに目標の本数を確保するために肥料の設計をしたり田植えをする時の密度や本数を調整しています。
田植え後52日目の秋田酒こまちです。
大雨に耐えて、すっかり水は引きましたがたっぷりと水を吸って土は乾いていません。
この日に再度生育調査を行いました。機械を使って葉の色(栄養状態)を計測して単位面積辺りの本数・丈の長さと合わせて、追肥(肥料を追加する)できるかどうかを判断します。
このタイミングでは追肥をせずに保留することにしました。
追肥もいつでも良いという訳ではなく品質を上げるためにベストなタイミングがあります。
今までは追肥することを前提に肥料の設計をしていましたが、今年は追肥をしなくても良いように設計しています。この結果も秋以降に判明します。
田植え後53日目の改良信交です。
さすがに水を抜いて乾かし始めたのですが、こちらも大雨の影響でやはり乾いていません。
改良信交は始めから追肥前提で田植えの段階では最小限の肥料しか入れていませんので生育調査もしますが、予定通り追肥することにしました。
改良信交は丈が伸びやすくて倒れやすい品種です。肥料を入れてしまったものは抜くことはできないが、後から足すことはできるという考え方のもと、リスクを回避するためにわざと肥料が途中で足りなくなるように設計して必要に応じて量を判断して追肥するようにしています。
間もなく穂が出て花が咲きそうです。
稲の花見会もまだまだ参加者募集中です。
引き続き皆で私たちの酒米を見守っていきましょう^^
●農家とつくる日本酒プロジェクト
webページ/https://noujou.jp/