見出し画像

おうちでお花見

こんにちは、モネリストです。

外出自粛の週末ですね。東京都では、桜の名所と言われる上野恩賜公園や代々木公園なども封鎖されています。
今が見頃と咲き誇る桜たちも、可哀想にさしずめ無観客試合といったところでしょうか。

お籠り中の皆様各々の楽しみ方を見つけられていることと思います。

アート好きモネリストとしては、もっぱら録り溜めた古い映画を見たり、画集や展覧会のカタログを眺めたりしていますが、フォローしているパリ・オルセー美術館やルーブル美術館、日本の大塚国際美術館等から配信されるインスタにも心癒されています。

いずれもコロナ対策で休館中。来館できない人々に名画と、ちょっとしたギャラリー・トークを配信してくれるのです。

大塚国際美術館は「おうちで名画鑑賞」と銘打ってシリーズものにしています。

考えてみれば、これらの名だたる作品たちは歴史上の数多ある難事ー戦争、災害等々ーをくぐり抜け今に至るわけですよね。

その作品を生み出した画家それぞれにも、耐え難い苦しみや悲しみ、言いようのない不安などがあったでしょう。
しかし、そんな中で描いた魂の一作だからこそ私たち遥か後人にこんなにも力をくれるのだと感じます。

私も真似っこして、少しでも皆様に元気をおすそ分けしたい…なんて、あまりにおこがましいですが。

公園でお花見できなくても、おうちでお花見をしませんか?
戸外の花々もよし、室内で愛でる花もよし。

ということで、モネリストの超独断選抜による名画たちをお届けします!テーマは「花」

《花》1933

《ポピー》1934

《ミモザの花束》1946

どどんと3連発! モイーズ・キスリングの作品です。キスリングらしい濃厚な色遣い、派手派手路線でいってみました。

キスリングはエコール・ド・パリを代表するポーランド出身の画家です。エコール・ド・パリというとモディリアーニや藤田嗣治のほうが日本では有名かもしれませんね。

彼は花や静物、女性の肖像や裸体など極めて古典的な主題を中心に描きました。でも、彼の描く花は凄くパンチが効いていて、古典的というより前衛的、一度見たら忘れられない魅力があると思います。

上記の三点、どれがお好みでしょうか。

《静物、花とコーヒーカップ》1924 アンリ・マティス

はい出ました、色の魔術師!
全てに色があるのに決して喧嘩していない。

花瓶の花はアネモネ、奥に見えるのはミモザかな?コーヒーカップの黄色とさり気なくリンクさせている。さすがだなと惚れ惚れする一枚です。

続いてはロシアの名画から。

《花のある静物》1909 ミハイル・ニコラエヴィチ・ヤーコヴレフ

アナウンサー泣かせの名前ですね。

ヤーコヴレフの今作は花を植物学的視点から見るのではなく、色彩のコンポジションを表現しようと試みた力作だそうです。

私は黄土色の花瓶→黄色・オレンジ・赤の花という暖色グラデーションに心惹かれました。奥にも少し背の高い黄色のキンセンカがあることで、全体的に暖色系のこんもりとしたフォルムになり可愛いですね。

これらの色合いとガラスの花瓶の濃い青やテーブルクロスの白が互いに引き立て合っていて、なんとも素敵! こんな花を飾っているレストランがあったら是非行ってみたいな♩

ここからは戸外の花の風景画を。

《アニエールの公園》1887 フィンセント・ファン・ゴッホ

ゴッホの絵というのは何故こんなに人の心を打つのだろうか?
…と私はこの絵を見て息を呑みました。

今作はゴッホが風景画により一層注力するようになった頃のもので、パリ郊外のアニエールで制作されました。この頃は点描画の技法を取り入れていますね。ゴッホ独特の厚塗り的な要素が薄く、また構図の面では彼の大好きな浮世絵からの影響が見られます。

ゴッホの繊細さを思わせる優しい色遣いに、私は穏やかな春のお散歩を連想します。

さあ、ちょっとその辺に腰を下ろして、何飲みますか?
このアニエール公園ではコーヒーって感じじゃないなあ。小さめの白いマイボトルにカモミールティーでも入れていきましょうかね。

最後は我が愛しのモネおじさんを二点。
光と風を描かせたら天下一品です。(えこひいき)

《陽だまりのライラック》1872-73

この絵はアルジャントゥイユで描かれたものと考えられています。

美しい満開のライラックの下、木陰になっているところには愛妻カミーユと息子ジャンの乳母がいます。(見えにくくてすみません)

2人の上にはライラックの隙間から差し込む陽光が斑点のように描かれていますね。ここが光の魔術師モネのなせる技!

ライラックの枝ぶりも見事で、淡いピンクが優しく語りかけてくれるようです。

こんな風に気持ちのいい木陰で、寝転がったりサンドイッチ食べたりしたいものですねぇ。

《ヴェトゥイユ・サン=マルタン島からの眺め》1880

ヴェトゥイユはパリ北西部の村で、モネが1878年から約3年間暮らしたところです。睡蓮で有名なジヴェルニーに移り住む前ですね。

これは晩春から初夏でしょうか。爽やかで澄んだ空気と草の匂いが感じられるようです。

ちょっと深呼吸したくなりませんか。

以上、お気に入りの花たちでした。
ほんのひととき、お花見気分で個性豊かな花たちを楽しんでいただけたら幸いです。

ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?