見出し画像

unrequited love



原作 梵天海彦

時は1598年12月12日……
京 伏見 御香宮にて石川五右衛門一家最期の
戦が始まった……



加藤清正『儂は肥後の虎!加藤清正じゃ!石川五右衛門!これまでよ!覚悟いたせ!』


才蔵『兄者!多勢に無勢……最早、これまでじゃ!』


五助『才蔵!俺らが負けるわけねーだろ!』

伊達政宗『逃げれると思うなよ!』

伊達政宗が五助に切り掛かり石川五右衛門の目線を奪う

ズバ! 五助の身代わりに咄嗟に伊達政宗の前に立ち塞がった石川五右衛門の上半身を斜め逆袈裟斬りで切り上げられる

石川五右衛門『五助、逃げろ!』

振り向いて大勢にいる周りの敵を睨む。

雑賀の頭領、鈴木重秀が火縄銃で石川五右衛門の肩を撃ち抜く
     
パァーン

石川五右衛門『ぐっ!ああああぁぁ!』

加藤清正『石川五右衛門!覚悟!』

殺陣
五右衛門の背中を真田幸村と加藤清正が斜め2箇所から刺す

伊達政宗が石川五右衛門の腹を突き刺す


石川五右衛門『…五助…立派な忍者になれよ…』



五助『うわぁぁぁ』 悲鳴にならない声

五右衛門が殺される様を観たショックで御香宮の坂を転び転がり始め……

才蔵『五助!!』

伊達政宗『…ここから落ちれば助かるまい……』

加藤清正『1人も逃すな!追え!追え!』


タイムワープ


2023年12月12日  大阪市淀川区十三

シアター777 受付カウンター前

つるさん『いい女やの〜』

グラビアアイドルの写真を見てニヤついている
つるさん

急に大きな落下音が響く
ドサっ!

驚く、つるさん

つるさん『な?なんやの?!、ちょっ!何、自分倒れてるん!? 』

急にシアター777、受付カウンター前に現れた五助を突っついてみる、つるさん。

つるさん『いや、こんなんで起きるわけないしこんなんで起きたらハゲるわ……いや、誰がハゲじゃ、馬鹿タレ!  支配人!支配人!』


みてぃか『どうしたんですか?正岡さん?』

つるさん『誰が正岡子規じゃ!、みんなのアイドル!つるちゃんやで❤️』


みてぃか『そんなんわかってますよザビエルさん❤️』

つるさん『アホかー!わしは正真正銘のつるっぱげじゃ! 中途半端ハゲと一緒にすなや!いや、誰がハゲじゃ馬鹿タレ』

つるさん『いや、アホかこないな事しとる場合じゃないねん』

つるさんが倒れてる五助に指を差し、みてぃかが気づく

みてぃか『つるさん、帽子とって!』

つるさん『支配人、何をこんな緊急時に?!』


みてぃか『いいから早く!人命に関わることよ!
はやく帽子取って!』

みてぃかがつるさんの帽子をとる

五助『ま、眩しい……』

つるさん『わしの頭はAEDか!?』

みてぃか『ハゲのAEDよ!』

つるさん『だれがハゲじゃ!つるっぱげじゃ!馬鹿タレ』

五助『……なんだ!ジジイさわるな!』


みてぃか『貴方、忍者役?泥棒役? 俊哉さんのところの役者さんかしら?』

五助『は?何言ってやがんでぇ、俺は大盗賊団石川党の五助じゃ!』

みてぃか『そう、役に徹してるのね
とりあえず、俊哉さんのところに行きましょ』


サザンクロスビルから外に出ると光景に驚く五助

五助『どうなってる!おい!なんでこいつらはあんなヒラヒラしたもん着て、女が色気出して歩いてやがんでぇ!』

みちかに詰め寄る五助

五助『どうなってんだ!?』

みちか『何言ってるの当たり前じゃない💦
ほら、いくわよ』

驚きながら街を歩く五助、なかなか達磨につかない

同日、十三 居酒屋コケシ

みてぃか『五助ちゃん、ここが癖のある変人達……もとい、、職人達が集まる居酒屋コケシよ』

五助『…フン…!』

山道俊哉『いらっしゃい!』

五助『……え!旦那!!』

五助『い、い…生きてたのか!ハハ笑』

抱きつこうとするが手前のカウンターに腹を打ちつけ悶絶する…

山道俊哉『は?私、貴方の旦那じゃありませんけど??おい!みてぃか!またか!!
変なの連れてくるんじゃねー!
この前は赤い落武者の亡霊!店が辛気臭くなるじゃねーか!いい加減にしとけよ!』

みてぃか『あら、、失礼しちゃうわ!そういえばあの落武者ちゃんどうしたの?』

山道俊哉『あいつなら今、トイレ掃除やらしとる!』

みてぃか『いいように使ってるじゃない♪
俊哉さん、そこであった、可愛い忍者ちゃんよ♪』

山道俊哉『おい!勝手に…!』

みてぃか『さ、五助ちゃんどうせお金無いんでしょ、奢るからここ座りなさいな、、、あっ!
そうだ、おかめちゃんに占ってもらいましょうよ🎵』

五助『触るな!ババア!』

おかめ『あらー、貴方、不思議な手してるのね…って汚いわね!みちかちゃん先にお風呂に入れてあげないと』

五助『風呂?なんだ!いかねえぞ!
旦那!旦那!助けてくれ!』

ほら行くわよ

おかめちゃんの家
風呂
おかめ『どう、五助ちゃん湯加減は……』

勝手にバスルームを開けるおかめ

五助『!?何勝手に開けてるんだ!!』

おかめ『あなた………』

五助『見るな!見るなぁぁ!』

おかめちゃんの家のリビング

おかめ『貴方、もしかしてずっと隠してたの?』

五助『……っち!なんだよ悪いかよ!今は戦国の世なんだ!こういう生き方しかできねーんだ!当たり前だろ!』

おかめ『やっぱり、手相通り戦国時代から来てたのね…』

五助『あ?!時代が違うみてぇな……』

おかめ『……そうよ時代が違うわよ……今は令和なの自分らしく生きていい時代なの』

2023年12月13日

居酒屋 コケシ

五助『旦那!実は俺、俺…女だったんです!』

才蔵似の安理さん驚く

山道俊哉『は?何言ってるんですか?』

五助『俺、ずっと前から好きでした!』

山道俊哉『は?? わけわからん事言ってんなよ! 出てけ! !』

五助『は?!なんでわからねーんだ!おい!才蔵もなんか言ってくれよ』

霧隠安理『お前、何言っとるんじゃ!阿呆!』

山道俊哉『安理!代わりに塩撒いといてくれ!』

霧隠安理『おう!』


ももえ『あら、可愛い忍者さん♪ どうしたの?
そんなにしょげちゃって?』

五助『……』
五助沈黙から急に泣き喚く
五助『俺って女としては見られないのかな…』

ももえ『振り向いてもらえなかったのね……
わかるわ……』

五助『グスッグスッ(T ^ T)』

ももえ『歌でも聞いてく?』

五助『歌?……歌……?ってなんだ?』
ももえ『多分、、今の五助ちゃんに必要なものよ^ ^

五助『……聞いてやるよ…』

ももえさんが五助に歌を歌う

五助が元気になっていく


2023年12月16日木曜日
コケシ

カラン、カラン

五助が入ってくると山道マスターの代理店長
トメコが五助を迎える。

五助『あれ?今日、旦那は?』

山王トメコ『旦那?……ああ、、、!そう、
木曜日は旦那の代わりに私が店長なのよ^ ^


道端佳子『トメちゃん、ビール頂戴!』

五助『!!お前は、猿の嫁!』

海之家たか『笑子さん赤星ください!』

五助『猿!!この!!』

道端佳子『ちょっとアンタやめなさいよ!』

道端佳子が五助にビンタする。


五助『やりやがったな!この尼!!』

五助が成海優香と取っ組み合いになる

海之家タカ『暴れんなって!』

五助『触るな!猿!お前らみんなぶっ殺してやる!』

山王トメコ『黙らんかい!』

山王トメコ『しょもないことすな!アホ共が!』

タカ、佳子、五助の頭を叩く笑子

少し落ち着いた五助は海之家たかに近づき、

五助『タカさんだっけ?ごめん……人違いして
て…実は俺、、好きな人に告白したんだけど……』

海之家たか『…なるほどね……あるある、いいよこの大恋愛マスターたかが男心ってもん教えたる』

五助『え!いいの?!有難う!』


道端佳子『じゃあ、私とトメちゃんでお化粧と衣装コーデしてあげる!』

五助『え!?俺が化粧?できるのか?!』

道端佳子『私はこう見えても女優さんのメイクをしてるの』

山王トメコ『ワシはこう見えて元スタイリストやからな大船に乗ったつもりでまかせとき!』

五助『ありがとう………』

居酒屋 コケシ
カランカラン
美人の女になった五助が
再び居酒屋コケシに来る

五助『旦那、、抱いて…』

山道俊哉『は? ウチそんな店じゃないねん!帰れ!』

五助『……なんでだーー!!』

12/19
熊本料理と創作料理シエテ

山王トメコ『五助!こっち!こっち!私がなあんたの話聞いたってもいいんやけどな、ここのマスターに話聞いてもろうたらどない?』

五助『トメコさん、有難う♪』

山王トメコ『ええて、ええて♪』

虎田隆二『トメコさんそのちっこい変なの誰ですか?』

五助『てめぇ!やんのか!ああん💢』

虎田隆二『ああん💢表でろや‼️』

山王トメコ『やめんか!戦国時代からタイムスリップしてきた忍者の五助ちゃんよ』

虎田隆二『また、ですか!最近、多いですね』

山王トメコ『あの居座り亡霊のこと言ってる?あれは死人だから💢』

虎田隆二『それ言っちゃいます?!それ言ったら私もあっちじゃ死ぬ瀬戸際に来てますから同じようなもんですってハハハ笑』

山王トメコ『だから、あんたと同じなんやから話聞いてあげて』

山王トメコ『ほら、五助!マスターに恋愛相談してもらい、ほなな!マスター、いじめたらあかんで』

五助『はっ?!なんでこんなオッサンに!?』

トメコが店から出る

虎田隆二『まだ、令和の世に来てから浅ぇのか?
我こそは仙台藩藩主 伊達権中納言政宗ぞ!頭が高い!控えい!』

五助『……政宗……!おまえ!あの伊達か!
旦那の仇!!』


伊達政宗(虎田さん)『其方、、もしや、天下の大泥棒、石川五右衛門と一緒にいた子分か?
そうか、女子(おなご)であったか……苦労したであろう……』


伊達政宗が一捻りで五助をいなす


伊達政宗(虎田さん)『儂がコッチに来たのは恐らく江戸時代に入って死んでからじゃ……いわゆる、異世界転生みたいなものよ……病気をする前の姿で今の時代に来た儂は持ち前の料理好きから今のこの店を開いてのぅ、上手く生きておるんじゃ…』

五助『………やっぱり強えぇぇ!糞!』


伊達政宗(虎田さん)『ふふっ、、驚くのは無理もあるまいがあれから暫くして豊臣家は徳川家康に滅ぼされ平和な世が来たのよ……』

五助『…今はもう、あの嫌な時代じゃないし…悔しいけどなんか…可愛い奥さんもいるから
許してやんよ……糞!』

そこへ宇喜多組が入ってくる

白澤康宏若頭『おぅ、邪魔するで!
虎さんよ!ここそろそろ立ち退いてもらわんと困るだわ!』

平田 涼『おい!若頭の話聞こえとんのか?
おっさん!』

中田直生『聞こえとんのか言うとんじゃ!われー!』

伊達政宗(虎田さん)『儂を伊達政宗と知っての狼藉であろうな!?返り討ちにしてくれるわ!!』

白澤康宏若頭『オメエらやっちまえ!宇喜多組なめてんとちゃうぞ!こら!』

を組抗争風にアドリブする
喧嘩殺陣始める


シエテの外はつばめ通り

五助『お前らみんな返り討ちにしてやるぜ!表にでろ!』

なかの和気『………十三の街で暴れることはゆるしませんよ!』

なかの先生が五助を含めマスター、ヤクザらを全員合気道で倒す。

五助『…ぐっ!強えぇ!ジジイ!貴様何者だ!』

なかの和気『……強くなりたいの?私ねそこで合気道教えてるんだけど、、どう?やる?』

五助『やるに決まってるだろ!強くなって旦那にもう一度、告白する!』

なかの和気『貴方次第ではね^_^』

白澤、伊達政宗『待ってください!私達も弟子に!お願いします!』

なかの和気『良かろう…ついてきなさい。』

12/20 早朝

撮影は木津と十三でカット撮影

五助『かかってこいや!』

キズナ『やるな!五助!』

五助『キズナ、お前、ジジイより強えんじゃねーか?』

キズナ『まあな!』

舛本昌幸『つむぎちゃんそれくらいにして次は殺陣教室だから』

殺陣でキズナと五助が対峙する

キズナ『ぎゃあ!』

五助『あ!大丈夫か!つむぎ』

舛本昌幸『五助さん、殺陣だからそんな本気でやっちゃあ駄目だよ!ましてや転ばすなんて…』

キズナ『……』
五助に近寄り腹に1発パンチする
木津でキズナ役の子にパンチシーンを
十三で五助役にパンチを腹に受けるシーンの撮影をする。

五助『うぐっ!』

キズナ『あんた…やるじゃない…私達、いいライバルになれそうね』




五助『そうみたいだな……いくぞ!』


キズナと五助の合気道型の殺陣
途中でシーン終わる編集する。

キズナと五助が刀を山型で振り下げ
交差するあたりでシーンが変わる。


遠くから2人を見ている舛本さんとなかの和気先生。

舛本昌幸『なかの先生、海神キズナちゃんが五助さんの一族の末裔というのは本当なんですか?』

中野彰久『……それは、なんともわかりませんが、海神家は先祖を辿れば伊賀の忍びの頭に仕えた凄腕の上忍だったという話です。
五助さんのタイムスリップが本当だったとすれば無くは無いという話です』

舛本昌幸『キズナちゃんのあの身体能力の高さを考えると頷けますね……』

キズナ『何?アンタ恋してんの?!生意気!』

五助『…ああ…でも、何しても振り向いてくれねんだ!』

キズナ『あ!そうだ!もう直ぐ、クリスマスじゃない!!クリスマスイブに告白したら?』

五助『栗?酢?何それ?』

キズナ『戦国時代にはないか!あのね、クリスマスは世の中の恋人がイチャつく日なの
五助、その誰か知らないけど告白しちゃいなよ!』

五助『なるほどな……有難な キズナ!』


12/24
居酒屋コケシ

カラン、カラン

五助『旦那!!好……!?』

扉を開けるが見たものに驚き扉を背に外に出て隠れる五助。

山道俊哉と山王トメコが五助の前でしつこい位、イチャイチャする


五助『ト…ト、メ、、、コ、さん、旦那と…どうして…』

山王トメコ『あら、五助!どうしたの?』

山道俊哉『なんじゃい!笑子、おまえの知り合いか?!』

山王トメコ『そうなのよ笑 ……五助、これウチの旦那、カッコいいやろ嬉』

五助『え?でも、山道と山王、、名字が…』

山王トメコ『旧姓は別別に名乗れるのよ令和の時代じゃあ、それがあたり前なのよ』

五助『そ、そ、そんなぁぁ!!!』

五助、コケシから飛び出す

山道俊哉『なんじゃい!あいつ!もうちょい、丁寧に扉閉めんかい!!』

山王トメコ『今日はクリスマスイブよ 許したってよ嬉』

山道俊哉『まぁ、おまえが言うならまぁ、ゆるしたるか笑』

シアター777

五助『うわぁぁん!うわぁぁん!旦那ぁ!旦那ぁ!うわぁぁん!』

泣きじゃくる五助

川治淑男『ちょっと、何やってんのお姉さん、身分証明書出して』

五助『…身分…しょう?なんだそれ?』

川治淑男『持ってないの?じゃあ署にきてもらおうか。』

ひでと土門謙二郎が両側から五助を掴み連行しようとする

五助『痛っ!離せ!』

2人の拘束をふりほどき逃げる五助


川治淑男『捕まえろ!』


土門謙二郎が無言で五助を撃ちまくるが五助が全て避けるので舌打ちをする。

石川吾郎『お、おい!何、一般人に向けて銃撃って!やめろ!!』

石川吾郎『が海鳴龍を殴る

警察官が逃げていく。

石川理恵『五助ちゃん?五助ちゃんじゃないの?』

石川吾郎『ありゃ、どうしたの?こんなところで?』

五助、石川夫妻に抱きつく泣く

石川吾郎『こんなところじゃなんだからウチに連れて行こうか?』

石川理恵『そうね』

川治淑男『ちょっと!ちょっと!勝手に連れて行っちゃう困るんだけど!』

石川理恵『警官が一般市民に暴力振るうなんて許されると思ってるの! そんな手裏剣みたいな危ないもの持って!地面に押さえつけて!』

ひで『い、いや、奥さん、これは……』

石川吾郎『だまれ!この子はウチの子だ!』

川治警官、ひで警官、共に言葉を失う。


五助『ひくっひくっ…うん、ごめんね有難う…』

石川家の表札

石川理恵『そう、タイムスリップしてきたの本当だったのね…』

石川吾郎『……ということは、五助ちゃん戸籍と家は?』

五助『……実はこっち来てからは十三東の神津神社の拝殿に隠れ住んでるんだ…』

石川理恵『そう、辛かったわね……
ねぇ、吾郎さん…』

石川吾郎『うん、わかってる……五助ちゃん、五助ちゃんさえよければウチの石川家の娘にならないかい?』

五助『!!え!いいの?おいら駄目忍者だよ!』

石川吾郎『大丈夫!駄目なんかじゃない駄目なところなんか一つもないから、安心して。ね。』

五助、石川夫妻に抱きつく
五助『お願いします!有難う好夫さん智子さん!うわぁぁん!』

石川理恵『よしよし…』

エンドロール

石川吾郎『はい!これで五助ちゃんは、今日から石川五助ね』

石川吾郎『実はウチの先祖は京の都にその名を轟かせた石川五右衛門なんだよ^_^』

五助『え!!え!……旦那の……』

五助が泣く

                          完

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?