はみがきまんは名医


はみがきまんは、アンパンマンの世界では数少ない医者(歯医者)の1人です。身体は歯磨き粉を模したチューブ状になっていて、上部と下部がピンク色になっています。歯磨き粉というよりも絵具に似ていますが、それはまぁいいでしょう。絵具を使って歯を磨く姿を想像して下さい。それはあまりにも悲しい光景です。ポケットモンスターの世界だったら「こういうものには つかいどきが あるのじゃ!」とオーキド博士に叱られるでしょう。持つべきものは有名ジジイですね。

はみがきまんのトレードマークは「大きくて真っ白な歯ブラシ」です。このオリジナル歯ブラシを使って、虫歯を治してくれます。「え?歯ブラシを使って虫歯を治すの?」と驚いた人もいるでしょう。私も驚きました。ですが、驚きよりも喜びが勝りました。あの拷問器具のような恐ろしい道具を使わずに、歯ブラシという平和的な道具を使って虫歯を治してくれるのです。どういう原理かは不明ですが、これほど嬉しいことはありません。安心して虫歯になることができるというものです。アンパンやメロンパンなどの甘いパンもたくさん食べられます。甘い生活ですね。

ちなみに、はみがきまんは「グッドはみがきモーニング!」という挨拶をすることで有名です。長ったらしい上に語呂が悪いですが、それを指摘したら「だったら虫歯を治してあげないよ!」とへそを曲げる可能性が高いので厄介です。虫歯を人質に取って相手の反論を封じる愚劣極まりない野郎という声もあります。ただ、はみがきまんは「悪評も評判のうちである」と捉えることができるポジティブな精神の持ち主なのでノーダメージです。ふてぇ野郎だ。

ついでに書き添えておくと、はみがみまんは当初「さん」付けで呼ばれていました。虫歯菌は酸を出して歯を溶かすので「酸」の意味も含まれているのでしょう。歯医者なので「先生」と呼ぶ方が適切だと思うのですが、はみがきまんはそう呼ばれるのを頑なに拒んでいます。「先生と 言われるほどの  
 馬鹿でなし(先生と言われて気分を良くするほど馬鹿ではない)」という言葉がありますが、人間だけではなく歯磨き粉にも通じるようです。

そんなはみがきまんにも、ムシバキンマンという宿敵がいます。ムシバキンマンは、手に持っている虫歯棒を使って重度の虫歯を作ります。ムシバキンマンが作った虫歯は、はみがきまんにしか治すことができません。「ということは、はみがきまんとムシバキンマンが裏で手を組んでいるんじゃないの?だって、ムシバキンマンが虫歯を作れば作るほど、はみがきまんは儲かるんでしょ?ムシバキンマンは相応のキックバックをもらっているに違いない」という意見もあるでしょう。心が蝕まれている証拠です。歯と一緒に心もホワイトニングした方が良いですね。お大事に。



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