ドラゴン毒一発

ドラゴンといえば、真っ先に思い浮かぶのがコモドドラゴンですよね。世に逼塞する数多の名もなきドラゴンには目もくれずに、ただひたすらコモドドラゴンを凝視したい衝動に駆られます。俗に言う「ドラゴン欲求不満」ですね。日々の穏やかな生活にはドラゴンの潤いが欠かせません。

それはそれとして、コモドドラゴンは有毒生物として知られています。「アラアラ、それは奇遇ねぇ。実はアタシも毒を持っているのよ。男を篭絡させるための淫靡な毒をねぇ。いっちょ試してみっか？」という強者もおられるでしょう。その意気や良し。自家中毒に陥らないことを片手間に祈っております。

淑女の世迷言はさておき、コモドドラゴンの毒には「血液の凝固を阻害する作用」があります。なので、コモドドラゴンに噛み付かれたら、血が止まらなくなってお陀仏になってしまいます。噛み付いた相手が失血死した後に、その身をゆっくりと味わい尽くすというのですから、なんとも優雅な食事風景ですよね。グルメなドラゴンに乾杯。

「コモドドラゴンが恐ろしいのはわかったけどさ、噛み付かれなければ大丈夫なんでしょ。汝、臆することなかれ」というほのぼのとした意見もあるかもしれません。ですが、コモドドラゴンの脚力は凄まじいので逃げ切るのは至難の業です。もはや獰猛な生物兵器ですね。彼らに慈悲を乞うても無駄なので、その姿を確認したら一目散に逃げ去りましょう。