2023.10.31 棟方志功の陽性に触れる

実家泊の朝。やはりよく眠れない。冷蔵庫がうるさい。さすがに寿命だと思う。次はサイズを下げて2ドアにした方が、野菜の使い忘れが減るのではないかと思う。
少し仕事をして帰宅。春以来くらいで着物を着る。手間取って汗だくになる。他装の練習ばかりしていたので、かなり忘れていた。
東京国立近代美術館で「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」を見る。
小学生の頃、青森県の母の実家に帰省する時はいつも青森市内のおばの家に寄っていたのだが、一度だけそのついでに棟方志功記念館に連れて行ってもらったことがあった。その時の仏像板画の印象が強烈に残り続けている。作品だけでなく、一心不乱に彫りつける映像や写真の印象も影響していたのだろう。
今回の企画展の看板に使われている写真の棟方志功の満面の笑みは「犬っころ」といった風情があり、愛嬌につられてこちらまでふふっと笑ってしまう。
飛躍のきっかけが、展示会に出品しようとした長大な作品が展示会の規格を外れていたために拒否されかかったのが柳宗悦らの目に留まったことだった、というエピソード自体が規格外だ。
誰かの話や作品に感銘を受けて大作を作った、というケースが複数あり、共振する力が相当大きい人だったんじゃなかろうか。あの笑顔も思い浮かべると、人から好かれそうだな。
板画を始める前の油絵がすごくよかったし、アメリカのテレビ番組でベアテ・シロタ・ゴードンと話していたのも驚いた。
作品数が膨大で、その量もさることながら、作品の迫力というか、圧がすごくてくたびれた。
マステ、マグネット、ポチ袋、ステッカーを購入。
長野で暮らす父方の叔母Mさんに出す絵葉書も買おうかと思ったが、好みに合いそうなもの、目を惹きそうなものがなく断念。
地下鉄で東日本橋へ移動し、和装小物の仕入れ。目当てのもので買えたのはコーリンベルトのみ。浅草橋まで歩き、劣化して割れてしまった、かんざし類を入れる透明ケースを購入。
竹橋、東日本橋、浅草橋、草履でよく歩いた。
夕食は手羽先のスープ。
夜、夫の運転で大型書店へ。父方の叔母Mさんのお世話をしてくれているUさん(叔父の妻)から着電。折り返すと、Mさんが先週木曜日に入院したとのこと。食事をほとんど摂らなくなり、だるさを訴えるようになり、血中ヘモグロビンが通常の半分になったため入院。点滴をしてはいるものの、あまり良くない状態だと医師からは言われたという。こちらから行っても良い状況になったら連絡をもらうことにする。
急に秋の気配が強まったせいか、この1、2週間、やけにMさんのことを思い出して、葉書を出そうか、電話をしようか、と思っていたところだった。Mさんがいよいよ命を終えようとしているのかと思うと涙がこぼれてくるけれど、厳しさをたたえていた彼女が穏やかに生涯を閉じていこうとしていることは、どこか彼女と似たところのある私にとっては救いでもある。

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