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2023.9.5 たいへんよい休日

今月は観たい映画がいくつかあるので、今日は2本観ることに決めていた。
洗濯物を干し、朝食はフライパンで目玉焼きトースト。
まずは「福田村事件」を朝の回で観る。平日なのに6、7割は席が埋まっている。若い世代もいる。
関東大震災の直後、朝鮮人に間違われた讃岐出身の行商人たちが虐殺された事件を題材にしたフィクション。
よくこれだけの作品を作りきったな、と思わずにはいられない。さまざまな形でこの作品に関わった人たちの気迫が込められているんだろうと思う。
流言飛語に振り回され、あんな悲惨なできごとが起きた理由の核には、不安、恐怖、群衆心理、といったものがあるのだろうけど、不安や恐怖を補強するのは、相手国を侵略したという史実ではないか。
元軍人であることにすがる村の男たちの姿は浅ましく映ったけれど、他に拠って立つものがないと、ああいう姿をさらすことになるんだろう。
自分より弱い者を差別する構造や、無知と恐怖から他者を集団で攻撃する構造は、いつの時代でもあるだろう。
監督インタビューで、「これまでの作品や著作で提示してきた視点がすべて込められているのでは」と評されていたのが納得の作品だった。
昼食はカレー。3日連続でカレーだ。
午後はぺ・ドゥナが出演する「あしたの少女」を観に行く。
現場実習生として働きはじめた高校生が3ヶ月後に自殺するという、韓国で実際に起きた事件を題材にしたフィクション。女性監督の作品。
極端な競争社会、労働力の搾取、その構造を支える大人たちの無責任さ、その犠牲になる若者たちの姿が描かれる。
主人公の高校生・ソヒの友人たちも、尊重されずにそれぞれに軽んじられているのが辛かった。
出てくる大人たちのたいがいが無責任で腹が立つ。親も学校も企業も警察も役所も。ぺ・ドゥナ演じるユジン刑事がものすごい怒って、悲しんでいた。
女性が、男性も含めて年齢や職位の点で自分より「上」の相手に抗議の意味で殴りかかるシーンが複数回(たぶん3回、うち2回はフルスイング)あったこと、履き物(スニーカー、ハイヒール、サンダル、ブーツ)が象徴的に映されていたことが印象に残った。
実際に起きた事件がもとになっているせいかもしれないけれど、いびつな社会構造と、その犠牲になる個人たちが描かれていて、小説『フィフティー・ピープル』の世界の話みたいに感じる。韓国の現代社会そのものの話なんだろう。
韓国では映画公開後、「次のソヒ防止法」と呼ばれる労働法が制定されたというが、日本だったらどうだろう。
帰宅して夕飯。さしみこんにゃく、冷奴、餃子・キャベツ・しめじのスープ。
夫と遠くの温浴施設まで汗だくで歩く。帰りはだいぶ涼しい。アイス食べながら帰る。
1人で自分だけのために時間使うの大事だ。ここのところ煮詰まりぎみだったのでさっぱりした。

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